Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller

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9.2.2 各プロセスの障害と対処

運用中に各プロセスで障害が発生すると,システムの回復が必要になります。ここでは,各プロセスで障害が発生した場合の通信サーバfor Billerの処理,およびシステムを回復させるための対処について説明します。

なお,構成の違いによってその方法は異なります。運用している通信サーバfor Billerの構成に合わせて処理してください。

<この項の構成>
(1) HA構成の場合
(2) クラスタ構成の場合

(1) HA構成の場合

HA構成の場合,各プロセスでの障害が発生したときは,次のように対処してください。

注意
予備系の通信サーバfor Billerが待機状態ではない間に,現用系の通信サーバfor Billerに障害が発生した場合,系切り替えは行われません。この場合,障害が発生した要因を取り除いたあと,予備系の通信サーバfor Billerを待機状態にし,通信サーバfor Billerの起動コマンド(hmpnstart)で強制起動してください。

表9-4 各プロセスでの障害と対処(HA構成の場合)

障害が発生したプロセス 通信サーバfor Billerの処理 ユーザーの対処
共通ソフトウェア 系切り替えを行います。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
HiRDB(通信サーバfor Billerと同一マシン上にセットアップする場合)※1 出力されるメッセージに従って障害が発生した要因を取り除いたあと,HiRDBおよびOpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
HiRDBの障害の対処方法については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
HiRDB(通信サーバfor Billerと別のマシンにセットアップする場合) HiRDBがダウンしたことで,正常な系切り替えが行われず,通信サーバfor Billerもダウンします。 出力されるメッセージに従って障害が発生した要因を取り除いたあと,HiRDBを再起動してください。また,OpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
HiRDBの障害の対処方法については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
OpenTP1 系切り替えを行います。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
プロセス監視デーモン OSで再起動します。
制御電文受信CUP
業務電文受信CUP
ダウンした制御電文/業務電文受信CUPを再起動します。また,一定時間内に一定回数以上障害で停止した場合,系切り替えを行います。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
収納カウンタ情報取得SPP※1 ダウンしたSPPを再起動します。ただし,SPPサービスが閉塞した場合,系切り替えを行います。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1を待機サーバとして起動し,予備系として待機させてください。
収納業務受付SPP※1
業務系SPP※1 ダウンした業務系SPPを再起動します。ただし,SPPサービスが閉塞した場合,収納機関単位で業務系SPPをすべて強制停止します。この場合,該当する収納機関サービスは停止します。この障害に該当しない収納機関サービスには影響ありません。 障害が発生した要因を取り除いたあと,状況に応じて該当する収納機関サービスを再起動してください。また,状況に応じてOpenTP1を再起動してください。
監視プロセス 系切り替えを行います。 障害が発生した要因※2を取り除いたあと,OpenTP1を再起動してください。

(凡例)
−:特になし

注※1
障害監視対象外ユーザサーバ定義に定義しているSPPはSPP障害監視プロセスが監視しないため,障害が発生しても通信サーバfor Billerは処理しません。SPP障害監視プロセスについては,「9.2.1(1) プロセス監視の種類」を参照してください。

注※2
監視プロセス自体の障害では,メッセージが表示されます。メッセージに従って障害が発生した要因を取り除いてください。

(2) クラスタ構成の場合

クラスタ構成の場合,各プロセスでの障害が発生したときは,次のように対処してください。

表9-5 各プロセスでの障害と対処(クラスタ構成の場合)

障害が発生したプロセス 通信サーバfor Billerの処理 ユーザーの対処
共通ソフトウェア 障害が発生した通信サーバfor Billerだけ強制停止します。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。※1
回復したあとは,クラスタ構成の通信サーバとして運用できます。
HiRDB 出力されるメッセージに従って障害が発生した要因を取り除いたあと,HiRDB,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。※1
回復したあとは,クラスタ構成の通信サーバとして運用できます。
HiRDBの障害の対処方法については,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。
OpenTP1 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。※1
回復したあとは,クラスタ構成の通信サーバとして運用できます。
プロセス監視デーモン OSで再起動します。
制御電文受信CUP
業務電文受信CUP
ダウンした制御電文/業務電文受信CUPを再起動します。また,一定時間内に一定回数以上障害で停止した場合,障害が発生した通信サーバfor Billerだけ強制停止します。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。
収納カウンタ情報取得SPP※2 ダウンしたSPPを再起動します。ただし,SPPサービスが閉塞した場合,障害が発生した通信サーバfor Billerだけ強制停止します。 障害が発生した要因を取り除いたあと,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。※1
回復したあとは,クラスタ構成の通信サーバとして運用できます。
収納業務受付SPP※2
業務系SPP※2 ダウンした通信サーバの業務系SPPを再起動します。ただし,SPPサービスが閉塞した場合,収納機関単位で業務系SPPをすべて強制停止します。この場合,ほかの通信サーバの業務系SPPが起動していれば,この障害に該当する収納機関サービスは停止しません。 障害が発生した要因を取り除いたあと,該当する収納機関サービスを再起動してください。
監視プロセス 障害が発生した通信サーバfor Billerを強制停止します。 障害が発生した要因※3を取り除いたあと,OpenTP1および通信サーバfor Billerを再起動してください。

(凡例)
−:特になし

注※1
通信サーバfor Billerの再起動には,通信サーバfor Billerの起動コマンド(hmpnstart)にオプションを指定して強制起動してください。

注※2
障害監視対象外ユーザサーバ定義に定義しているSPPはSPP障害監視プロセスが監視しないため,障害が発生しても通信サーバfor Billerは処理しません。SPP障害監視プロセスについては,「9.2.1(1) プロセス監視の種類」を参照してください。

注※3
監視プロセス自体の障害では,メッセージが表示されます。メッセージに従って障害が発生した要因を取り除いてください。