分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説

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6.1.1 系切り替え機能の概要

OpenTP1(TP1/Server Base),CPU,およびカーネルなどから構成されるサーバシステム()を二つ準備して,一つの系に障害が発生したときに,準備しておいた系に業務処理を速やかに切り替える機能を系切り替え機能といいます。この切り替えには,オペレータの操作を必要としません。

系切り替え後には,障害が発生した系のOpenTP1を再開始させて,次の切り替えに備えることができます。

オンライン中に業務処理をしている系を実行系,待機している系を待機系といいます。オンライン中は,系切り替えが発生するたびに,実行系と待機系が入れ替わります。

OpenTP1でメッセージ制御機能(MCF)またはメッセージキューイング機能(TP1/Message Queue)を組み込んでいるOpenTP1システムでも,系切り替え構成にできます。

<この項の構成>
(1) 系切り替えの種類
(2) 系を識別する指定

(1) 系切り替えの種類

系切り替えには,次の2種類があります。

注※
系切り替え機能には,上記以外に連動系切り替えという形態があります。連動系切り替えとは,系にある複数の製品をグループ化して,一括して切り替えるようにした系切り替えです。連動系切り替えを使うと,グループ化した製品を常に同じ実行系で稼働させることができます。連動系切り替えでは,系が切り替わるタイミングが自動系切り替えおよび計画系切り替えの場合と異なる場合があります。連動系切り替えを使った場合の系切り替えについては,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。

(2) 系を識別する指定

HAモニタの環境設定では,二つの系を区別するため,オンライン開始時にどちらの系を最初に実行系とするかを決めておきます。最初に業務を開始する系を現用系,現用系の障害に備えて待機する系を予備系といいます。現用系と予備系はオンライン開始時の属性を示す用語です。この定義は,系切り替えが起こっても変わりません。

系切り替えの機能の概要を次の図に示します。

図6-1 系切り替え機能の概要

[図データ]