uCosminexus DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド

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3.8.5 文書空間の定義例

LDAP対応のディレクトリサービスを使用してユーザ認証をする場合の文書空間構成定義ウィンドウの[ユーザ情報の検索設定]ダイアログ,および[グループ情報の検索設定]ダイアログの定義例を示します。

なお,定義内容を保存したDocumentSpace構成定義ファイルについては,「4.2.3 DocumentSpace構成定義ファイルの記述例」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 検索方法と定義の例
(3) 検索例

(1) 前提条件

定義例の前提条件を次に示します。

(2) 検索方法と定義の例

前提条件に基づいて,ユーザ情報とグループ情報の検索設定の例,および検索の実行例を説明します。

(a) ユーザ認証(ユーザ情報の検索)方法

DITの「o=hitachi,c=jp」以下の階層からユーザとして定義したクラス(object classがinetOrgPerson)でユーザ識別子として利用する属性(uid)が入力されたIDと一致するエントリを検索します。

検索基点:o=hitachi,c=jp

検索範囲:基点以下の全てのレベル

ユーザとして定義したクラス名:inetOrgPerson

ユーザ識別子として使用するユーザクラスの属性:uid

ユーザ情報の検索設定は,[ユーザ情報の検索設定]ダイアログで行います。ユーザ情報の検索設定の例を次の図に示します。

図3-14 ユーザ情報の検索設定の例

[図データ]

(b) グループ識別子の取得(グループ情報の検索)方法

グループ情報の検索方法を指定します。それぞれの検索方法について,指定方法を説明します。

グループ情報の検索設定は,[グループ情報の検索設定]ダイアログで行います。グループ情報の検索設定の例を次の図に示します。

図3-15 グループ情報の検索設定の例

[図データ]

(3) 検索例

ここでは,例で示した文書空間構成定義を使用した場合のユーザ認証とユーザ情報の取得について説明します。なお,説明ではログイン名は「s891711」であると仮定します。

認証
DocumentBrokerは次のような検索条件に適合するユーザのエントリを検索します。
検索基点
[ユーザ情報の検索設定]ダイアログの[検索基点]で指定されている「o=hitachi,c=jp」です。
検索範囲
[ユーザ情報の検索設定]ダイアログの[検索範囲]で[基点以下の全てのレベル]が選択されているので検索基点からのすべてのサブツリーが検索範囲となります。
検索フィルタによる検索条件
[ユーザ情報の検索設定]ダイアログの検索条件の指定によって,「(&(objectclass=inetOrgPerson)(uid=s891711))」となります。
この検索によって見つかったエントリのuserpassword属性の値と入力されたパスワードを比較して,一致すれば認証成功となります。

グループ情報取得
[グループ情報の検索設定]ダイアログの[ディレクトリエントリからの検索]で[グループとして定義されているオブジェクトから検索する]がチェックされているため,グループのエントリを検索します。このとき,次に示す検索条件を基に検索を実行します。
検索基点
[グループ情報の検索設定]ダイアログの[検索基点]で指定されている「o=hitachi,c=jp」です。
検索範囲
[グループ情報の検索設定]ダイアログの[検索範囲]で[基点以下の全てのレベル]がチェックされているので検索基点からのすべてのサブツリーが検索範囲となります。
検索条件
[グループ情報の検索設定]ダイアログの検索条件の指定によって,「(&(objectclass=hdsgroupOfUniqueNames)(uniqueMember=uid=s891711,ou=people,o=hitachi,c=jp))」となります。
この検索によって見つかったエントリのgroupOfUniqueNamesId属性([グループ情報の検索設定]ダイアログの[ディレクトリエントリからの検索]の[グループ識別子として利用する属性名])の値「g1」をグループ識別子として取得します。
[グループ情報の検索設定]ダイアログの[ユーザの属性値からの検索]で[ユーザの属性値からグループ識別子を検索する]がチェックされているため,ユーザの属性値からグループ情報を取得します。このとき,ユーザのou属性([グループ情報の検索設定]ダイアログの[ユーザの属性値からの検索]の[グループ情報が格納されたユーザの属性名]の指定)の値は「unit1」および「unit」ですが,[グループ情報の検索設定]ダイアログの[ユーザの属性値からの検索]の[ユーザ属性中のグループ情報がDNである]がチェックされていないため,その値をそのままグループ識別子として取得します。
[グループ情報の検索設定]ダイアログの[ユーザのDNからの検索]で[ユーザのDNからグループ識別子を検索する]がチェックされているため,ユーザのDNからグループ情報を取得します。このとき,ユーザのdn:uid=s891711,ou=people,o=hitachi,c=jpのou([グループ情報の検索設定]ダイアログの[ユーザのDNからの検索]の[グループ識別子として利用するユーザのDN中のキー名]の指定)の値「people」をグループ識別子として取得します。
このような検索結果から「g1」,「unit1」,「unit」および「people」をこのユーザのグループ識別子として取得できます。