トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド
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- osagent
TPBrokerのスマートエージェントです。OTMは,TSCデーモンおよびTSCドメインマネジャのオブジェクトリファレンスをosagentに登録します。OTMのサーバアプリケーション内のオブジェクトは,OTMが管理するため,osagentには登録されません。
osagentの詳細については,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」または「VisiBroker for Java プログラマーズガイド」を参照してください。
- OTM
OTMはTPBroker上で動作し,次に示すプロセスから構成されます。
- TSCドメインマネジャ
- TSCレギュレータ
- TSCデーモン
- サーバアプリケーション
- TSCドメイン
TSCドメインは,サーバアプリケーションの存在や負荷情報を交換するTSCノードの集合で,ネットワーク内にあるTSCデーモンの情報などを管理します。一つのコンピュータに複数のTSCドメインを配置できます。また,同一のTSCドメイン内にあるサーバアプリケーションであれば,位置を意識しないで呼び出せます。
TSCドメインはTSCドメイン名称を持ちます。このTSCドメイン名称はTSCドメインマネジャの開始時に実行するtscdmstartコマンドの-TSCDomainオプションで指定します。
- TSCドメインマネジャ
TSCドメインマネジャは,TSCドメイン内でTSCノードの情報を管理するプロセスです。TSCノードの情報には,TSCデーモンの追加などの情報があります。TSCドメインマネジャは,各コンピュータにあるTSCドメインに一つずつ配置します。
TSCドメインマネジャを開始するには,tscdmstartコマンドを実行します。その後,tscstartコマンドによってTSCデーモンが開始されると,TSCドメインマネジャは,ほかのTSCドメインマネジャにTSCドメインの構成が変化したことを連絡します。
TSCドメインマネジャの詳細については,「2.5 TSCドメインマネジャの機能」を参照してください。
- TSCノード
TSCノードは,TSCレギュレータ,TSCデーモン,およびサーバアプリケーションから構成されます。
TSCノードは,TSCドメイン内でユニークなTSC識別子を持ちます。このTSC識別子はTSCデーモンの開始時にtscstartコマンドの-TSCIDオプションで指定します。
- TSCレギュレータ
TSCレギュレータは,クライアントアプリケーションからのリクエストを受け付けるコネクションを集約し,管理するプロセスです。コネクションを集約してTSCデーモンの資源を分散することによって,システムを安定して動作させます。一つのTSCデーモンに対して複数のTSCレギュレータを関連づけられます。
TSCレギュレータを開始するには,tscregltdコマンドを実行します。なお,TSCレギュレータは省略することもできます。TSCレギュレータを省略した場合は,クライアントアプリケーションはTSCデーモンに直結してリクエストします。
TSCレギュレータの詳細については,「2.3 TSCレギュレータの機能」を参照してください。
- TSCデーモン
OTMの機能の中心となるデーモンで,TSCレギュレータおよびサーバアプリケーションとともにTSCノードを構成します。TSCデーモンは,クライアントアプリケーションまたはTSCレギュレータからのリクエストをスケジュール用キューに滞留します。また,負荷情報を基にサーバアプリケーションを呼び出します。
TSCデーモンを開始するには,tscstartコマンドを実行します。
TSCデーモンの詳細については,「2.4 TSCデーモンの機能」を参照してください。
- サーバアプリケーション
ユーザが業務に合わせて作成するアプリケーションプログラムです。作成時には,C++,Java,またはCOBOL言語が使用できます。また,クライアントアプリケーションとサーバアプリケーションとを異なる言語で作成できます。
サーバアプリケーションの作成時には,IDLファイルに定義したユーザ定義IDLインタフェースから生成されたプログラミングコードに基づいて記述してください。
サーバアプリケーションでは,サービスを提供する複数のオブジェクトが動作します。これをTSCユーザオブジェクトといいます。また,一つのTSCデーモンに対して複数のサーバアプリケーションが関連づけられます。
サーバアプリケーションの詳細については,「2.7 サーバアプリケーションの機能」を参照してください。
- TPBroker
TPBrokerは,VisiBrokerをORBとするトランザクショナル分散オブジェクト基盤です。
OTMは,TPBrokerが提供するORB Version 3,Cosminexus TPBroker for JavaのORB Version 4,およびCosminexus TPBroker Version 5に対応します。ORBの詳細については,マニュアル「VisiBroker for Java プログラマーズガイド」を参照してください。
- OTM - Connector for ORB
OTM - Connector for ORBは,TSCORBコネクタを提供するプログラムです。
- TSCORBコネクタ
TSCORBコネクタは,ORBクライアントからのリクエストを受け付けて,OTMのサーバアプリケーションで処理できるようにするゲートウェイプロセスです。TSCレギュレータと同様に,ORBクライアントからのリクエストを受け付けるコネクションを集約し,管理します。なお,TSCORBコネクタを使用する場合はOTM - Connector for ORBが必要です。
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