Hitachi

 Hitachi Application Server V10 ユーザーズガイドWindows®用)


4.10.3 リモートホストに接続するための設定をする

クラスター構成にするためには、ローカルホストとリモートホストがDCOMで接続できるようにします。ローカルホストとリモートホストで分散COMを有効にします。そのあと、リモートホストでasadminユーティリティーコマンドのsetup-local-dcomサブコマンドの実行や、ローカルホストでasadminユーティリティーコマンドのcreate-password-aliasサブコマンドの実行などをして、DCOM接続をするための準備をします。ローカルホストからリモートホストにDCOMで接続できるかどうかは、validate-dcomサブコマンドを実行して確認します。

前提条件

想定ユーザー

操作手順

  1. ローカルホストとリモートホストで、DCOMを有効にする設定をします。

    1. スタートメニューの[ファイル名を指定して実行]dcomcnfg.exeと入力して、[OK]ボタンをクリックします。

    2. [コンポーネントサービス]画面で[コンポーネントサービス][コンピューター]をクリックして、ツリーを展開します。

    3. [マイコンピューター]を右クリックして、[プロパティ]を選択します。

    4. [マイコンピューターのプロパティ]画面の[既定のプロパティ]タブで、[このコンピュータ上で分散COMを有効にする]をチェックします。

    5. リモートホストの場合は、[COMセキュリティ]タブで[アクセス許可][制限の編集]ボタンをクリックして、リモートホストに接続するユーザ、またはユーザが属するグループについて、[リモートアクセス][許可]をチェックします。

    6. リモートホストの場合は、[COMセキュリティ]タブで[起動とアクティブ化のアクセス許可][制限の編集]ボタンをクリックして、リモートホストに接続するユーザ、またはユーザが属するグループについて、[リモートからの起動][リモートからのアクティブ化][許可]をチェックします。

    7. [OK]ボタンをクリックして、マシンを再起動します。マシン再起動後は、Application Serverを起動してください。なお、すでにDCOMが有効だった場合、再起動は不要です。

  2. リモートホストで、WindowsのサービスのWindows Management Instrumentation、およびRemote Registryを自動起動するように設定します。また、それぞれのサービスが起動していない場合は起動します。

  3. リモートホストでnet shareコマンドを実行して、管理共有が有効になっていることを確認します。

    net share

    コマンドの実行結果を次に示します。次のように共有名に 「ドライブ名$」 の行が表示されていれば、管理共有は有効になっています。

    共有名       リソース                            注釈
    -------------------------------------------------------------------------------
     :
    C$           C:\                             Default share
    D$           D:\                             Default share
     :
    

    リモートホストの管理共有が無効になっている場合は、次のレジストリーキーの値を変更します。レジストリーキーの値の変更後は、マシンを再起動します。

    Windows 7、Windows 8、Windows 8.1の場合
    キー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Lanmanserver\parameters
    値:AutoShareWks=0 (無効)
    値:AutoShareWks=1 (有効)
    Windows Server 2008 R2、Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2の場合
    キー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Lanmanserver\parameters
    値:AutoShareServer=0  (無効)
    値:AutoShareServer=1  (有効)
  4. リモートホストで、次のポートを開放してファイアウォールの設定をします。

    • DCOM のポート(135または139)

    • Windows Shares のポート(445)

    • 動的ポート

    1. コントロールパネルから[Windowsファイアウォール]を起動して、[詳細設定]を選択します。

    2. [セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール]画面で、[受信の規則][新しい規則...]を選択します。

    3. [新規の受信の規則ウィザード]画面の[規則の種類]で、[ポート]を選択します。また、[プロトコルおよびポート]で、[TCP]を選択し、[特定のローカルポート]に開放するポート番号を入力します。

      開放するポートの範囲を指定する場合は、ハイフンをつけて

      5000-5010

      のように入力します。

    4. [操作]で、[接続を許可する]を選択します。

    5. [プロファイル]で、 環境に応じて、適用するプロファイルを[ドメイン][プライベート][パブリック]の中から選択します。

    6. [名前]で、任意の名前を入力して、[完了]ボタンをクリックします。

    なお、動的ポートを確認する場合は、次のコマンドを実行します。

    IPv4の場合:netsh int ipv4 show dynamicport tcp

    IPv6の場合:netsh int ipv6 show dynamicport tcp

  5. リモートホストで、asadminユーティリティーコマンドのsetup-local-dcomサブコマンドを実行して、DCOMを有効にします。

    asadmin setup-local-dcom
    重要

    setup-local-dcomサブコマンドはWindowsのレジストリー情報を更新するため、コマンド実行前にレジストリーのバックアップを取得しておくことを推奨します。

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command setup-local-dcom executed successfully.
  6. Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012、またはWindows Server 2012 R2の場合は、リモートホストでWindowsのサービスのRemote Registryを再起動します。

  7. リモートホストで、ドメイン管理サーバ(ローカルホスト)のホスト名を解決できるようにhostsファイルを編集します。

  8. ローカルホストで、asadminユーティリティーコマンドのcreate-password-aliasサブコマンドを実行して、DCOM 接続するためのパスワードに対するエイリアスを設定します。

    asadmin create-password-alias パスワードエイリアス名

    パスワードが求められた場合は、リモートホストのパスワードを入力してください。

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command create-password-alias executed successfully.
  9. ドメイン管理サーバを再起動します。

    asadmin restart-domain

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command restart-domain executed successfully.
  10. ローカルホストで、接続するノード上にあるホストのWindowsパスワードを記述したパスワードファイルを作成します。

    AS_ADMIN_WINDOWSPASSWORD=${ALIAS=パスワードエイリアス名}
  11. ローカルホストで、asadminユーティリティーコマンドのvalidate-dcomサブコマンドを実行して、DCOM経由でリモートホストに接続できるかどうかを確認します。

    asadmin --user ドメイン管理サーバのユーザー名 --passwordfile パスワードファイルのパス 
    validate-dcom --windowsuser リモートホストのユーザー名 リモートホスト名

    ドメイン管理サーバのユーザー名のデフォルト値は、adminです。

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command validate-dcom executed successfully.
  12. リクエストの振り分け先として必要なリモートホストごとに、手順1から手順11までを繰り返します。

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