uCosminexus DocumentBroker Version 3 システム導入・運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

1.4.1 DocumentBrokerの基本プロセス構成

DocumentBrokerの基本プロセス構成を次の表に示します。

表1-3 DocumentBrokerの基本プロセス構成

プロセス 機能概要
サービス起動制御プロセス(EDMSrvCtrl) サーバ監視プロセスを起動または停止する。
起動プロセス(EDMStart) DocumentBrokerサーバを起動する。
停止プロセス(EDMStop) DocumentBrokerサーバを停止する。
サーバ監視プロセス(EDMDaemon) DocumentBrokerを監視する。
サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr) サービスプロセスの動作を監視する。
サービスプロセス(EDMService) クライアントへ文書空間のサービスを供給する。

各プロセスについて説明します。

<この項の構成>
(1) サービス起動制御プロセス(EDMSrvCtrl)
(2) 起動プロセス(EDMStart)
(3) 停止プロセス(EDMStop)
(4) サーバ監視プロセス(EDMDaemon)
(5) サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr)
(6) サービスプロセス(EDMService)

(1) サービス起動制御プロセス(EDMSrvCtrl)

サーバ監視プロセスを制御するプロセスです。

コントロールパネルの[管理ツール]−[サービス]の[サービス]ダイアログで,サービス[DocumentBroker Server]を開始することによって,サーバ監視プロセスを生成します。

また,サービス[DocumentBroker Server]を停止することによって終了し,終了時に,サーバ監視プロセスに対して終了要求をします。

(2) 起動プロセス(EDMStart)

DocumentBrokerサーバを起動するプロセスです。システム管理者がDocumentBrokerサーバを起動した時点で(EDMStartコマンドの実行)生成されます。起動プロセスは,サービス起動制御プロセスに対して,DocumentBrokerサーバの起動要求をします。

(3) 停止プロセス(EDMStop)

DocumentBrokerサーバを終了するプロセスです。システム管理者がDocumentBrokerサーバを終了した時点で(EDMStopコマンドの実行)生成されます。停止プロセスは,サービス起動制御プロセスに対して,DocumentBrokerサーバの終了要求をします。

(4) サーバ監視プロセス(EDMDaemon)

DocumentBrokerを監視するプロセスです。サービスプロセス監視プロセスの動作状況を監視して,サービスプロセス監視プロセスが終了した場合は,このプロセスが監視しているサービスプロセスをすべて強制終了させてから,サービスプロセス監視プロセスの再起動を実行します。このとき,強制終了したサービスプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,サービスの提供を受けられなくなります。サーバ監視プロセスは,サービス起動制御プロセスによって生成され,サービス起動制御プロセスからの終了要求によってサービスプロセス監視プロセスへ停止要求を通知します。

(5) サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr)

サービスプロセスを定義されている数だけ生成して,サービスプロセスの状態を管理するプロセスです。サービスプロセスの動作状況も監視して,サービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセスを再起動します。サービスプロセス監視プロセスは,サーバ監視プロセスによって生成され,サーバ監視プロセスからの停止要求によってサービスプロセスへ停止要求を通知します。

(6) サービスプロセス(EDMService)

クライアントへ文書空間のサービスを供給するプロセスです。サービスプロセスは,DocumentSpace構成定義ファイルに指定されている数だけサービスプロセス監視プロセスによって生成されます。システム管理者がDocumentBrokerを終了した場合(EDMStopコマンドの実行),またはサービス[DocumentBroker Server]を停止した場合は,サービスプロセス監視プロセスからの停止要求によって,すべてのサービスプロセスは終了します。また,障害などによってサービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセス監視プロセスによって再起動されます。

サービスプロセスは,1プロセス当たり複数クライアントに対してサービスを供給できます。ただし,サービスプロセスがダウンした場合,ダウンしたプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,接続できなくなります。したがって,クライアントからの再接続が必要となります。

参考1 サービスプロセスのリフレッシュ
DocumentBrokerサーバを長時間連続して運転すると,サービスプロセスのサイズが大きくなり,メモリ不足による障害などが起きる可能性があります。このため,DocumentBrokerでは,サービスプロセスをリフレッシュするコマンド(EDMRefresher)を提供しています。リフレッシュとは,DocumentBrokerサーバを停止することなく,クライアントからの要求に対して文書空間へのサービスを供給しながら,サービスプロセスを順次再起動することです。WindowsのATコマンドなどを利用して,このコマンドを定期的に実行することで,DocumentBrokerサーバを連続して運転できます。EDMRefresherコマンドの詳細については,「7.3 コマンドの文法」の「EDMRefresher(サービスプロセスのリフレッシュ)」を参照してください。

参考2 サービスプロセスのアプリケーションエラーへの対処
複数のクライアントへ文書空間のサービスを供給するサービスプロセスでは,障害などで構造化例外によるアプリケーションエラーが発生した場合,[アプリケーションエラー]ダイアログが表示されることがあります。ダイアログが表示された場合,サービスプロセスを異常終了させて制御をDocumentBrokerへ戻すためには,ユーザがダイアログに応答しなければなりません。
このため,DocumentBrokerでは,構造化例外によるアプリケーションエラーが発生した場合に[アプリケーションエラー]ダイアログを表示するかや,構造化例外の原因を究明するための保守情報を取得するかを選択できるサービスプロセス例外フィルタ機能を提供します。サービスプロセス例外フィルタ機能を使用することによって,サービスプロセスでアプリケーションエラーが発生したときに[アプリケーションエラー]ダイアログに応答することなく保守情報を取得する,などの設定ができます。
サービスプロセス例外フィルタ機能を使用した保守情報の取得については,「6.4.11 サービスプロセス例外フィルタ機能を使用した保守情報の取得」を参照してください。