分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説
次に示すOpenTP1ファイルに障害が起こったときの対処について説明します。
ファイル障害の対策の詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」の障害対策を参照してください。
システムファイルに障害が起こった場合の処置について説明します。
オンライン中に障害が起こった場合,使用可能な予備ファイルがあるときは,予備ファイルを現用に切り替えて,OpenTP1は処理を続けます。予備ファイルがないときは,ステータスサービスが停止して,OpenTP1は停止します。ただし,ステータスファイルの片系運転可を指定しているときは,予備ファイルがなくても正常な系だけで処理を続けます。停止した場合は,OpenTP1管理者はエラーの原因に対処したあとで,OpenTP1を再開始してください。
OpenTP1の開始時に障害が起こった場合は,ステータスサービス定義のsts_initial_error_switchオペランドの指定によって,OpenTP1の開始処理を続けるかまたは停止するかが決まります。
スワップ先にできるファイルグループがある場合は,OpenTP1は待機のファイルグループを現用に切り替えます。そして,障害が起こったファイルグループを予約状態にして,OpenTP1は処理を続けます。
システムジャーナルファイルにスワップ先にできるファイルグループがない場合は,OpenTP1は停止します。停止した場合は,OpenTP1管理者はエラーの原因に対処してから,OpenTP1を再開始してください。
上書きできるほかのファイルグループがある場合は,OpenTP1はそのファイルグループを現用に切り替えます。そして,障害が起こったファイルグループを予約状態にして,OpenTP1は処理を続けます。
上書きできるほかのファイルグループがない場合は,OpenTP1は停止します。ただし,チェックポイントダンプファイルを二重化して片系運転可を指定しているときは,予備ファイルがなくても正常なファイルグループだけで処理を続けます。停止した場合は,OpenTP1管理者はエラーの原因に対処してから,OpenTP1を再開始してください。
スワップ先にできるファイルグループがある場合は,OpenTP1はそのファイルグループを現用に切り替えます。そして,障害が起こったファイルグループを予約状態にして,OpenTP1は処理を続けます。
スワップ先にできるファイルグループがない場合は,OpenTP1は停止します。停止した場合は,OpenTP1管理者はエラーの原因に対処してから,OpenTP1を再開始してください。
TRF,またはSRFで障害が起こると,そのことを知らせるエラーメッセージが出力されます。OpenTP1管理者は,出力されたエラーメッセージを参照して,リカバリジャーナルファイルを回復するコマンド(jnlmkrfコマンド)を実行してください。
jnlmkrfコマンドを実行してもファイルを回復できない場合は,OpenTP1管理者はコマンド(damfrc,tamfrcコマンドなど)でリソースマネジャを回復したあとで,OpenTP1を強制的に正常開始してください。
メッセージログファイルは二つのファイルを使っています(dclog1,dclog2)。どちらか一つのファイルに障害が起こった場合,OpenTP1は障害のファイルを切り離して正常なファイルだけでメッセージログを取得します。両方のファイルに障害が起こった場合は,メッセージログをファイルに出力しないでOpenTP1は処理を続けます。
オンライン中に障害が起こった場合,OpenTP1はノードリストファイルへの書き込みをしないで,処理を継続します。したがって,次回オンライン時にノード情報を引き継げません。OpenTP1管理者はエラーの原因に対処してからノードリストファイルを作成し直し,OpenTP1を再開始してください。
キューを格納するファイルに障害が起こった場合の処置について説明します。
メッセージキューファイルをオープンできない場合は,そのことを知らせるエラーメッセージが出力されます。エラーメッセージが出力された場合は,OpenTP1管理者は出力されたエラーメッセージを参照して,その指示に従って対処してください。
TP1/Message Queueのキューファイルに障害が起こった場合の処置については,マニュアル「TP1/Message Queue 使用の手引」の障害対策を参照してください。
ユーザファイルに障害が起こった場合の処置について説明します。
DAMサービスは,DAMファイルにアクセスしたUAPにエラーを返します。その後DAMファイルは障害閉塞されます。DAMファイルを回復する必要がある場合は,OpenTP1管理者はDAMファイルをOpenTP1から切り離して,エラーの原因に対処してください。
TAMサービスは,TAMテーブルにアクセスしたUAPにエラーを報告します。その後TAMテーブルは障害閉塞されます。TAMファイルを回復する必要がある場合は,OpenTP1管理者はTAMテーブルをOpenTP1から切り離して,エラーの原因に対処してください。
ISAMファイルに障害が起こった場合の処置については,マニュアル「索引順編成ファイル管理 ISAM」の障害対策を参照してください。
DBMSに障害が起こった場合の処置については,該当するDBMSのマニュアルの障害対策を参照してください。
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