トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド

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2.1.4 セション呼び出し機能

セション呼び出し機能を使用すると,クライアントアプリケーション内のTSCユーザプロキシとサーバアプリケーション内のTSCユーザオブジェクトとを1対1で対応づけます。セションを確立したTSCユーザプロキシからのリクエストはすべて,対応づけられた同じTSCユーザオブジェクトで実行できます。セションごとにサーバアプリケーションプロセスのスレッドが割り当てられ,ほかのリクエストからは呼び出されないように占有するため,スレッド多重度が最大セション数になります。

セション呼び出し機能を使用するには,TSCセションプロキシ(TSCSessionProxy)クラスを継承したTSCユーザプロキシが必要です。

セションを確立するには,TSCセションプロキシからセション開始(_TSCStart()メソッド)を要求します。確立したセションを解放するには,TSCセションプロキシからセション解放(_TSCStop()メソッド)を要求します。なお,セション開始要求は,スケジュール用キューに登録されますが,セション確立後のリクエストやセション解放要求は,スケジュール用キューに登録されません。

セション呼び出し機能を使用した場合の動作を次の図に示します。

図2-1 セション呼び出し機能の動作

[図データ]

注※1
セション呼び出し用TSCユーザプロキシを継承したプロキシAを持つクライアントアプリケーションです。

注※2
セション呼び出し用TSCユーザプロキシを継承したプロキシBを持つクライアントアプリケーションです。
<この項の構成>
(1) セション呼び出しインターバル時間監視
(2) セション呼び出しアプリケーションの作成方法

(1) セション呼び出しインターバル時間監視

セション確立中に,セションに割り当てられたサーバの資源が,クライアントの障害などで次のリクエストを受け取れないまま占有され続けることを防止するため,リクエストの時間間隔を監視します。セションを確立して対応づけられたTSCユーザオブジェクトが,この監視時間を経過しても次のリクエストを受信しなかった場合,セションは強制的に解放されます。詳細については,「2.4.5 セション呼び出しインターバル時間監視」を参照してください。

(2) セション呼び出しアプリケーションの作成方法

セション呼び出しを使用するアプリケーションを作成するには,トランザクションフレームジェネレータに-TSCspxyオプションを指定して,TSCセションプロキシを継承したTSCユーザプロキシを出力する必要があります。詳細については,マニュアル「TPBroker Object Transaction Monitor プログラマーズガイド」を参照してください。