Groupmax Object Server Version 6  システム管理者ガイド

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7.5.2 初期設定パラメタの項目

表7-3に初期設定パラメタの項目と指定値の一覧を示します。そして,初期設定パラメタとそれぞれのオペランドについて説明します。

表7-3 初期設定パラメタの指定値一覧

パラメタ
 
オペランド
 
指定内容
 
指定値
マスタディレクトリ データディレクトリ ディクショナリ OIDインデクス ユーザデータベース インデクス
area
 
 
-n エリア名 任意 連携プログラムによる
-u 用途 MASTER DATADIR DICTIONARY OIDINDEX USER INDEX
-s セグメントサイズ 50 50 8 見積もり式(1) データ量によってディスクアクセス性能とディスク格納効率を考慮
file
 
 
-n ファイル名 任意。2〜175バイトの「/」で始まる〈パス名〉を指定
-i 初期割り当て量 連携プログラム及び環境による
-m 最大割り当て量 不要
  • 省略値の計算あり
  • セグメントサイズと最大割り当て量の積が524,288以下。それ以上の場合はオブジェクトサーバが定義値を補正(計算式あり)
<この項の構成>
(1) areaパラメタ
(2) fileパラメタ

(1) areaパラメタ

areaパラメタは,オブジェクトサーバで使用するエリアの数だけ,繰り返して指定します。xodbinitコマンドを実行すると,このパラメタに指定したエリア名を持ち,(2)で説明するfileパラメタに指定したファイルから構成されるエリアが作成されます。

areaパラメタでは,それぞれのエリアの名称と用途を決定します。用途によっては,定義順序及び定義数が決まっています。表7-4に,エリアの用途,定義順序及び定義数を示します。

表7-4 エリアの用途,定義順序及び定義数

項番 エリアの用途 定義順序 定義数 エリアの使用目的
1 マスタディレクトリ 1 1 エリアやファイル,ユーザデータベースやインデクスの構成情報を管理
2 データディレクトリ 2 1 ユーザデータベースやインデクスの定義情報を管理
 
3 ディクショナリ 3 1
4 OIDインデクス 4 1 ユーザデータベースのオブジェクトIDのインデクス
5 ユーザデータベース 5 1以上 ユーザデータの格納
6 インデクス 6 0以上
ユーザデータベース用エリアとインデクス用エリアは,合わせて3174個以下にしてください。
ユーザデータベースのインデクスを格納

説明:
項番1〜4は,オブジェクトサーバのデータベースを管理するためのエリア(オブジェクトサーバ管理ファイル)です。連携するプログラムやシステムの環境によって,設定値が決まります。
項番5,6は,連携するプログラムによって使用されるエリア(連携プログラム用データ格納ファイル)です。エリアの設定値については,それぞれのプログラムの規則に従ってください。ユーザデータベース及びインデクスのエリアの設定値を見積もるための連携プログラムの規則及び見積もり方法については,それぞれのマニュアルを参照してください。

規則:
初期設定パラメタファイルでは,まず項番1〜4のエリアの設定値を記述します。次に,項番5,6については,それぞれにプログラムごとの設定値を並べて指定します。例えば,ユーザデータベースエリアの場合,まず,Groupmax Document Managerの設定値を記述して,次にGroupmax Workflow Serverの設定値を記述し,更にGroupmax Address Serverの設定値を記述してください。また,初期設定パラメタの例については,「付録A 初期設定パラメタの指定例」を参照してください。

(a) -nオペランド

説明:
オブジェクトサーバで使用するエリアの名称を指定します。このエリア名は,オブジェクトサーバの中で一意な名称を指定してください。

規則:
-nの後に,1〜30バイトの〈文字列〉を指定します。半角文字と全角文字の両方が指定できます(混在も可能)。また,連携するプログラムによって,エリアの名称が決まっている場合があります。それぞれのプログラムの規則に従ってエリア名を指定してください。

(b) -uオペランド

説明:
オブジェクトサーバで使用するエリアの用途を,次の識別子を使って指定します。オブジェクトサーバのデータベースには,これらのすべての用途のエリアが必要です。表7-5にエリアの用途と識別子を示します。

表7-5 エリアの用途と識別子

エリアの用途 識別子
マスタディレクトリ MASTER
データディレクトリ DATADIR
ディクショナリ DICTIONARY
OIDインデクス OIDINDEX
ユーザデータベース USER
インデクス INDEX

規則:-uの後に識別子を一つだけ指定します。

(c) -sオペランド

説明:
一つのセグメントの大きさ(セグメントサイズ)を,ページ数で指定します。1ページのページ長は,8,192バイトです。ページは,オブジェクトサーバの入出力の単位です。また,セグメントはファイルの割り当て及び増分の単位です。
次のエリアのセグメントのサイズは固定です。これ以外の数を指定すると,オブジェクトサーバがこのページ数に補正します。

・マスタディレクトリのエリア:50ページ

・データディレクトリのエリア:50ページ

・ディクショナリのエリア  :8ページ
また,OIDインデクスのセグメントサイズは次の見積もり式で算出してください。なお,OIDインデクスの場合は,ディスクのシリンダ容量が分からない場合,セグメントサイズとして32又は64を指定してください。
[図データ]
そのほかのエリアのセグメントの大きさは,ディスクアクセス性能と,ディスク格納効率の両方を考慮して決定してください。ただし,セグメントサイズの最大値16,000ページを超えないようにしてください。
セグメントのサイズにシリンダサイズを指定すると,アクセス性能が向上します。しかし,セグメントサイズに比べてデータ量が少ない場合には,シリンダサイズより小さい値を指定した方が,格納(スペース)効率が向上します。
また,連携するプログラムによって,エリアのセグメントサイズが決まっている場合があります。それぞれのプログラムの規則に従ってセグメントサイズを指定してください。
シリンダサイズについては,ディスクのハードウェアマニュアルの内容を参照してください。

規則:1〜16000の〈符号なし整数〉を指定します。

(2) fileパラメタ

fileパラメタでは,オブジェクトサーバのエリアを構成する,一つ又は複数のファイルを定義します。

fileパラメタは,一つのareaパラメタ中に,そのエリアに含まれるファイルの数だけ,繰り返して指定します。xodbinitコマンドを実行すると,このパラメタに指定したファイル名,及び大きさ(初期割り当て量)のファイルが作成されます。作成されるファイルの属性を次に示します。

所有者:xodbinitコマンドを実行した人

ファイルパーミションビット:0664

また,一度作成したファイルを増分する場合の割り当て量は,1回につき1メガバイトです(ただし,セグメントサイズで切り上げます)。なおマスタディレクトリ及びデータディレクトリは増分できません。

(a) -nオペランド

説明:
-nオペランドでは,エリアを構成するファイルの名称を指定します。一つのエリアに対して,ファイルは1〜16個指定できます。ただし,マスタディレクトリ用エリアには,一つのファイルしか指定できません。
また,一つの連携するプログラムが使用するファイル数とオブジェクトサーバのマスタディレクトリ,データディレクトリ,ディクショナリ,及びOIDインデクスのファイル数との合計が,90個以内になるように定義してください。複数のプログラムと連携している場合は,それぞれが使用するファイル数とオブジェクトサーバのファイル数との合計が,どれも90個以内になるように定義してください。91個以上を指定すると,連携するプログラム及びユーザアプリケーションプログラムの処理を実行するときに,エラーになったり,性能が低下する場合があります。(一つのプログラムが使用するファイル数を見積もるとき,Groupmax Mail Server以外のプログラムでは,Groupmax Mail Serverが使用するファイル数も加えてください。)
また,ファイルサイズの最大値は2Gバイトです。
ファイルを分割すると,一つのファイルのサイズの制限が緩和されます。複数のファイルを別ディスクに割り当てて,負荷を分散させることもできます。

規則:
ファイル名には,2〜175バイトの「/」で始まる〈パス名〉を指定します。
このファイル名は,オブジェクトサーバの中で重複しないよう指定してください。また,OSのファイルシステムの規則に合った名称を指定してください。パス名には空白を含まないようにしてください。

(b) -iオペランド

説明:
ファイルの初期割り当て量をセグメント数で指定します。ファイルサイズの最大値は2Gバイトです。次に示す式を満たす値を-iオペランドに指定してください。
[図データ]
オブジェクトサーバ自身が使用するエリアの初期割り当て量の見積もり方法を次に説明します。連携プログラムが使用するエリアの初期割り当て量の固有の規則については,それぞれのマニュアルを参照してください。

マスタディレクトリ
マスタディレクトリ用のエリアのファイルには,2以上の値を指定してください。2未満の値を指定すると,オブジェクトサーバが定義値を2に補正します。
  • Groupmax Document Managerだけを使用する場合及びGroupmax Document ManagerとGroupmax Workflow Server及びGroupmax Address Serverを使用する場合:マニュアル「Groupmax Document Manager Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。
  • Groupmax Workflow Server,Groupmax Address Serverのどちらか一方又は両方を使用する場合:2

データディレクトリ
  • Groupmax Document Managerだけを使用する場合及びGroupmax Document Managerとそれ以外のアプリケーションを共に使用する場合:マニュアル「Groupmax Document Manager Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。
  • Groupmax Workflow Server,Groupmax Address Serverのどちらか一方又は両方を使用する場合:1

ディクショナリ
ディクショナリ用エリアのファイルには,15以上の値を指定してください。15未満の値を指定すると,オブジェクトサーバが定義値を15に補正します。
Groupmax Document Manager使用分+Groupmax Workflow Server使用分+Groupmax Address Server使用分
それぞれプログラムの使用分については,次に示す,それぞれのマニュアルを参照してください。
  • Groupmax Document Manager Version 6 システム管理者ガイド
  • Groupmax Workflow Version 6 システム管理者ガイド
  • Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編

OIDインデクス
[図データ]
それぞれプログラムの使用分については,それぞれのマニュアルを参照してください。
マスタディレクトリとデータディレクトリのエリアには,初期割り当て量として所要セグメント数を指定してください。これらのファイルは増分されませんので,将来使用する所要量も見込んで計算してください。なお,データディレクトリの場合は,ファイルは増分されませんが,xodaraddコマンドでファイルを追加して,エリアの容量を増やせます。
ディクショナリ,OIDインデクス,ユーザデータベース及びインデクスのエリアはファイルが増分されますので,初期割り当て量は所要セグメント数以下でもかまいません。複数のファイルを使用する場合は,fileパラメタを複数指定してください。

規則:
1〜524288の〈符号なし整数〉を指定します。また,セグメントサイズ(ページ数)と初期割り当て量(セグメント数)の積が524,288以下になるよう指定してください。

(c) -mオペランド

説明:
ファイルの最大割り当て量をセグメント数で指定します。-mオペランドは,ファイルの割り当て量を制限する場合に指定します。次に示す式を満たす値を-mオペランドに指定してください。
[図データ]
ファイルは,次の状態のどれかになるまで増分されます。

-mオペランドを指定した場合
  • ファイルのセグメント数が-mオペランドで指定した最大割り当て量になる
  • ファイルシステムが一杯になる
  • ファイルサイズが2Gバイトになる
  • ファイルのセグメント数が次の値になる

    [図データ]

-mオペランドを省略した場合
  • ファイルシステムが一杯になる
  • ファイルサイズが2Gバイトになる
  • ファイルのセグメント数が次の値になる

    [図データ]

ただし-mオペランドは,マスタディレクトリ用及びデータディレクトリ用のエリアに指定しても無視されます。
また,OIDインデクスエリア及びインデクスエリアのfileパラメタに-mオペランドを指定しないでください。これは,Groupmaxのアプリケーションで使用するインデクスキーは通番キーが多いため,古く追加された削除キーの占めていた領域が再利用されにくく,ファイルが増分されやすいためです。

規則:
2〜524288の〈符号なし整数〉を指定します。最大割り当て量には,初期割り当て量よりも大きい値を指定してください。また,セグメントサイズと最大割り当て量の積が524,288以下になるように指定してください。なお,オブジェクトサーバは最大割り当て量の定義値を次の計算式で求められる値に補正します。
[図データ]
値を見積もるときは,以下の点も考慮してください。
最大割り当て量が小さ過ぎると,エリアの容量が不足したときにファイルの増分ができず,データベースへの書き込みができなくなってしまいます。また,最大割り当て量が大き過ぎると,むだにディスクを使用することがあります。
なお,Groupmaxサーバ環境設定コマンドを使用して生成されたパラメタの−mオペランドを省略に変更することは好ましくありません。もし,省略に変更した場合は必ず定期的にデータベースの再編成を実行してください。

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