Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

付録A.8 不正電文情報を格納するためのユーザー用RDエリアの算出方法

不正電文情報をDBに格納するために,次の障害情報格納用テーブルの格納領域を用意します。なお,このテーブルは,通信サーバfor Billerに一つだけ必要です。

テーブルの種別 テーブル名
障害情報格納用テーブル HMPNERROR

なお,障害情報格納用テーブルだけを格納するユーザー用RDエリアを一つ確保することもできますが,そのほかのユーザー用RDエリアとまとめて確保することもできます。

ユーザー用RDエリアは次の計算式から算出します。

ユーザー用RDエリア(バイト)=不正電文情報のレコード数(レコード)×平均電文長(バイト)×1.25

次に,不正電文情報のレコード数,および平均電文長の考え方について説明します。

<この項の構成>
(1) 不正電文情報のレコード数
(2) 平均電文長
(3) ユーザー用RDエリアの計算式
(4) 算出例

(1) 不正電文情報のレコード数

不正電文情報は,次のようなタイミングで取得されます。

図A-6 不正電文情報を取得するタイミング(照会依頼電文の場合)

[図データ]

電文種別に関係なく,1日に送受信される電文のエラー発生の回数によって,不正電文情報のレコード数が決まります。エラーが発生した場合だけ取得するため,ほかのテーブルのようにレコード数は多くありません。

次に,不正電文情報のレコード数の計算式を示します。

電文のエラー発生の件数(単位:件):a

不正電文情報のレコード数の計算式
不正電文情報のレコード数(レコード)=a

(2) 平均電文長

障害情報格納用テーブルの1レコード当たりの最大サイズは,5,450バイトです。ユーザー用RDエリアのサイズを算出する場合には,1レコード当たりの最大サイズで見積もる必要があります。ただし,障害情報格納用テーブルの項目には,VARCHAR型の可変長項目であるMPN電文のデータ部が含まれるため,この部分に電文種別ごとの平均値を採用することで,用意するユーザー用RDエリアの見積もり量を抑えることができます。

次に,平均電文長の計算式を示します。なお,取消依頼電文(国庫金の場合,国庫金取消依頼電文),取消応答電文(国庫金の場合,国庫金取消応答電文),再送確認通知電文(国庫金の場合,国庫金再送確認通知電文)および再送確認応答電文(国庫金の場合,国庫金再送確認応答電文)の割合は無視できるほど小さいため,平均電文長の計算式には含めません。

電文種別ごとの平均値(単位:バイト)
  • 照会依頼電文:b
  • 照会応答電文:c
  • 消込依頼電文(国庫金の場合,国庫金消込依頼電文):d
  • 消込応答電文(国庫金の場合,国庫金消込応答電文):e

平均電文長の計算式
平均電文長(バイト)=(b+c+d+e)÷4

(3) ユーザー用RDエリアの計算式

(1)および(2)で算出した値を利用して,障害情報格納用テーブルのユーザー用RDエリアを算出します。

次にユーザー用RDエリアの計算式を示します。

ユーザー用RDエリア(バイト)=a×(b+c+d+e)÷4×1.25

(4) 算出例

ユーザー用RDエリアの算出例を次に示します。

(例)
1日当たりに不正電文情報レコードが1回発生すると考える。
電文種別ごとの平均値から算出した平均電文長は,600バイトである。また,各種の不正電文情報は7日間保存できるようにする。
この場合のユーザー用RDエリアの計算式を次に示します。
1(件)×600(バイト)×7(日)×1.25=5,250(バイト)