cmx_build_system(Webシステムの構築)
形式
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Webシステムの構築
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簡易構築定義ファイルからWebシステムを構築する場合
cmx_build_system [共通引数] -f <簡易構築定義ファイル>
[-lb {keepvs|deletevs}]
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登録済みの情報モデルを基にWebシステムを構築する場合
cmx_build_system [共通引数] [-s <Webシステム名>]
[-lb {keepvs|deletevs}] [-sd]
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Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築する場合
cmx_build_system [共通引数] -ns
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構築済みのシステムのパラメタ変更
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構築済みのシステムのパラメタを簡易構築定義ファイルで変更する場合
cmx_build_system [共通引数] -f <簡易構築定義ファイル> -change
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機能
Webシステムを構築します。また,構築済みのシステムのパラメタを変更します。
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Webシステムの構築
登録済みのWebシステムの情報モデルに従って,Webシステムを構築します。または,簡易構築定義ファイルの内容に従って,Webシステムの情報モデルを生成し,その情報モデルに従ってWebシステムを構築します。
cmx_build_systemコマンドは,各ホストのWebサーバとJ2EEサーバのセットアップ,および各論理サーバの環境を設定します。また,必要に応じて負荷分散機に仮想サーバや実サーバを作成します。
登録済みの情報モデルを基にWebシステムを構築する場合,簡易構築定義ファイルからWebシステムを構築する場合,またはWebシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築する場合で,構築のしかたが異なります。
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簡易構築定義ファイルからWebシステムを構築する場合
指定した簡易構築定義ファイルの内容に従って,Webシステムの情報モデルを構築します。さらに,その情報モデルに従って,Webシステムを構築します。あらかじめcmx_build_modelでモデルを登録しないで,Webシステムの構築ができます。
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登録済みの情報モデルを基にWebシステムを構築する場合
cmx_build_modelコマンド,またはcmx_change_modelコマンドで登録したWebシステムの情報モデルに従って,Webシステムを構築します。各ホストのサーバに設定情報が配布されているかどうかに関係なく,常に論理サーバの設定情報を配布します。設定情報が配布されていない論理サーバの設定情報だけを配布したい場合は,-sdオプションを指定して実行してください。
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Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築する場合
cmx_build_modelコマンド,またはcmx_change_modelコマンドで登録したWebシステムの情報モデルに従って,Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築します。
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構築済みのシステムのパラメタ変更
-changeオプションを指定することで,構築済みのシステムのパラメタを,-fオプションで指定した簡易構築定義ファイルに定義されたパラメタに変更します。
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-changeオプションを指定して構築済みのシステムのパラメタを変更する場合
-fオプションにパラメタ変更済みの簡易構築定義ファイルを指定して,-changeオプションを指定します。-fオプションで指定した簡易構築定義ファイルの内容に従って,Webシステムの情報モデルを,パラメタを変更した状態で再生成します。さらに,その情報モデルを基にして,Webシステムを再構築します。ただし,構成変更はできません。
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Webシステムの構築時に,論理サーバ名を簡易構築定義ファイルで定義していない場合,Management Server上に論理サーバ名が定義されます。なお,登録済みの情報モデルに従ってWebシステムを構築する場合,論理サーバ名はcmx_build_modelコマンド実行時に定義されます。Management Server上に論理サーバ名が定義されるときのルールを次に示します。
- 論理サーバ名の定義ルール
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論理サーバ名は次の形式で定義されます。
- 形式
cmx_<Webシステム名>_<サービスユニット名>_<種別>_<通番>
<種別>は,論理サーバの種類によって異なります。論理サーバの種類と<種別>との対応を次の表に示します。
表8‒7 論理サーバの種類と<種別>との対応 論理サーバの種類
<種別>
論理Webサーバ
HTTP
論理J2EEサーバ
J2EE
論理パフォーマンストレーサ
PRF
論理CTMドメインマネジャ
CTMDM
論理CTM
CTM
論理スマートエージェント
SA
論理ユーザサーバ
USER
<通番>は,基本的に「01」が設定されます。ただし,CTMを使用するシステムのように論理サーバを複数配置する場合は,重複しない番号が割り振られます。
- ACOS使用時の実サーバ名称について
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負荷分散機にACOSを使用する場合,負荷分散機によるリクエストの振り分け先を表す実サーバとして,cmx_build_systemコマンドでは次の名称で実サーバを作成しますので,誤って削除しないように注意してください。
- 形式
cmx_rs_<WebサーバマシンのIPアドレス>
引数
- -f <簡易構築定義ファイル>
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簡易構築定義ファイルのパスを指定します。
簡易構築定義ファイルの内容に従って,Webシステムの情報モデルが生成されます。さらに,その情報モデルを基にしてWebシステムが構築されます。
- -s <Webシステム名>
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Webシステム名を指定します。
登録済みの情報モデルから,指定したWebシステムが構築されます。
このオプションを省略した場合は,.cmxrcファイルまたはcmxclient.propertiesファイルのcmx.websystem.nameキーで設定した値が仮定されます。なお,.cmxrcファイルおよびcmxclient.propertiesファイルのcmx.websystem.nameキーを省略している場合に,このオプションを省略してコマンドを実行したときは,エラーになります。
-fオプションを指定している場合には指定が無効になります。
- -lb
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この引数は使用する負荷分散機の種類がBIG-IP v9,BIG-IP v10.1,BIG-IP v10.2,およびBIG-IP v11の場合に有効になります。
負荷分散機の仮想サーバを初期化するかどうかを指定します。JP1/SC/DPMを使用しないで,ホスト単位管理モデルで構築した負荷分散機を使用するWebシステムをスケールアウトする場合に指定します。
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keepvs
負荷分散機の仮想サーバは初期化しません。複数のホストで負荷分散機の仮想サーバを共有する場合に指定します。
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deletevs
負荷分散機の仮想サーバを初期化します。
このオプションを省略した場合は,.cmxrcファイルまたはcmxclient.propertiesファイルのcmx.lbキーで設定した値が仮定されます。なお,.cmxrcファイルおよびcmxclient.propertiesファイルのcmx.lbキーを省略している場合に,このオプションを省略したときはdeletevsが仮定されます。.cmxrcファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.2.2 .cmxrc(クライアント設定プロパティファイル)」を参照してください。cmxclient.propertiesファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.2.3 cmxclient.properties(クライアント共通設定プロパティファイル)」を参照してください。
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- -sd
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設定情報が配布されていない論理サーバの設定情報だけを,各ホストのサーバに配布します。各ホストのサーバに設定情報を強制的に配布(上書き)したくない場合に,このオプションを設定してください。
- -ns
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登録済みの情報モデルから,Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築する場合に指定します。
このオプションを指定する場合,cmx_build_modelコマンドを使用して,情報モデルを登録しておく必要があります。cmx_build_modelコマンドについては,「cmx_build_model」を参照してください。
- -change
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パラメタを変更する場合に指定します。
-fオプションで指定した簡易構築定義ファイルの内容に従って,Webシステムの情報モデルが再生成されます。さらに,その情報モデルを基にしてWebシステムが再構築されます。
入力例
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簡易構築定義ファイルからWebシステムを構築する場合
cmx_build_system -f MyWebSystemDef.xml
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登録済みの情報モデルを基にWebシステムを構築する場合
cmx_build_system -s sample-system
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Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを構築する場合
cmx_build_system -ns
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構築済みのシステムのパラメタを簡易構築定義ファイルで変更する場合
cmx_build_system -f MyWebSystemDef2.xml -change
戻り値
- 0:
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正常終了しました。
- 1:
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警告終了しました。
- 64:
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異常終了しました。
注意事項
-changeオプションを指定する場合,次のことに注意してください。
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構築済みのWebシステムに対してパラメタ(<param>タグで指定する論理サーバのパラメタ)変更以外の変更をしようとした場合はエラーになります。
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-fオプションで指定した簡易構築定義ファイルのスキーマのバージョンが,構築済みのシステムの構築時に使用した簡易構築定義ファイルのスキーマのバージョンより古いときは,動作が保証されません。
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構築済みのシステムの構築時に使用した簡易構築定義ファイルのスキーマのバージョンが2.1以前の場合,-fオプションで指定する簡易構築定義ファイルのホストの定義の<host-ref>タグは次のように指定します。
- <host-ref>タグに指定する値
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構築済みのシステムの構築時に使用した簡易構築定義ファイルのホストの定義の<operational-ip>タグで指定している値