付録C.1 環境構築のサンプル手順
SessionBean1を動作させるためのReliable Messagingの環境構築のサンプル手順について説明します。
なお,J2EEサーバやリソースアダプタの操作では,Management Serverから行う方法とコマンドを使用して行う方法がありますが,ここではコマンドを使用して行う方法について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 前提となるマシンとソフトウェア構成
ここで説明するサンプル手順は,次に示すマシンとソフトウェア構成を前提として,Reliable Messagingの環境を構築します。
各構成要素の項目を次の表に説明します。
構成要素名 |
項目 |
項目情報 |
---|---|---|
Application Server稼働マシン |
OS |
Windows |
Application Server(J2EEサーバ) |
インストールディレクトリ |
C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus |
J2EEサーバ名称 |
MyServer |
|
CORBAネーミングサービス(nameserv)のポート番号 |
900 |
|
Reliable Messaging |
表示名 |
Cosminexus_Reliable_Messaging |
リソースアダプタ種別 |
永続版リソースアダプタ |
|
Reliable Messagingのシステム名 |
CRM |
|
利用トランザクション種別 |
ローカルトランザクション |
|
コネクションプール利用数 |
2(最大/最小) |
|
作成するキュー |
キュー種別:ローカルキュー キューの永続性:永続 キュー名:localq1 表示名:QUEUE1 |
|
DB Connector for Reliable Messaging |
表示名 |
DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM |
種別 |
HiRDB Type4 JDBC Driver用(ローカルトランザクション) |
|
JDBCドライバ |
ドライバ種別 |
HiRDB Type4 JDBC Driver |
DBMS |
DB種別 |
HiRDB Single Server |
ポート番号 |
22200 |
|
Reliable Messaging用の管理情報テーブルを作成するRDエリア名 |
RDDATA10 |
(2) 事前準備
サンプル手順を利用してReliable Messagingの環境を構築する前に,次の作業を実施しておく必要があります。
(a) インストール
Reliable MessagingおよびReliable Messagingの前提製品をすべてインストールします。詳細については,「3.2 Reliable Messagingのインストール」を参照してください。
(b) 環境変数の設定
Reliable Messagingが動作するマシンで,次に示す環境変数を設定します。詳細については,「3.3.2 環境変数の設定」を参照してください。
環境変数 |
設定値 |
説明 |
---|---|---|
HRMDIR |
C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\RM |
− |
HRM_SYSTEM_NAME |
CRM |
− |
HRM_CMD_PORT |
900 |
CORBAネーミングサービス(nameserv)のポート番号です。 |
HRM_CMD_HOST |
localhost |
− |
PATH |
%PATH%;%HRMDIR%\bin |
コマンドが格納されたディレクトリです。 |
(c) DBMS(HiRDB)のインストールと初期設定
HiRDBサーバ,HiRDBクライアント,およびSQL Executerをインストールして,初期設定します。詳細については,「3.4.1(1)(a) HiRDBの初期設定」および「3.4.1(2) DBクライアントの設定」を参照してください。
(d) DBMS(HiRDB)のユーザ権限の付与とスキーマの定義
HiRDBサーバで,ユーザ権限の付与とスキーマの定義を実施します。詳細については,「3.4.1(1)(b) HiRDBのユーザ権限の付与」および「3.4.1(1)(c) HiRDBのスキーマの定義」を参照してください。
(e) HiRDB Type4 JDBC Driverの設定
HiRDB Type4 JDBC Driverの設定をします。詳細については,「3.4.7(2) HiRDB Type4 JDBC Driverの設定」を参照してください。
(f) J2EEサーバ(Application Server)の設定
J2EEサーバ(Application Server)をセットアップします。詳細については,「3.4.3 J2EEサーバ(Application Server)の設定」を参照してください。
(g) その他の設定
環境構築のための作業ディレクトリとして「D:\work」を作成します。作成したディレクトリには,読み取り権限および書き込み権限を設定します。
(3) 環境構築手順
Reliable Messagingの環境構築のサンプル手順を次に示します。
(a) Reliable Messagingの管理情報テーブルの作成
-
次のコマンドを実行して,テーブル作成用SQLファイルを作業ディレクトリにコピーします。
copy "C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\RM\sql\createtableshirdb.sql" D:\work
-
コピーしたSQLファイル(D:¥work¥createtableshirdb.sql)をテキストエディタで開き,ファイル中の次の記述を置き換えて保存します。
<RMSystemName> → CRM
<RMAREA> → RDDATA10
-
次のコマンドを実行して,HiRDB SQL Executerを開始します。
pdsqlw -u <DBへの接続ユーザ名>/<パスワード> -h localhost -n 22200
-
HiRDB SQL Executerの[ファイル]メニューから[ファイルから実行]を選択し,「D:¥work¥createtableshirdb.sql」を指定して実行します。
(b) J2EEサーバの起動
次のコマンドを実行して,J2EEサーバを起動します。
cjstartsv MyServer
(c) Reliable Messagingのプロパティ定義
-
次のコマンドを実行して,作業ディレクトリにReliable MessagingのConnector属性ファイルのテンプレートをコピーします。
copy "C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\RM\conf\rm_prop.xml" D:\work
-
コピーしたConnector属性ファイルのテンプレート(D:¥work¥rm_prop.xml)をテキストエディタで開き,次のように設定します。
- コンフィグレーションプロパティ(<config-property-name>タグ)
-
プロパティ名
設定値
RMSystemName
CRM
RMLinkedDBConnectorName
DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM
- 実行時プロパティ(<property>タグ)
-
プロパティ名
設定値
MaxPoolSize
2
MinPoolSize
2
User
<DBユーザ>
Password
<DBパスワード>
- トランザクションサポートレベル(<transaction-support>タグ)
-
タグ名
設定値
<transaction-support>
LocalTransaction
(d) DB Connector for Reliable Messagingのプロパティ定義
-
次のコマンドを実行して,作業ディレクトリにDB Connector for Reliable MessagingのConnector属性ファイルのテンプレートをコピーします。
copy "C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\CC\admin\templates\DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM_cfg.xml" D:\work
-
コピーしたConnector属性ファイルのテンプレート(D:¥work¥DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM_cfg.xml)をテキストエディタで開き,次のように設定します。
- コンフィグレーションプロパティ(<config-property-name>タグ)
-
プロパティ名
設定値
linkedResourceAdapterName
Cosminexus_Reliable_Messaging
description
22200
DBHostName
localhost
environmentVariables
PDSWAITTIME=600;PDCWAITTIME=600;PDSWATCHTIME=0
- 実行時プロパティ(<property>タグ)
-
プロパティ名
設定値
MaxPoolSize
2
MinPoolSize
2
User
<DBユーザ>
Password
<DBパスワード>
- トランザクションサポートレベル(<transaction-support>タグ)
-
タグ名
設定値
<transaction-support>
LocalTransaction
(e) DB Connector for Reliable Messagingのインポート
次のコマンドを実行して,DB Connector for Reliable Messagingをインポートします。
cjimportres MyServer -type rar -f "C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\CC\DBConnector\ReliableMessaging\DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM.rar"
(f) Reliable Messagingのインポート
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingをインポートします。
cjimportres MyServer -type rar -f "C:\Program Files\Hitachi\Cosminexus\RM\lib\reliablemessaging.rar"
(g) DB Connector for Reliable Messagingのプロパティ設定
次のコマンドを実行して,DB Connector for Reliable Messagingのプロパティを設定します。
cjsetresprop MyServer -type rar -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM -c D:\work\DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM_cfg.xml
(h) Reliable Messagingのプロパティ設定
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingのプロパティを設定します。
cjsetresprop MyServer -type rar -resname Cosminexus_Reliable_Messaging -c D:\work\rm_prop.xml
(i) DB Connector for Reliable Messagingのデプロイ
次のコマンドを実行して,DB Connector for Reliable Messagingをデプロイします。
cjdeployrar MyServer -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM
(j) Reliable Messagingのデプロイ
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingをデプロイします。
cjdeployrar MyServer -resname Cosminexus_Reliable_Messaging
(k) DB Connector for Reliable Messagingの開始
次のコマンドを実行して,DB Connector for Reliable Messagingを開始します。
cjstartrar MyServer -resname DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM
(l) Reliable Messagingの接続テスト
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingの接続テストを実施します。
cjtestres MyServer -type rar -resname Cosminexus_Reliable_Messaging
接続テストに失敗した場合は,出力されるメッセージに従って対処し,再度接続テストを実施してください。
(m) Reliable Messagingの開始
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingを開始します。
cjstartrar MyServer -resname Cosminexus_Reliable_Messaging
(n) キューの作成
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingのキューを作成します。
hrmmkque -t local -x QUEUE1 localq1
(o) Reliable Messagingの状態遷移
次のコマンドを実行して,Reliable Messagingを実行状態にします。
hrmstart