6.1.1 プロセス監視について
ドメイン管理サーバで起動したプロセスは、起動状況、稼働状況、および停止処理が自動的に監視されます。そのほかのプロセスは監視アプリケーションや監視システムで監視できます。
Application Serverで障害が発生した場合に短時間で安全に復旧するためには、各プロセスの監視が必要です。ドメイン管理サーバのプロセス監視機能と、監視アプリケーションや監視システムを併用することで、Application Server全体のプロセスを監視できます。また、ドメイン管理サーバ自体も監視する必要があるため、その方法についても説明します。
ドメイン管理サーバのプロセス監視機能
ドメイン管理サーバが起動している場合は、ドメイン管理サーバのプロセス監視機能によってJava EEサーバ、Webサーバ、パフォーマンストレーサーのプロセスが監視されます。そのため、汎用的なプロセス監視製品や監視システムでプロセスを監視する場合、それぞれのプロセスを監視するのではなく、ドメイン管理サーバだけを監視対象にしてください。ドメイン管理サーバのプロセス監視機能について、次の図にプロセスの流れと、監視のために任意で設定できる時間、および間隔を示します。
図中の設定項目について次の表で説明します。なお、それぞれパラメーターで任意の時間を設定できます。
図中の番号 |
監視対象のプロセス |
設定項目の説明 |
設定するパラメーター |
---|---|---|---|
1 |
|
起動のタイムアウト時間です。 |
|
2 |
JavaEEサーバ |
||
3 |
|
各サーバの稼働状況の監視をする間隔です。プロセスダウンやハングアップによるサービス停止などのサーバの障害を監視します。設定した時間に従って、サーバの障害監視の対象期間中、サーバプロセスの稼働状況を定期的に確認します。 稼働状況の確認には監視対象のプロセス1つに対して監視用のプロセスを定期的に1つ生成します。この処理はCPUリソースを消費するため、オンラインの処理性能に影響を及ぼす場合には、監視する間隔を延ばしてください。 |
|
4 |
|
停止のタイムアウト時間です。 |
|
5 |
JavaEEサーバ |
プロセスの監視可否
監視対象となるプロセスと、プロセスの監視可否を次の表に示します。ドメイン管理サーバで監視できないプロセスは、必要に応じてほかの監視アプリケーションや監視システムで監視できます。
構成要素 |
監視対象となるプロセス |
ドメイン管理サーバでの監視可否 |
監視アプリケーション、監視システムでの監視可否 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
アプリケーションクライアント |
java |
‐ |
○ |
|||
Webサーバ |
httpsd |
○※ |
○ |
|||
--- |
rotatelogs2 |
‐ |
○ |
|||
--- |
rotatelogs |
‐ |
○ |
|||
--- |
httpsd |
‐ |
○ |
|||
JavaEEサーバ |
java |
○※ |
○ |
|||
パフォーマンストレーサー |
cprfd |
○※ |
○ |
|||
ドメイン管理サーバ |
java |
‐ |
○ |
- (凡例)
-
○:監視対象にできます。
‐:監視対象にできません。
- 注※
-
asadminユーティリティーコマンドを使用しないで、直接起動した場合はドメイン管理サーバでの監視対象になりません。
ドメイン管理サーバおよびJava EEサーバの監視
ドメイン管理サーバおよびJava EEサーバのプロセス名はjavaであるため、ほかのjavaプロセスと区別できるよう、コマンドのオプションを含めて監視します。コマンドの実行例を次に示します。
- (例)ドメイン管理サーバのプロセス監視
-
ps auxww | grep "\-domainname domain1"
- (例)Java EEサーバのプロセス監視
-
ps auxww | grep "\-instancedir .*/localhost-domain1/JavaEE1"