分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説

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4.1.4 OpenTP1ファイルの保護

操作の誤りでファイルを破壊することは絶対に避けなければなりません。そして,重要なファイル(オンラインを続行するための制御情報,会社の業務情報など)ほど厳重な保護をしなければなりません。ここでは,OpenTP1ファイルの保護について説明します。

<この項の構成>
(1) OpenTP1ファイルシステム単位の保護
(2) OpenTP1ファイル単位の保護

(1) OpenTP1ファイルシステム単位の保護

OpenTP1ファイルシステム単位にファイルの所有者とアクセス権を管理して,不意な破壊からファイルを保護しておきます。ファイルへのアクセス権は,OSのコマンド(例 chmodコマンド)を使って設定します。

システムジャーナルファイル,チェックポイントダンプファイル,ステータスファイルは,OpenTP1がオンラインを続行するために重要なファイルです。このため,特定のOpenTP1管理者とOpenTP1グループのユーザしか操作できないOpenTP1ファイルシステム(システム用)に割り当てることが必要です。

ユーザファイル,メッセージキューファイル,MQAキューファイルは,上記以外のユーザが操作できた方が使いやすいため,システム用ファイルとは別のOpenTP1ファイルシステム(ユーザ用)にすることが必要です。

このように,OpenTP1ファイルの種類や使い勝手を判断して,システム構築前にOpenTP1ファイルシステムをシステム用とユーザ用に分けておく必要があります。

OpenTP1ファイルシステムをシステム用とユーザ用に分けた場合の保護(所有者とアクセス権)の例を次の表に示します。

表4-4 OpenTP1ファイルシステムの保護(所有者とアクセス権)の指定例

OpenTP1ファイルシステム 所有者 アクセス権
ユーザID グループID 所有者 グループ内のユーザ そのほかのユーザ
システム用 OpenTP1管理者 OpenTP1グループ rw r- r-
ユーザ用 OpenTP1管理者 OpenTP1グループ rw rw r-
(凡例)
rw:読み書きができる。
r- :読むことができる。

(2) OpenTP1ファイル単位の保護

OpenTP1管理者は,オンライン中にfilchownコマンドでOpenTP1ファイル単位に所有者とアクセス権を動的に変更できます。これによって,オンライン中にOpenTP1ファイルの使用を特定のユーザに認めたり認めなかったりできます。

OpenTP1ファイルの保護については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。