5.3.4 HCSCサーバを起動する
HCSCサーバの起動の前提条件と起動方法について次に説明します。
(1) 前提条件
HCSCサーバを起動するとき,HCSCサーバが起動できなかったり,サービスアダプタまたはビジネスプロセスが開始できなかったりすると,サービスアダプタ,ビジネスプロセス,または受付が停止状態になる場合があります。この場合,エラーになった原因を取り除いたあと,サービスアダプタ,ビジネスプロセス,または受付の開始操作をする必要があります。
サービスアダプタおよびビジネスプロセスの開始方法については,「5.3.7 サービスアダプタを開始する」,または「5.3.8 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。受付の開始方法については,「5.3.9 ユーザ定義受付を開始する」,および「5.3.10 標準受付を開始する」を参照してください。
(2) 起動方法
HCSCサーバを起動する方法を次に示します。
(a) 画面の場合
運用環境の画面を利用してHCSCサーバを起動する手順を次に示します。
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ツリービュー上で,起動するHCSCサーバをダブルクリックします。
選択したHCSCサーバの情報がエディタエリアに表示されます。
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エディタエリアで[稼働運用]タブを選択します。
稼働運用ページに,手順1で選択したHCSCサーバの稼働運用に関する情報が表示されます。
HCSCサーバの稼働運用ページの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「4.4 稼働運用ページ」を参照してください。
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稼働運用ページに表示された内容を確認し,「HCSCサーバ」の[起動]ボタンをクリックします。
HCSCサーバの起動を確認するダイアログが表示されます。
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ダイアログに表示された内容を確認し,[OK]ボタンをクリックします。
HCSCサーバの起動処理が開始されます。起動処理中のログはコンソールビューに出力されます。
[キャンセル]ボタンをクリックした場合は,起動処理を実行しないで稼働運用ページに戻ります。
HCSCサーバの起動処理が完了すると,実行結果を示すダイアログが表示されます。
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実行結果を示すダイアログを確認します。
- 起動処理が成功した場合
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[OK]ボタンをクリックして,稼働運用ページに戻ります。
稼働運用ページでは,HCSCサーバの稼働状態が「起動状態」になります。また,[起動]ボタンが非活性化し,[停止]ボタンが活性化します。
- 起動処理が失敗した場合
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ダイアログにエラーの内容が表示されます。詳細情報に表示されるメッセージIDを参照して対処してください。
(b) コマンドの場合
HCSCサーバを起動するには,運用環境でcscsvstartコマンドまたはcscutilコマンドを実行します。クラスタ内のHCSCサーバを一括して起動する場合,または論理サーバを起動する場合は,cscsvstartコマンドを実行します。
cscsvstartコマンドおよびcscutilコマンドは,次の場合に使用します。
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cscsvstartコマンド
該当するリポジトリが存在する運用環境で,HCSCサーバを起動する場合。
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cscutilコマンド
該当するリポジトリがなく,cscutilコマンドが使用できる環境(例えば,JP1で直接運用している実行環境)でHCSCサーバを起動する場合。
それぞれのコマンドの実行方法を次に説明します。
- ●cscsvstartコマンドの場合
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運用環境でcscsvstartコマンドを実行します。
cscsvstartコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvstart(HCSCサーバの起動)」を参照してください。
cscsvstartコマンドの実行形式を次に示します。
- クラスタ内のHCSCサーバを一括して起動する場合
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クラスタ名を指定して実行します。-clusterオプションで指定したクラスタ内のすべてのHCSCサーバが一括して起動されます(論理サーバは起動されません)。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名>
クラスタ内のHCSCサーバの起動と同時に論理サーバを起動する場合は,-systemオプションを指定します。ただし,HCSC-Manager定義ファイルに論理サーバを登録している必要があります。論理サーバの登録の詳細については,「5.3.1(1) 運用する前の準備」を参照してください。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名> -system
また,HCSCサーバは起動しないで指定した論理サーバだけを起動する場合は,-logicalオプションを指定します。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -cluster <クラスタ名> -logical <論理サーバ名>
- それぞれのHCSCサーバを1つずつ起動する場合
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HCSCサーバ名を指定して実行します。-cscオプションで指定したHCSCサーバが起動されます(論理サーバは起動されません)。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名>
HCSCサーバの起動と同時に論理サーバを起動する場合は,-systemオプションを指定します。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -system
また,HCSCサーバは起動しないで指定した論理サーバだけを起動する場合は,-logicalオプションを指定します。
cscsvstart -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -logical <論理サーバ名>
- ●cscutilコマンドの場合
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運用環境でcscutilコマンドを実行します。-targetオプションにserverを,また-operationオプションにstartを指定します。
cscutilコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscutil(各種操作)」を参照してください。
cscutilコマンドの実行形式は,プロパティ定義ファイルを使用するかどうかによって異なります。
- プロパティ定義ファイルを使用しない場合
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-propsオプションにHCSCサーバ名およびJ2EEサーバ名を指定します。
cscutil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名> -target server -operation start -props "CSCSrvName=<HCSCサーバ名>, J2EESrvName=<J2EEサーバ名>"
cscutilコマンドに指定するManager名,HCSCサーバ名およびJ2EEサーバ名は,cscreplsコマンドで確認できます。cscreplsコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepls(リポジトリ情報の表示)」を参照してください。
- プロパティ定義ファイルを使用する場合
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-propfileオプションにプロパティ定義ファイル名を指定します。プロパティ定義ファイルは,J2SEのプロパティファイル形式であらかじめ作成しておく必要があります。
cscutil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名> -target server -operation start -propfile <プロパティ定義ファイル名>