分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説

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5.1.2 環境設定の作業

OpenTP1の環境設定で実行する作業について説明します。ここに示す作業の詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

<この項の構成>
(1) スーパユーザの環境設定作業
(2) OpenTP1管理者の環境設定作業
(3) メッセージ送受信機能を使う場合の環境設定手順
(4) メッセージキューイング機能を使う場合の環境設定手順
(5) 通信プロトコルにOSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信をする場合の環境設定手順

(1) スーパユーザの環境設定作業

(a) OpenTP1管理者の登録

OpenTP1管理者のユーザIDを設定します。ユーザIDには必ずパスワードを設定しておいてください。なお,OpenTP1システムはラージユーザIDには対応していないため,ラージユーザIDで登録しないでください。

(b) OpenTP1グループの設定

OpenTP1管理者のグループIDに,OpenTP1専用の管理者グループを設定します。

(c) OpenTP1のインストール

構築するOpenTP1システムに必要な製品を,インストールします。

(d) OpenTP1ホームディレクトリの設定

OpenTP1をインストールするディレクトリを設定します。このディレクトリの所有者はOpenTP1管理者を,所有者グループにはOpenTP1専用の管理者グループを設定します。

(e) OpenTP1をOSへ登録

OpenTP1のコマンド(dcsetupコマンド)で,OpenTP1をOSに登録します。

(f) OpenTP1ファイルシステム用のディスクパーティションの確保

OpenTP1ファイルシステムとして使用する領域を作成します。キャラクタ型スペシャルファイル上にOpenTP1ファイルシステムを作成するときに,ディスクパーティションを確保します。通常ファイル上にOpenTP1ファイルシステムを作成する場合は必要ありません。

(2) OpenTP1管理者の環境設定作業

(a) OpenTP1のシステム定義情報の作成

OpenTP1のシステムサービス定義の定義ファイルを作成します。作成したシステム定義は,dcdefchkコマンドでチェックできます。

(b) OpenTP1管理者の環境設定

OpenTP1の運用コマンド実行に必要な環境変数を,OpenTP1管理者のログイン環境に設定します。環境変数DCDIRのディレクトリ名は,50バイト以内で設定してください。

(c) OpenTP1の内部制御用資源の確保

OpenTP1で使う資源を確保します。資源を確保するときはdcmakeupコマンドを実行します。dcmakeupコマンドで確保する資源の量は,システムサービス定義の内容から自動的に解析されます。

(d) OpenTP1ファイルシステムの初期設定

OpenTP1ファイルシステムとして使用する領域を,OpenTP1のコマンド(filmkfsコマンド)で初期化します。OpenTP1ファイルシステム領域名は,49文字以内で指定してください。

(e) OpenTP1ファイルの作成

OpenTP1のコマンド(filmkfsコマンド)で初期化済みの領域を,使用するOpenTP1ファイル固有のコマンド(jnlinit,stsinitなど)で初期化します。その後,必要な初期データを作成します。

(f) OpenTP1ファイル以外のファイルの作成

UAPの実行形式ファイルやOpenTP1の各種定義ファイルなど,通常ファイル上で使用するファイルを作成します。

(g) リソースマネジャの登録

OpenTP1で提供している製品以外のリソースマネジャを使う場合には,trnlnkrmコマンドで該当するRMを登録します。拡張RM登録定義を作成してある場合は,trnlnkrmコマンドを実行する必要はありません。

(h) トランザクション制御用オブジェクトファイルの作成

trnmkobjコマンドで,トランザクション処理をするUAPに必要な,トランザクション制御用オブジェクトファイルを作成します。

(i) OpenTP1で使用するUAPの作成

OpenTP1で使用するUAPを作成します。メッセージ送受信機能を使う場合にはTP1/Message Controlの,メッセージキューイング機能を使う場合にはTP1/Message Queueの環境設定が完了してから,UAPを作成してください。

(3) メッセージ送受信機能を使う場合の環境設定手順

メッセージ送受信機能(TP1/Message Control)を使う場合には,次に示す作業をします。

(4) メッセージキューイング機能を使う場合の環境設定手順

メッセージキューイング機能(TP1/Message Queue)を使う場合には,次に示す作業をします。

(5) 通信プロトコルにOSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信をする場合の環境設定手順

TP1/NET/OSI-TP-Extendedを使ったOSI TP通信をする場合には,次に示す作業をします。