7.7.10 Message Queueアダプタ実行時の障害対策
Message Queueアダプタでは,システムの性能を検証したり,障害原因を解析したりするための情報が,ログファイルまたはトレースファイルに出力されます。Message Queueアダプタで出力されるログおよびトレースの種類を次の表に示します。
ログ・トレース |
出力情報 |
説明 |
---|---|---|
メッセージログ |
Message Queueアダプタで発生した各種情報が,メッセージとして出力されます。 |
稼働情報(起動・停止・障害など)をメッセージとして確認できます。なお,メッセージログの出力先は,アプリケーションサーバ全体で共通なので,システムの稼働状況を一括して確認できます。 |
メソッドトレース |
Message Queueアダプタの内部メソッドの開始時と終了時に,次の情報が出力されます。
|
内部メソッドの発行時刻およびシーケンスを確認できます。 |
データトレース |
Message Queueアダプタとリソースアダプタとの送受信メッセージとFault応答情報のDetail情報など,次の情報が出力されます。
|
メッセージの内容および引数の情報を取得することで,メッセージの正当性を確認することができます。 |
性能解析トレース |
アプリケーションサーバ全体の性能解析トレース取得ポイントで,次の情報が出力されます。
Message Queueアダプタの性能解析トレース取得ポイントでは,Message Queueアダプタ固有の情報が出力されます。 |
サービスリクエスタから要求を受け付けて,実行結果を返却するまでの一連の処理で出力される性能解析情報を基に,アプリケーションサーバシステムの性能を検証できます。 |
例外ログ |
Message Queueアダプタが提供するメソッドで発生した例外情報が出力されます。
|
例外が発生した時刻やメソッドを確認できます。 |
ログまたはトレースを出力する場合の注意事項については,「7.3.1(3) ログおよびトレース取得時の注意事項(全般的な注意事項)」を参照してください。
Message Queueアダプタのトラブルシュート機能では,コンソールにメッセージを出力します。障害発生時は,メッセージの情報を基に原因を調査してください。原因が判明しない場合は,Message Queueアダプタの定義およびメッセージログなどの資料を採取して管理者に連絡してください。
Message Queueアダプタのログおよびトレースは,アプリケーションサーバのトラブルシューティングの機能を使用して取得できます。取得方法を次に示します。
-
Management Serverの運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用する。
詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
-
運用管理ポータルを使用する。
詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。
-
snapshotlogコマンドを使用する。
詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) メッセージログ
メッセージログのJ2EEサーバの稼働ログに,Message Queueアダプタで発生した各種情報がメッセージとして出力されます。
メッセージログの出力内容や出力先については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。
(2) メソッドトレース
内部メソッド発行の時刻やシーケンスを確認できます。保守員が障害解析のために使用します。
(a) 出力先
Message Queueアダプタのメソッドトレースの出力先を次に示します。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\MQADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。
メソッドトレースのトレースファイル名を次に示します。
トレースファイルの出力モード |
トレースファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 |
mtdtrace<面数>.log |
シフトモードの場合 |
mtdtrace.log |
(b) ファイル面数
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。面数はMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのmethodtracefile.numキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(c) ファイルサイズ
出力ファイルサイズのデフォルトは4MBです。ファイルサイズはMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのmethodtracefile.sizeキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(d) 出力形式
メソッドトレースの出力形式を次の図に示します。
(e) 出力される内容
メソッドトレースに出力される内容を次の表に示します。
項目 |
内容 |
---|---|
番号 |
メソッドトレースの出力通番が表示されます。 |
日付 |
メソッドトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 |
メソッドトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
ローカル時刻でミリ秒単位の時刻を示します。 |
製品ID |
製品を特定するための識別子として,Message Queueアダプタを示す「ADPMQ」が表示されます。 バージョン情報の形式は次のとおりです。
|
pid |
プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid |
スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID |
空白 |
種別 |
トレース取得ポイントの種別が出力されます。
|
クラス名 |
トレースを取得するクラス名が出力されます。 30文字未満の場合は左詰めされ,足りない文字はスペースで補われます。 |
メソッド名 |
トレースを取得するメソッド名 25文字未満の場合は左詰めされ,足りない文字はスペースで補われます。 |
RootAP情報 |
性能解析トレースに出力されるRootAPの情報であるIPアドレス・プロセスID・通信番号を「/(スラッシュ)」で区切った文字列が出力されます。 |
入出力情報 |
トレースを取得するメソッドの入出力情報(引数や戻り値の値など)が出力されます。 |
CRLF |
レコード終端符号が出力されます。 |
(3) データトレース
データトレースでは,Message Queueアダプタが送受信するメッセージ内容や入出力時刻を確認できます。データトレースは,ユーザがユーザデータの回復に使用するほか,保守員が障害解析のために使用します。
(a) 出力先
データトレースには送受信するユーザメッセージが出力されます。このため,データトレースにはセキュリティが確保された出力先を指定してください。
データトレースの出力先を次に示します。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\MQADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。
データトレースのトレースファイル名を次に示します。
トレースファイルの出力モード |
トレースファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 |
dattrace<面数>.log |
シフトモードの場合 |
dattrace.log |
(b) ファイル面数
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。面数はMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのdatatracefile.numキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(c) ファイルサイズ
出力ファイルサイズのデフォルトは1MBです。出力ファイルサイズは,Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのdatatracefile.sizeキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(d) 出力形式
データトレースの出力形式を次に示します。
(e) 出力される内容
データトレースに出力される内容を次の表に示します。
項目 |
内容 |
---|---|
番号 |
データトレースの出力通番が表示されます。 |
日付 |
データトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 |
データトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
ローカル時刻でミリ秒単位の時刻を示します。 |
製品ID |
製品を特定するための識別子として,Message Queueアダプタを示す「ADPMQ」と,バージョン情報が表示されます。 バージョン情報の形式は次のとおりです。
|
pid |
プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid |
スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID |
空白 |
種別 |
データの入出力種別が出力されます。
|
形式 |
データの形式が出力されます。
6文字未満の場合は左詰めされ,足りない文字はスペースで補われます。 種別が「INF」の場合,スペース6文字が出力されます。 |
RootAP情報 |
性能解析トレースに出力されるRootAPの情報であるIPアドレス・プロセスID・通信番号を「/(スラッシュ)」で区切った文字列が出力されます。 |
電文情報 |
送受信電文情報が出力されます。
|
CRLF |
レコード終端符号が出力されます。 |
(f) データトレースの取得ポイント
Message Queueアダプタのデータトレース取得ポイントでは,送受信する入出力メッセージやFault応答情報が出力されます。
(4) 性能解析トレース(PRFトレース)
サービスリクエスタから要求を受け付けて,実行結果を返却するまでの一連の処理で出力される性能解析情報を基に,アプリケーションサーバシステムの性能を検証できます。Message Queueアダプタの性能解析トレース取得ポイントでは,Message Queueアダプタ固有の情報が出力されます。情報は,保守員が性能ボトルネックの解析のために使用します。
(a) 出力先
性能解析トレースの出力先およびトレースファイル名を次に示します。
トレースの出力先パス |
トレースファイル名 |
---|---|
<環境変数PRFSPOOLの設定ディレクトリ>\utt\prf\<PRF識別子>\dcopltrc※ |
prf_<n> |
(b) ファイル面数
出力ファイル面数のデフォルトは4面です。出力ファイル面数は,運用管理ポータルまたはcprfstartコマンドで変更できます。運用管理ポータルの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。cprfstartコマンドの詳細はマニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
(c) ファイルサイズ
性能解析トレース(PRFトレース)のファイルサイズのデフォルトは次のとおりです。
-
運用管理ポータルでファイルサイズを設定した場合:32MB
-
cprfstartコマンドでファイルサイズを設定した場合:8MB
ファイルサイズは,運用管理ポータルまたはcprfstartコマンドで変更できます。運用管理ポータルの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」を参照してください。cprfstartコマンドの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。
(d) 出力形式
性能解析トレースに出力される形式は,アプリケーションサーバの性能解析トレースと同様です。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。
(e) 性能解析トレースの取得ポイント
Message Queueアダプタの性能解析トレース取得ポイントでは,Message Queueアダプタ固有の情報が出力されます。
Message Queueアダプタの性能解析トレース取得ポイントを次に示します。
性能解析トレースの取得ポイントには,ポイント固有のイベントIDが割り当てられます。Message Queueアダプタで出力されるトレースのイベントIDは0xA200〜0xA2FFです。
イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。表の「図中の番号」は,上の図の番号と対応しています。
イベントID |
図中の番号 |
トレース取得ポイント |
レベル |
---|---|---|---|
0xA200 |
1 |
リクエスト受付時 |
B |
0xA202 |
2 |
メッセージ送信時 |
A |
0xA203 |
3 |
メッセージ送信完了時 |
A |
0xA204 |
4 |
メッセージ受信時 |
A |
0xA205 |
5 |
メッセージ受信完了時 |
A |
0xA201 |
6 |
レスポンス送信時 |
B |
PRFトレースの取得レベルを変更する場合,cprflevelコマンドの-PrfChangeLevelオプションに,4バイトの16進数(8桁)の値を2つ指定します。それぞれの16進数の値には,インデックス番号(インデックス1,インデックス2)が割り当てられています。cprflevelコマンドの指定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cprflevel(PRFトレース取得レベルの表示と変更)」を参照してください。
性能解析トレースレベルの変更方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」を参照してください。デフォルトは「標準」です。
(5) 例外ログ
例外ログには例外情報が出力されます。例外ログの概要については,「7.4.7(1) 例外ログ」を参照してください。
(a) 出力先
例外ログの出力先を次に示します。
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\CSCADP\MQADP\maintenance\<サービスID>
<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,HCSCサーバが動作するJ2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)のejb.server.log.directoryキーで指定します。例外ログのログファイル名を次の表に示します。
ログファイルの出力モード |
ログファイル名 |
---|---|
ラップアラウンドモードの場合 |
exception<面数>.log |
シフトモードの場合 |
exception.log |
(b) ファイル面数
出力ファイルの面数のデフォルトは4面です。面数はMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのexptracefile.numキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(c) ファイルサイズ
出力ファイルサイズのデフォルトは4MBです。ファイルサイズはMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルのexptracefile.sizeキーで変更できます。
Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.12.1 Message Queueアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。変更方法の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.9 Message Queueアダプタを定義する」のMessage Queueアダプタ実行環境プロパティファイルの作成に関する説明を参照してください。
(d) 出力形式
例外ログに出力される形式を次に示します。
(e) 出力される内容
例外ログに出力される内容を次の表に示します。
項目 |
内容 |
---|---|
番号 |
例外ログの出力通番が表示されます。 |
日付 |
例外ログの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
|
時刻 |
例外ログの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
ローカル時刻でミリ秒単位の時刻を示します。 |
製品ID |
製品を特定するための識別子として,Message Queueアダプタを示す「ADPMQ」が表示されます。 |
pid |
プロセスを識別するためのIDが出力されます。 |
tid |
スレッドを識別するためのIDが出力されます。 |
ID |
空白 |
スタックトレース情報 |
スタックトレース情報が出力されます。 |
CRLF |
レコード終端符号が出力されます。 |
(6) Message Queueアダプタの障害情報
Message Queueアダプタは次の場合にエラー情報を使用して障害を通知します。
-
メッセージ受信要求に対してメッセージ受信応答監視時間のタイムアウトが発生した場合
-
ブラウズ・メッセージ受信要求に対してメッセージが受信キューに存在しなかった場合
エラー情報の各設定値を次の表に示します。
要素名 |
型 |
設定値 |
説明 |
---|---|---|---|
faultCode |
String |
Server |
通信エラーなど,サーバ側のエラーです。 |
faultString |
String |
<Message Queueアダプタが出力するメッセージのメッセージテキスト> |
詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム メッセージ」の「2.19 KDEH20000〜KDEH30999のメッセージ」を参照してください。 |
faultActor |
String |
<サービスアダプタ名> |
エラー情報を通知したサービスアダプタ名です。 |
faultDetail |
Document(XML) |
Code:1 Message:"timeout" |
メッセージ受信監視時間のタイムアウト発生,または受信するメッセージが存在しません。 |
(7) Message Queueアダプタを設定する前の注意事項
Message Queueアダプタを設定する前の注意事項を次に示します。システムを運用する上で問題にならないか確認してください。問題がある場合は要因を取り除いてください。
-
Message Queueアダプタはビジネスプロセスからの要求ごとにコネクション解放処理を実行しますが,実際にはリソースアダプタのコネクションプール機能によって一定時間(デフォルトでは5分),リソースアダプタとIBM MQ間のコネクションは切断されません。
Connector属性ファイルの指定(デフォルトは切断しない)に依存します。
-
Message Queueアダプタのコネクション解放に失敗した場合,コネクション解放状態にはなりますが,接続先のJMSプロバイダシステムではコネクションの解放を検知していない場合があります。そのため,コネクション状態の不整合が発生し,その次の通信処理が失敗するおそれがあります。その場合,接続先JMSプロバイダシステムでコネクション確立状態を一度初期化してください。
-
Message Queueアダプタ運用中に障害が発生して正常に停止処理が実行されなかった場合,接続先JMSプロバイダシステムでコネクションの解放を検知していない場合があります。その場合は,接続先JMSプロバイダシステムでコネクション確立状態を一度初期化してください。
-
要求電文は1バイト以上を指定してください。長さ0バイトの要求電文を指定するとエラーになります。
-
Message Queueアダプタが送受信できるXML形式のユーザデータは,XML Processorの仕様に従います。詳細については,マニュアル「XML Processor ユーザーズガイド」のXML Processorのサポート範囲に関する内容を参照してください。
-
リソースアダプタで提供されるトランザクションサポートレベルは「LocalTransaction」または「XATransaction」を指定してください。ただし,「LocalTransaction」はビジネスプロセスでステータスの永続化をしない場合だけ指定できます。「NoTransaction」は指定できません。
「LocalTransaction」および「XATransaction」指定は,JTA(Java Transaction API)と関連を持つため,JTAのユーザ指定に影響されます。例えば,JTAのメッセージ受信監視時間がMessage Queueアダプタ通信構成定義ファイルのメッセージ受信応答監視時間(receive_timeout)より短い場合,JTAメッセージ受信監視時間でタイムアウトします。
(8) エラー発生時の対処方法
メッセージ送信,メッセージ受信,ブラウズ・メッセージ受信またはメッセージ送受信要求が失敗した場合の対処方法を説明します。
メッセージ送信,メッセージ受信,ブラウズ・メッセージ受信またはメッセージ送受信要求が失敗した場合は,ビジネスプロセスを再実行する方法や失敗した途中から継続実行する方法などがあります。運用形態に合わせて対処方法を選択してください。
なお,ビジネスプロセスを再実行する場合は,送信キューおよび受信キューの状態および相手システム側の状態を含めて失敗した要求発行前の状態に戻してから対処してください。
(a) メッセージ送信が失敗した場合の対処方法
メッセージ送信要求が失敗した場合は,メッセージログを確認し,メッセージKDEH30111-Eが出力されているか確認してください。その結果によって,要因と対処は次のように異なります。
確認結果 |
要因 |
対処 |
---|---|---|
KDEH30111-Eが出力されている場合 |
メッセージ送信が失敗しています。 |
KDEH30111-Eメッセージの直前に出力されているメッセージを参照し,問題要因を取り除いて,メッセージ送信要求を再度実行してください。 メッセージ送信失敗のユーザデータを確認する場合は,データトレースを参照してください。 |
KDEH30111-Eが出力されていない場合 |
メッセージ送信が成功しているケースがあります。 |
送信キューにメッセージが格納されていることを確認してください。 |
(b) メッセージ受信またはブラウズ・メッセージ受信が失敗した場合の対処方法
メッセージ受信またはブラウズ・メッセージ受信要求が失敗した場合は,メッセージログを確認し,メッセージKDEH30113-Eが出力されているか確認してください。その結果によって,要因と対処は次のように異なります。
確認結果 |
要因 |
対処 |
---|---|---|
KDEH30113-Eが出力されている場合 |
メッセージは受信キューから取り出されています。 |
データトレースを参照してメッセージを取得し,受信キューに受信したメッセージが存在しないことを確認してください。 ブラウズ・メッセージ受信要求の場合,受信キューの確認は必要ありません。 |
KDEH30113-Eが出力されていない状態で,かつKDEHメッセージが出力されていない場合 |
メッセージは受信キューから取り出されています。 |
データトレースを参照してメッセージを取得し,受信キューに受信したメッセージが存在しないことを確認してください。 ブラウズ・メッセージ受信要求の場合,受信キューの確認は必要ありません。この場合,データトレースレベルを20にする必要があります。 |
KDEH30113-Eが出力されていない場合 |
メッセージ受信に失敗しています。 |
KDEH30111-Eが出力されていることを確認してください。 KDEH30111-Eメッセージの直前に出力されているメッセージを参照し,メッセージ受信失敗要因を取り除いてメッセージ受信要求を再度実行してください。 |
KDEH30103-Wが出力されている場合 |
受信キューにメッセージが存在しません。 |
運用形態に合わせて,メッセージ受信要求を再度実行してください。 |
(c) メッセージ送受信が失敗した場合の対処方法
メッセージ送受信要求が失敗した場合は,メッセージ送信失敗とメッセージ受信失敗とで,要因と対処は次のように異なります。
-
メッセージ送信が失敗した場合
メッセージ送信要求が失敗した場合は,メッセージログを確認し,メッセージKDEH30111-Eが出力されているか確認してください。その結果によって,要因と対処は次のように異なります。
確認結果
要因
対処
KDEH30111-Eが出力されていて,かつ通信種別がsendの場合
メッセージ送信が失敗しています。
KDEH30111-Eメッセージの直前に出力されているメッセージを参照し,問題要因を取り除いて,メッセージ送信要求を再度実行してください。
メッセージ送信失敗のユーザデータを確認する場合は,データトレースを参照してください。
-
メッセージ受信が失敗した場合
メッセージ受信要求が失敗した場合は,メッセージログを確認し,メッセージKDEH30113-Eが出力されているか確認してください。その結果によって,要因と対処は次のように異なります。
確認結果
要因
対処
KDEH30113-Eが出力されている場合
メッセージ送信は成功し,メッセージは受信キューから取り出されています。
データトレースを参照して受信メッセージを取得し,受信キューに受信したメッセージが存在しないことを確認してください。
KDEH30113-Eが出力されていない状態で,かつKDEHメッセージが出力されていない場合
メッセージ送信は成功し,メッセージは受信キューから取り出されています。
データトレースを参照して受信メッセージを取得し,受信キューに受信したメッセージが存在しないことを確認してください。
この場合,データトレースレベルを20にする必要があります。
KDEH30113-Eが出力されていない場合
メッセージ送信は成功していますが,メッセージ受信に失敗しています。
KDEH30111-Eが出力され,通信種別がreceiveであることを確認してください。
メッセージ受信失敗要因を取り除いて,運用形態に合わせ再度メッセージ送受信要求を実行するか,メッセージ受信要求を実行してください。
KDEH30103-Wが出力されている場合
受信キューにメッセージが存在しません。メッセージ送信は成功しています。
運用形態に合わせて,メッセージ受信要求を再度実行してください。