通信管理 XNF/LS 使用の手引

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付録E XNF/Hとの相違点

XNF/HとXNF/LSの相違点について説明します。

<この節の構成>
(1) 通信機能
(2) 環境設定
(3) 定義
(4) コマンド

(1) 通信機能

XNF/LSでは,OSI拡張機能として,エンドシステムとの通信機能だけをサポートしています。上位APはTLI-APだけです。XNF/Hでサポートしている次の機能は,XNF/LSではサポートしていません。

(2) 環境設定

OSの違いなどによって,環境設定方法がXNF/Hと異なります。XNF/LSの環境設定方法の詳細については,「3.1 XNF/LSの環境設定」を参照してください。

(3) 定義

XNF/Hでは,エンドシステムとして動作するOSI拡張機能を定義するために,次の二つを定義する必要がありました。

XNF/LSでは,これら二つの定義を構成定義文に統合しました。XNF/HからXNF/LSへの構成定義文の変更点を表E-1に示します。また,XNF/HのOSI拡張機能のシステムパラメタとXNF/LSの構成定義文の対応を表E-2に示します。

表E-1 XNF/HからXNF/LSへの構成定義文の変更点

定義文 XNF/Hでのオペランド XNF/LSでのオペランド 変更点
configuration version version なし
max_TSAP max_TSAP 指定できる範囲を1〜2000から,1〜2048に変更しました。
max_TLI_connection なし 指定不要にしました。
max_TPTCP_connection max_TPTCP_connection なし
TPTCP_buffer name name なし
number send_number
recv_number
受信バッファプールのバッファ個数だけでなく,送信バッファプールのバッファ個数も指定できるようにしました。
size なし 指定不要にしました。
TPTCP_define VASS VASS なし
なし(XNF/Hでは,/etc/servicesに定義) isotsap_port 指定を構成定義文に統合しました。
なし(XNF/Hでは,OSI拡張機能のシステムパラメタ) max_TPDU 指定を構成定義文に統合しました。
なし(XNF/Hでは,OSI拡張機能のシステムパラメタ) TS1 指定を構成定義文に統合しました。
なし tcp_nodelay TCPのNagleアルゴリズムを無効にできるようにしました。
TPTCP_slot VASS VASS なし
IP_address IP_address なし

表E-2 XNF/HのOSI拡張機能のシステムパラメタとXNF/LSの構成定義文の対応

XNF/HのOSI拡張機能のシステムパラメタ XNF/LSの構成定義文
最大TPDU長 TPTCP_define文のmax_TPDUオペランド
TS1タイマ値 TPTCP_define文のTS1オペランド

(4) コマンド

XNF/HとXNF/LSとのコマンド文法の相違点を表E-3に示します。また,XNF/LSで削除されたコマンドを表E-4に示します。

表E-3 XNF/HとXNF/LSとのコマンド文法の相違点

コマンド名 オプション 説明 XNF/H XNF/LS
comlog なし エラーメッセージを表示
xnfedit -i 入力ファイル名称 採取したトレースのファイル名称を指定
-f 出力ファイル名称 編集結果を出力するファイル名称を指定
-x キーワード キーワードを指定 ※1
-n 名称 リソース名称を指定
-t 編集開始時刻 編集を開始するトレースのレコード採取時刻を指定
-e 編集終了時刻 編集を終了するトレースのレコード採取時刻を指定
-H 回線のハードウェアトレースを編集
-u 編集しない状態でトレースを出力
xnfgen 全オプション省略

XNF/H
ゼネレーション番号の使用状況一覧を標準出力に表示

XNF/LS
ゼネレーション済みの定義ファイルの内容を標準出力に表示
-f 定義ファイル名称 定義ファイルの名称を指定
-c 構成定義文の文法をチェック
-n ゼネレーション番号 ゼネレーション番号を指定 ×
-r 指定したゼネレーション番号を再IPL時に起動 ×
-d ゼネレーション番号 ゼネレーション環境を削除 ×
xnfshow -x キーワードを指定 ※2
-i 内部AP名称 内部AP名称を指定
-P プロセスID プロセスIDに対応するAPを表示
-A アクティブ状態のAPを一覧表示
-I インアクティブ状態のAPを一覧表示
-b バッファの使用状況を表示
-n 指定したリソースやチャンネルラインなどの状態を表示 ×
-t NCAM・SLUSインタフェースのLUのチューニング情報を表示
-c 使用しているパス,コネクションリソース,相手局ホストなどの状態を表示 ×
-d PUまたはLUの状態を表示
-s HNA2スロットの状態を表示
xnfstart -R 開始後に構成を追加 ×
-n ゼネレーション番号 ゼネレーション番号を指定 ×
xnfstop なし

XNF/H
XNF/Hを終了

XNF/LS
XNF/LSを終了
xnftdump -f ダンプ出力ファイル名称 ダンプを出力するファイル名称を指定
-e ダンプ入力ファイル名称 ダンプファイルからダンプを編集するときに指定
-E メモリから直接ダンプを編集するときに指定
-o 編集出力ファイル名称 ダンプの編集結果を出力するファイル名称を指定
xnftrace 全オプション省略 トレース採取中のリソース名称,ファイル名称,およびラップアラウンド長を表示
-s トレースの採取を開始
-e トレースの採取を終了
-x キーワード キーワードを指定 ※1
-n 名称 リソース名称を指定
-f ファイル名称 トレース出力ファイルのファイル名称を指定
-w ラップアラウンド長 ラップアラウンド長を指定
-M ファイル名称 事前に割り当てるトレース出力ファイルのファイル名称を指定 ×
-R ファイル名称 トレース出力を切り替えるファイルのファイル名称を指定 ×

(凡例)
○:サポート
×:未サポート
−:サポート対象外(回線接続またはチャネル接続)

注※1
tli指定およびsocket指定だけサポートしています。

注※2
tli指定だけサポートしています。

表E-4 XNF/LSで削除されたコマンド(XNF/HとXNF/LSの相違点)

コマンド名称 備考
xnfdelete RFC1006プロトコルに基づくOSI通信では,XNF/Hもサポートしていません。
xnfoffline RFC1006プロトコルに基づくOSI通信では,XNF/Hもサポートしていません。
xnfonline RFC1006プロトコルに基づくOSI通信では,XNF/Hもサポートしていません。
xnftpprmgen XNF/LSでは,xnfgenコマンドに統合しました。
xnftpstop XNF/LSでは,xnfstopコマンドに統合しました。
xnftune なし