通信管理 XNF/LS 使用の手引
XNF/LSでは,OSI拡張機能として,エンドシステムとの通信機能だけをサポートしています。上位APはTLI-APだけです。XNF/ASでサポートしている次の機能は,XNF/LSではサポートしていません。
OSの違いなどによって,環境設定方法がXNF/ASと異なります。XNF/LSの環境設定方法の詳細については,「3.1 XNF/LSの環境設定」を参照してください。
XNF/ASでは,エンドシステムとして動作するOSI拡張機能を定義するために,次の二つを定義する必要がありました。
XNF/LSでは,これら二つの定義を構成定義文に統合しました。XNF/ASからXNF/LSへの構成定義文の変更点を表D-1に示します。また,XNF/ASのOSI拡張機能のシステムパラメタとXNF/LSの構成定義文の対応を表D-2に,OSI拡張高信頼化機能を使用する場合の,XNF/ASとXNF/LSの構成定義文の変更点を表D-3に,それぞれ示します。
表D-1 XNF/ASからXNF/LSへの構成定義文の変更点
| 定義文 | XNF/ASでのオペランド | XNF/LSでのオペランド | 変更点 |
|---|---|---|---|
| configuration | version | version | なし |
| max_TSAP | max_TSAP | 指定できる範囲を1〜2000から,1〜2048に変更しました。 | |
| max_TLI_connection | なし | 指定不要にしました。 | |
| max_TPTCP_connection | max_TPTCP_connection | なし | |
| TPTCP_buffer | name | name | なし |
| number | send_number recv_number |
受信バッファプールのバッファ個数だけでなく,送信バッファプールのバッファ個数も指定できるようにしました。 | |
| size | なし | 指定不要にしました。 | |
| TPTCP_define | VASS | VASS | なし |
| なし(XNF/ASでは,/etc/servicesに定義) | isotsap_port | 指定を構成定義文に統合しました。 | |
| なし(XNF/ASでは,OSI拡張機能のシステムパラメタ) | max_TPDU | 指定を構成定義文に統合しました。 | |
| なし(XNF/ASでは,OSI拡張機能のシステムパラメタ) | TS1 | 指定を構成定義文に統合しました。 | |
| なし | tcp_nodelay | 指定を構成定義文に統合しました。 | |
| TPTCP_slot | VASS | VASS | なし |
| IP_address | IP_address | なし |
表D-2 XNF/ASのOSI拡張機能のシステムパラメタとXNF/LSの構成定義文の対応
| XNF/ASのOSI拡張機能のシステムパラメタ | XNF/LSの構成定義文 |
|---|---|
| 最大TPDU長 | TPTCP_define文のmax_TPDUオペランド |
| TS1タイマ値 | TPTCP_define文のTS1オペランド |
| Nagleアルゴリズム無効化 | TPTCP_define文のtcp_nodelayオペランド |
| 遅延ACK無効化 | なし |
| 受信バッファサイズ | なし |
| 送信バッファサイズ | なし |
| キープアライブ機能 | TPTCP_define文のso_keepaliveオペランド |
| キープアライブ再送回数 | なし |
| キープアライブ送信間隔 | なし |
| キープアライブ再送間隔 | なし |
表D-3 OSI拡張高信頼化機能を使用する場合の,XNF/ASとXNF/LSの構成定義文の変更点
| 定義文 | XNF/ASでのオペランド | XNF/LSでのオペランド | 変更点 |
|---|---|---|---|
| configuration | max_TPTCP_VC | max_TPTCP_VC | なし |
| max_TPTCP_path | max_TPTCP_path | なし | |
| max_TPTCP_vhost | max_TPTCP_vhost | なし | |
| TPTCP_common | patrol_time | patrol_time | なし |
| receive_buffer_size | なし | XNF/LSではサポートしていません。 | |
| send_buffer_size | なし | XNF/LSではサポートしていません。 | |
| tcp_nodelay | tcp_nodelay | なし | |
| tcp_nodelayack | なし | XNF/LSではサポートしていません。 | |
| TPTCP_VC | name | name | なし |
| VASS | VASS | なし | |
| DTE_address | DTE_address | なし | |
| network_id | network_id | なし | |
| initial_status | initial_status | なし | |
| buffer_pool | なし | OSI通信機能で使用するオペランドのため,XNF/LSではサポートしていません。 | |
| なし(XNF/ASでは,/etc/servicesに定義) | host_adaptor_port | 指定を構成定義文に統合しました。 |
XNF/ASとXNF/LSとのコマンド文法の相違点を表D-4に示します。また,XNF/LSで削除されたコマンドを表D-5に示します。
表D-4 XNF/ASとXNF/LSとのコマンド文法の相違点
| コマンド名 | オプション | 説明 | XNF/AS | XNF/LS |
|---|---|---|---|---|
| comlog | なし | エラーメッセージを表示 | ○ | ○ |
| xnfdelete | -n 名称 | リソース名称を指定 | ○ | ○ |
| -x キーワード | キーワードを指定 | ○ | − | |
| xnfedit | -i 入力ファイル名称 | 採取したトレースのファイル名称を指定 | ○ | ○ |
| -f 出力ファイル名称 | 編集結果を出力するファイル名称を指定 | ○ | ○ | |
| -x キーワード | キーワードを指定 | ○ | ○※1 | |
| -a 内部名称 | APを特定してトレースを編集 | ○ | − | |
| -n 名称 | リソース名称を指定 | ○ | − | |
| -t 編集開始時刻 | 編集を開始するトレースのレコード採取時刻を指定 | ○ | ○ | |
| -e 編集終了時刻 | 編集を終了するトレースのレコード採取時刻を指定 | ○ | ○ | |
| -S | 回線のソフトウェアトレースを編集 | ○ | − | |
| -H | 回線のハードウェアトレースを編集 | ○ | − | |
| -u | 編集しない状態でトレースを出力 | ○ | ○ | |
| -d | フレーム名称などを編集出力しない | ○ | − | |
| xnfgen | 全オプション省略 |
|
○ | ○ |
| -f 定義ファイル名称 | 定義ファイルの名称を指定 | ○ | ○ | |
| -c | 構成定義文の文法をチェック | ○ | ○ | |
| -n ゼネレーション番号 | ゼネレーション番号を指定 | ○ | × | |
| -r | 指定したゼネレーション番号を再IPL時に起動 | ○ | × | |
| -d ゼネレーション番号 | ゼネレーション環境を削除 | ○ | × | |
| xnfoffline | -n 名称 | リソース名称を指定 | ○ | ○ |
| xnfonline | -n 名称 | リソース名称を指定 | ○ | ○ |
| xnfshow | -x | キーワードを指定 | ○ | ○※2 |
| -i 内部AP名称 | 内部AP名称を指定 | ○ | ○ | |
| -P プロセスID | プロセスIDに対応するAPを表示 | ○ | ○ | |
| -A | アクティブ状態のAPを一覧表示 | ○ | ○ | |
| -I | インアクティブ状態のAPを一覧表示 | ○ | ○ | |
| -b | バッファの使用状況を表示 | ○ | ○ | |
| -n | 指定したリソースやチャンネルラインなどの状態を表示 | ○ | ○ | |
| -t | NCAM・SLUSインタフェースのLUのチューニング情報を表示 | ○ | − | |
| -c | 使用しているパス,コネクションリソース,相手局ホストなどの状態を表示 | ○ | ○ | |
| -d | PUまたはLUの状態を表示 | ○ | − | |
| -h | 回線種別,PUの状態,経路の状態,VASS番号など,HNA1次局の状態を表示 | ○ | − | |
| -s | HNA2スロットの状態を表示 | ○ | − | |
| xnfstart | -R | 開始後に構成を追加 | ○ | ○ |
| -n ゼネレーション番号 | ゼネレーション番号を指定 | ○ | × | |
| xnfstop | なし |
|
○ | ○ |
| xnftdump | -f ダンプ出力ファイル名称 | ダンプを出力するファイル名称を指定 | ○ | ○ |
| -e ダンプ入力ファイル名称 | ダンプファイルからダンプを編集するときに指定 | ○ | ○ | |
| -E | メモリから直接ダンプを編集するときに指定 | ○ | ○ | |
| -o 編集出力ファイル名称 | ダンプの編集結果を出力するファイル名称を指定 | ○ | ○ | |
| xnftrace | 全オプション省略 | トレース採取中のリソース名称,ファイル名称,およびラップアラウンド長を表示 | ○ | ○ |
| -s | トレースの採取を開始 | ○ | ○ | |
| -e | トレースの採取を終了 | ○ | ○ | |
| -x キーワード | キーワードを指定 | ○ | ○※1 | |
| -a 内部名称 | APまたはPUを特定してトレース採取 | ○ | − | |
| -n 名称 | リソース名称を指定 | ○ | − | |
| -f ファイル名称 | トレース出力ファイルのファイル名称を指定 | ○ | ○ | |
| -w ラップアラウンド長 | ラップアラウンド長を指定 | ○ | ○ | |
| -H | 回線のハードウェアトレースを開始または終了 | ○ | − | |
| -O トレースオプション | 採取するトレースを変更 | ○ | − | |
| -l 回線トレースデータ長 | 回線トレースデータ長の最大値を指定 | ○ | − | |
| -M ファイル名称 | 事前に割り当てるトレース出力ファイルのファイル名称を指定 | × | ○※3 | |
| -R ファイル名称 | トレース出力を切り替えるファイルのファイル名称を指定 | × | ○※3 |
表D-5 XNF/LSで削除されたコマンド(XNF/ASとXNF/LSの相違点)
| コマンド名称 | 備考 |
|---|---|
| xnfboot | XNF/LSでは,xnfstartコマンドに統合しました。 |
| xnfshutdown | XNF/LSでは,xnfstopコマンドに統合しました。 |
| xnftpprmgen | XNF/LSでは,xnfgenコマンドに統合しました。 |
| xnftpstop | XNF/LSでは,xnfstopコマンドに統合しました。 |
| xnftrace2 | XNF/LSでは,xnftraceコマンドに統合しました。 |
| xnftune | なし |
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