ctmgetior(IOR文字列取得コマンド)
形式
ctmgetior [-h] | [ { -CTMDomain <CTMドメイン名称>[,<CTMドメイン名称>...] | -CTMDomainAll } ] [ { -CTMID <CTM識別子>[,<CTM識別子>...] | -CTMIDAll } ] [-CTMHost <ホスト名称又はIPアドレス>[,<ホスト名称又はIPアドレス>...]] [-CTMMyHost <ホスト名称又はIPアドレス>] [-CTMInterfaceName <リモートインタフェース名[,<リモートインタフェース名>...]] [-CTMLookupName <Lookup名称>[,<Lookup名称>...]] [-CTMOutPath <出力ディレクトリ名>]
機能
ORBゲートウェイに登録されているオブジェクトのIOR文字列を取得します。このコマンドは,オプションに指定された条件に合致するオブジェクトのIOR文字列を抽出し,ファイルに出力します。ORBクライアントアプリケーションは,このコマンドが出力するファイルのIOR文字列を使用することで,任意のORBゲートウェイに接続できます。このコマンドで出力するファイルには,テキスト形式で,IOR文字列だけが出力されます。
引数
- -h
-
コマンドの使用方法が表示されます。
- -CTMDomain <CTMドメイン名称>[,<CTMドメイン名称>...]
-
IOR文字列取得対象となるORBゲートウェイが属するCTMドメイン名称を英数字で指定します。複数のCTMドメイン名称を指定できます。
"CTM"または"ctm"で始まる文字列は指定しないでください。省略した場合は"CTMDOMAIN"が設定されます。IOR文字列を取得する場合は,このコマンドと同じホストで開始済みのCTMドメイン名称を指定してください。
このオプションは,-CTMDomainAllオプションと同時に指定できません。
- -CTMDomainAll
-
このコマンドを実行するホストにあるすべてのCTMドメインを対象として,IOR文字列を取得します。自ホスト内にあるCTMドメインを確認する場合はctmdminfoコマンドを実行してください。省略した場合,-CTMDomainオプションで指定されたCTMドメインを対象としてIOR文字列を取得します。
このオプションは,-CTMDomainオプションと同時に指定できません。
- -CTMID <CTM識別子>[,<CTM識別子>...]
-
IOR文字列取得対象となるORBゲートウェイが属するCTMノードのCTM識別子を英数字またはピリオド(.)で指定します。複数のCTM識別子を指定できます。
"CTM"または"ctm"で始まるCTM識別子は指定しないでください。省略した場合は,IPアドレスでCTM識別子が設定されます。
例えば,ホストのIP アドレスが"172.17.112.43"のとき,"172.17.112.43"という文字列がCTM識別子となります。
このオプションは,-CTMIDAllオプションと同時に指定できません。
- -CTMIDAll
-
指定されたCTMドメインが認識するすべてのCTM識別子を対象としてIOR文字列を取得します。省略した場合,-CTMIDオプションで指定されたCTM識別子を対象としてIOR文字列を取得します。
このオプションは,-CTMIDオプションと同時に指定できません。
- -CTMHost <ホスト名称またはIPアドレス>[,<ホスト名称またはIPアドレス>...]
-
IOR文字列取得対象となるホストのホスト名称またはIPアドレスを1〜64文字のアスキー文字列で指定します。複数のホスト名称またはIPアドレスを指定できます。
-CTMDomainオプション(または-CTMDomainAllオプション)および-CTMIDオプション(または-CTMIDAllオプション)で指定されたCTMノードのうち,このオプションで指定されたホストにあるCTMノードを対象としてIOR文字列を取得します。省略した場合,このコマンドでIOR文字列の取得を要求したホストのCTMドメインマネジャが認識できる,すべてのホストを対象とします。
- -CTMMyHost <ホスト名称またはIPアドレス>
-
マルチホームドホスト環境でCosminexus Component Transaction Monitorが使用するホスト名称又はIPアドレスを1〜64文字のアスキー文字列で指定します。省略した場合は,gethostnameシステムコールによって取得したホスト名称が設定されます。
-CTMIDオプションを省略して,-CTMMyHostオプションを指定した場合,デフォルトのCTM識別子は-CTMMyHostオプションで指定したIPアドレスになります。
- -CTMInterfaceName <リモートインタフェース名称>[,<リモートインタフェース名称>...]
-
IOR文字列取得対象となるEJBのリモートインタフェース名称を英数字またはピリオド(.)で指定します。複数のEJBリモートインタフェース名称を指定できます。
リモートインタフェース名はDDファイル(ejb-jar.xml)の<remote>タグで指定される名称です。package指定がある場合は完全修飾クラス名で指定してください。省略した場合は,対象となるCTMドメインが認識するORBゲートウェイに登録されている,すべてのEJBを対象とします。
- -CTMLookupName <Lookup名称>[,<Lookup名称>...]
-
IOR文字列取得対象となるEJBのLookup名称をアスキー文字列で指定します。複数のLookup名称が指定できます。省略した場合は,対象となるCTMドメインが認識するORBゲートウェイに登録されている,すべてのEJBのLookup名称が対象となります。
- -CTMOutPath <出力ディレクトリ名称>
-
IOR文字列ファイルを出力するディレクトリ名称(相対パスまたは絶対パス)を指定します。省略した場合は,コマンドを実行した時のカレントディレクトリに出力します。使用できる文字列は次のとおりです。
- Windowsの場合
-
〜<英数字,ピリオド(.),円符号(¥),プラス(+),コロン(:),およびハイフン(-)>≪カレントディレクトリ≫
- UNIXの場合
-
〜<英数字,ピリオド(.),スラッシュ(/),プラス(+),およびハイフン(-)>≪カレントディレクトリ≫
戻り値
- 0:
-
正常終了しました。
- 0以外:
-
コマンド処理中にエラーが発生したため,異常終了しました。出力されるメッセージに従って対策したあと,再度コマンドを実行してください。
出力形式
IOR文字列ファイルは,取得対象となるORBゲートウェイに登録されているEJBのオブジェクト一つにつき,一つずつ出力されます。各EJBのIOR文字列ファイルは,次に示すディレクトリおよびファイル名称で出力されます。
- aa...aa
-
ORBゲートウェイに登録されているEJBのLookup名称
- bb...bb
-
ORBゲートウェイに登録されているEJBのリモートインタフェース名
- cc...cc
-
ORBゲートウェイが動作しているホストのIPアドレス
- dd...dd
-
ORBゲートウェイ開始時に-CTMEjbPortで指定したポート番号
- (例)
aa...aa/bb...bb/cc...cc#dd...dd.ior
-CTMOutPathに指定したディレクトリ下に出力されます。スラッシュ(/)はディレクトリの区切りを表します。Windowsの場合は円符号(¥)となります。
Lookup名称の階層(スラッシュ(/)で区切られる)はそのままディレクトリ階層となります。
注意事項
-
コマンドオプション引数を複数指定する場合,区切り文字としてコンマ(,)を指定してください。また,各オプション引数とコンマ(,)の間に空白を入れないでください。
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すでに同一ファイル名称を持つファイルが存在した場合,そのファイルに上書きします。IOR文字列ファイルを退避しておきたい場合はその都度ファイルをコピーしておいてください。
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次の条件をすべて満たしている場合だけ,IOR文字列を取得できます。
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取得対象となるORB ゲートウェイプロセスが-CTMIDLConnectオプションに1を指定して開始されている。
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取得対象となるEJBがデプロイされている。
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コマンドを実行するホスト上で,該当するCTMドメインマネジャが開始されている。
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ほかのホスト上のORBゲートウェイのIOR文字列を取得するときは,取得対象となるホストでも,該当するCTMドメインマネジャが開始されている。
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出力処理で障害が発生した場合,IOR文字列ファイルが不正な内容になっているおそれがあります。