Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド
このマニュアルで「オブジェクトサーバ」と呼んでいるのは,Groupmax Object ServerとGroupmax High-end Object Serverの二つのプログラムです。
この節では,オブジェクトサーバの概要を説明します。
- <この節の構成>
- (1) オブジェクトサーバの概要
- (2) Object ServerとHigh-end Object Server
- (3) オブジェクトサーバが提供するコマンド
(1) オブジェクトサーバの概要
オフィスにパーソナルコンピュータが普及している今,扱う情報は様々です。例えば,そのような情報の一つに文書があります。オフィス内の文書は多様な構造を持ち,互いに密接な関連を持っています。そして,このような情報の全体が,企業の大切な財産です。特に,オフィスでの業務を活性化するグループウェアのデータベースは,このような情報の全体を管理する必要があります。
オブジェクトサーバ(Object Server及びHigh-end Object Server)は,グループウェアGroupmaxのデータベースとして,ビジネスで使用する,複雑で多様な構造と関連を持つ情報を「オブジェクト」として格納できます。そして,これらのオブジェクトを管理するための,高性能なデータベース管理機能を備えています。オブジェクトサーバは,オブジェクトクラス,属性,リレーションなどの,オブジェクト指向に基づいたデータ構造を持っていますので,オフィスで扱う様々なデータを柔軟に扱えます。
オブジェクトサーバと連携して,データ(オブジェクト)を格納するGroupmaxシリーズのアプリケーションプログラムは,Groupmax Document Manager,Groupmax Workflow Server及びGroupmax Address/Mail Serverです。オブジェクトサーバのオブジェクトは,これらのGroupmaxシリーズのアプリケーションプログラムを介して操作されます。
図1-1に,オフィスで使われるオブジェクトサーバを示します。
(2) Object ServerとHigh-end Object Server
High-end Object Serverは,Object Serverに比べて,高い性能及び高い信頼性を実現するために,ステータスファイル及びシステムジャーナルの機能が追加されています。そのため,Object ServerとHigh-end Object Serverでは,主にジャーナルの運用が異なっています。
マニュアル中では,High-end Object Serverだけの機能については,その都度「(High-end Object Server)」,Object Serverだけの機能については,その都度「(Object Server)」とプログラム名を付けています。特にプログラム名の記載がなく,「オブジェクトサーバ」と表記している機能は,両方のプログラムに共通する機能です。
オブジェクトサーバは,次に示すように,ユーザの運用を支援するコマンドを提供しています。
- システム管理コマンド
オブジェクトサーバを開始又は終了したり,実行モードを変更したりできます。
- データベース管理コマンド
データベースの初期化,データベースのエリアやファイルの追加,エリアの削除及びファイルの属性を変更してデータベースの環境を設定します。
- データベース保守コマンド
データベースの空き領域やインデクスの乱れを取り除いたり,障害時のデータを回復したりするなどの,効率的なデータベース処理をします。
- データベース再構成コマンド
データベースのエリアの再作成をします。
- データベースの再初期化コマンド
障害の発生したデータベースを再初期化します。データベースのバックアップを取得していない場合に,データベースのファイルが削除されたなどのファイルの障害を回復するために使用します。
- 排他管理コマンド
排他制御プールの使用率を表示できます。
- ログメッセージ管理コマンド
ログメッセージを標準出力に出力します。
- データベース診断コマンド
データベースのスキーマ名を表示したり,データベースエリア使用状況を表示したりできます。また,データベースのエリアの情報やディクショナリの情報も表示できます。
- ユーザジャーナル管理コマンド
ユーザジャーナルのアンロードができます。
- ステータスファイル管理コマンド(High-end Object Server)
ステータスファイルの作成,操作,及び状態表示ができます。
- システムジャーナルファイル管理コマンド(High-end Object Server)
システムジャーナルファイルの作成,操作,及び状態表示ができます。
- 障害時の運用に使用するコマンド
障害発生時にシステム管理者が使用する障害情報を,必要な場合は取得したり,不要になった場合は削除したりできます。
- クラスタリング機能を使用した運用のためのコマンド(HP-UX)
HP-UX上でオブジェクトサーバを御使用の場合,HP-UXが提供するMC/ServicesGuardのクラスタリング機能を使用した運用ができます。このとき,コマンドによって,オブジェクトサーバの稼働状態を監視できます。
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