Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド
HACMP/ESのクラスターとして登録する方法を説明します。
ここでは,Groupmaxのリソース・グループの追加およびアプリケーション・サーバの追加方法について記述します。詳細は,AIXのマニュアル等を参照してください。
また,運用サーバをノード1(node1),待機サーバをノード2(node2)として記述します。
Object Serverを御使用の場合の構成例を図H-2に,High-end Object Serverを御使用の場合の構成例を図H-3に示します。
図H-2 Object Serverを御使用の場合の構成例
図H-3 High-end Object Serverを御使用の場合の構成例
クラスターは,次の手順で登録します。
- リソース・グループの追加(ノード1で実行)
- アプリケーション・サーバの追加(ノード1で実行)
- リソース・グループの属性変更(ノード1で実行)
- アプリケーション・サーバのモニタの設定(ノード1で実行)
- クラスター・リソースの同期化(ノード1で実行)
- クラスターの検証(ノード1で実行)
- クラスター・サービスの始動(ノード1およびノード2で実行)
- <この項の構成>
- (1) リソース・グループの追加(ノード1で実行)
- (2) アプリケーション・サーバのモニタの設定(ノード1で実行)
- (3) リソース・グループの属性変更(ノード1で実行)
- (4) アプリケーション・サーバのモニタの設定(ノード1で実行)
- (5) クラスター・リソースの同期化(ノード1で実行)
- (6) クラスターの検証(ノード1で実行)
- (7) クラスター・サービスの始動(ノード1およびノード2で実行)
(1) リソース・グループの追加(ノード1で実行)
Groupmax用のリソース・グループを追加します。ここでは,リソース・グループ名称をGmaxAとして,指定例について説明します。
なお,ここでは,必ず指定するフィールド値について説明します。
表H-2に,「リソース・グループの追加(Add a Resource Group)」で指定するフィールド値の設定例を示します。
表H-2 「リソース・グループの追加」に指定するフィールド値
フィールド名 説明 フィールド値の設定例 リソース・グループ名 リソース・グループ名称 GmaxA ノード関係 カスケード(Cascading),又はローテート(Rotating)を選択してください。 ローテート 参加ノード名 このリソース・グループの所有またはテークオーバーが可能なノードの名前を入力します。 node1 node2
(2) アプリケーション・サーバのモニタの設定(ノード1で実行)
Groupmax用のアプリケーション・サーバを追加し,Groupmaxの始動スクリプト,Groupmaxの停止スクリプトを登録します。ここでは,サーバ名称をGmax_apsとし,始動スクリプトの名称をGmax_startとし,停止スクリプト名称をGmax_stopとして,指定例について説明します。
なお,ここでは,必ず指定するフィールド値について説明します。
表H-3に,「アプリケーション・サーバの追加(Add an Application Server)」で指定するフィールド値の設定例を示します。
表H-3 「アプリケーション・サーバの追加」に指定するフィールド値
フィールド名 説明 フィールド値の設定例 サーバ名 サーバ名称を指定する。 Gmax_aps 始動スクリプト 開始用のスクリプトのパス名を指定します。このスクリプトは,各ノードで同じ場所に置いておく必要があります。 /opt/Groupmax/bin/Gmax_start
(スクリプトの作成例は,付録H-5参照)停止スクリプト 停止用のスクリプトのパス名を指定します。このスクリプトは,各ノードで同じ場所に置いておく必要があります。 /opt/Groupmax/bin/Gmax_stop
(スクリプトの作成例は,付録H-5参照)
(3) リソース・グループの属性変更(ノード1で実行)
「(1)リソース・グループの追加」で作成したリソース・グループGmaxAに対していくつかの項目を設定します。ここでは,サービスIPラベルをSVC1として,指定例について説明します。
なお,ここでは,必ず指定するフィールド値について説明します。
表H-4に,「リソース・グループのリソース/属性の変更/表示(Change/Show Resources/Attributes for a Resource Group)」で指定するフィールド値の設定例を示します。
表H-4 「リソース・グループのリソース/属性の変更/表示」に指定するフィールド値
フィールド名 説明 フィールド値の設定例 サービスIPラベル このグループで使用するサービスIPラベルを選択します。 SVC1 ファイルシステム(デフォルトは「すべて」) 共用ディスクのマウントディレクトリ名を指定します。 Object Serverの例
/GMAX, /OBJSVDBFILE
High-end Object Serverの例
/GMAX, /OBJSVDBFILE,/OBJSVFILE1, /OBJSVFILE2ボリューム・グループ このリソース・グループを取得またはテークオーバーするときにオンに変更する必要のある共用ボリューム・グループを指定します。 Object Serverの例
GMAXvg, GMAXDBvg
High-end Object Serverの例
GMAXvg, GMAXDBvg,GMAXFL1vg, GMAXFL2vgアプリケーション・サーバー リソース・グループに含めるアプリケーション・サーバーを指定します。(付録H.4(2)で指定したサーバ名を指定します。) Gmax_aps IP構成の前にファイルシステムをマウントする テークオーバーにおいて,故障ノードのファイルシステムをマウントする時機を,故障ノードのIPアドレスを引き継ぐより先にするか後にするかを指定します。 はい
(4) アプリケーション・サーバのモニタの設定(ノード1で実行)
Groupmaxのサービスを監視させ,サービスがダウンした場合に,フェールオーバさせる必要がある場合に設定します。ここでは,モニター・メソッドをGmax_mtrとして,指定例について説明します。また,この設定を行うためにはHACMP/ES機能がインストールされている必要があります。
なお,ここでは,必ず指定するフィールド値について説明します。
表H-5に,「ユーザー定義アプリケーション・モニターの追加(Add Custom Application Monitor)」で指定するフィールド値の設定例を示します。
表H-5 「ユーザー定義アプリケーション・モニターの追加」に指定するフィールド値
フィールド名 説明 フィールド値の設定例 モニター・メソッド 指定したアプリケーションの健全性をカスタム・モニターするためのスクリプトまたは実行可能ファイルを指定します。 /opt/Groupmax/bin/Gmax_mtr
(スクリプトの作成例は,付録H-5参照)モニター間隔 アプリケーションの健康状態を検査するためのポーリング間隔(秒単位)を指定します。 5 モニターを停止するシグナル ユーザ定義モニター・メソッドがモニター間隔以内に戻らなかった場合に,そのメソッドを強制終了する信号を指定します。 15 安定化間隔 モニターを監視するまでの待ち時間(秒単位)を指定します。 60 再始動カウント 他のアクションを実行する前にアプリケーションの再始動を試みる回数を指定します。 0 再始動間隔 アプリケーションが再始動カウントをリセットする前に安定状態を持続しなければならない間隔(秒単位)を指定します。 0 アプリケーション障害時のアクション アプリケーションが再始動カウント以内に再始動できない場合に実行するアクションを指定します。「フォールオーバ(fallover)」を選択する fallover
(5) クラスター・リソースの同期化(ノード1で実行)
ノード1で定義したクラスター・リソースをノード2と同期させます。また,同期化中は画面に出力されるエラーメッセージに注意し,正常に終了することを確認してください。エラーが発生した場合は適切な処置を行い,再度同期化を行ってください。
(6) クラスターの検証(ノード1で実行)
クラスター・トポロジーおよびリソースを検証します。また,検証中は画面に出力されるエラーメッセージに注意し,正常に終了することを確認してください。エラーが発生した場合は適切な処置を行い,再度トポロジーおよびリソースの同期化を行ってから検証を再実行してください。
(7) クラスター・サービスの始動(ノード1およびノード2で実行)
各ノードでクラスター・サービスを始動させ,クラスターを利用可能にします。
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