2.8.1 UAPトレース情報の取得
オンラインテスタは,テストモードで動作しているUAPについて,各OpenTP1関数の入り口と出口とで,UAPトレース情報をファイルに取得します。これを,UAPトレース情報取得機能といいます。
OpenTP1が提供する関数のうち,ユーザサーバやRPCの関数,およびDAMやTAMなどのファイルにアクセスする関数では,関数に指定したすべての入出力データを,トレース情報として取得できます。これを全入出力データトレース取得機能といいます。全入出力データトレース取得機能を使用できる関数を,次の表に示します。
機能 |
関数名 |
|
---|---|---|
C言語形式 |
COBOL言語形式 |
|
ユーザサーバ |
サービス関数開始 |
サービスプログラム開始 |
サービス関数終了 |
サービスプログラム終了 |
|
サービス関数開始(リトライ時) |
サービスプログラム開始(リトライ時) |
|
サービス関数終了(リトライ時) |
サービスプログラム終了(リトライ時) |
|
リモートプロシジャコール |
dc_rpc_call |
CBLDCRPC('CALL ') |
dc_rpc_cltsend |
CBLDCRPC('CLTSEND ') |
|
DAMファイルサービス |
dc_dam_read |
CBLDCDAM('DCDAMSVC','READ') |
dc_dam_rewrite |
CBLDCDAM('DCDAMSVC','REWT') |
|
dc_dam_write |
CBLDCDAM('DCDAMSVC','WRIT') |
|
TAMファイルサービス |
dc_tam_read |
CBLDCTAM('FxxR')('FxxU') |
dc_tam_rewrite |
CBLDCTAM('MFY ')('MFYS')('STR ') |
|
dc_tam_write |
||
ISTサービス |
dc_ist_read |
CBLDCIST('DCISTSVC','READ') |
dc_ist_write |
CBLDCIST('DCISTSVC','WRIT') |
|
ユーザジャーナルの取得 |
dc_jnl_ujput |
CBLDCJNL('UJPUT ') |
全入出力データをトレース情報として取得するタイミングは,関数によって異なります。トレース情報の取得タイミングを次に示します。
-
ユーザサーバ
開始時に入力データを,終了時に出力データを取得します。
-
データを送受信する関数
関数の入り口でサービス要求の送信データおよびCUPへの通知データを,関数の出口でサービス応答の受信データを取得します。
-
ファイルデータを読み込む関数
関数の出口で取得します。
-
ファイルデータを書き込む関数
関数の入り口で取得します。
トレース情報を取得するトレースファイルは,オンラインテスタが最初のトレース情報を取得するとき,OpenTP1ごとに自動で作成されます。トレースファイルが満杯になった場合は,別ファイルにスワップします。
なお,トレース情報は,サービス関数終了時などに複数のOpenTP1関数分をまとめてファイルに取得します。また,UAPが異常終了した場合は,退避コアファイルからトレース情報を抽出してファイルに取得します。そのため,UAP実行中にオンラインが即時停止した場合や,UAP異常終了時に退避コアファイルを取得していない場合は,トレース情報をファイルに取得できないことがあります。