cprfstart(PRFデーモンの開始)
形式
cprfstart [-h] [-PRFID <PRF識別子>] [-PrfTraceLevel <PRFトレース取得レベル> [,[<PRFトレース 取得レベル>]...]] [-PrfTraceCount <PRFトレースファイル数>] [-PrfTraceFileSize <PRFトレースファイルサイズ>] [-PrfTraceBufferSize <PRFトレースバッファサイズ>] [-PrfRemakeBuffer] [-PrfNoBackUp [0|1]]
機能
PRFデーモン(cprfd)を起動します。なお,PRFデーモンは,ほかのプロセスよりも先に起動してください。
PRFデーモンは開始後にカレントディレクトリを移動します。移動先は,次のディレクトリです。
-
Windowsの場合
PRFトレース出力ディレクトリ%PRFSPOOL%\utt\prf\<PRF識別子>\
-
UNIXの場合
PRFトレース出力ディレクトリ$PRFSPOOL/utt/prf/<PRF識別子>/
引数
- -h
-
コマンドの使用方法が表示されます。
- -PRFID <PRF識別子>
-
PRF識別子を1〜31文字の英数字,またはアンダースコア(_)で指定します。"TSC"や"tsc",または"CTM"や"ctm"で始まる文字列は指定しないでください。省略した場合は,"PRF_ID"という文字列がPRF識別子となります。
- -PrfTraceLevel <PRFトレース取得レベル> [,[<PRFトレース取得レベル>]...]
-
-PrfTraceLevelを省略した場合は標準レベルで情報が出力されます。
PRFトレース取得レベルを4バイトの16進数(8けたの値)で指定します。ここで4バイトの16進数の先頭に0xを付けることができますが,0xは無視されます。
各インデックス番号のレベル値をコンマ(,)区切りで左から複数指定できます。レベル値の指定を省略する場合は,値を記述しないでください。また,あるインデックス番号以降の値をすべて指定しない場合は,コンマ(,)の記述を省略してください。インデックス番号1のトレース取得レベルを(1),インデックス番号2のPRFトレース取得レベルを(2)とした場合,PRFトレース取得レベルは「(1),(2),...」と指定します。
PRFトレース取得レベルの指定例を次に示します。
各機能レイヤでのPRFトレース取得レベルの割り当てについて説明します。
PRFトレース取得レベルは,インデックスごとに8けたの16進数で指定します。それぞれのけたには,機能レイヤが二つずつ割り当てられています。16進数を2進数にした場合の上位2ビットに割り当てられている機能レイヤを上位レイヤ,下位2ビットに割り当てられている機能レイヤを下位レイヤといいます。
けたごとの上位レイヤ,下位レイヤに割り当てられている機能レイヤについて,次の表に示します。
PRFトレース取得レベルを指定する場合は,けたごとの上位レイヤ,下位レイヤのPRFトレース取得レベルを「標準」「詳細」「保守」のどのレベルで取得するかを決め,それを16進数で指定します。上位レイヤと下位レイヤのPRFトレース取得レベルの組み合わせと指定値の対応を,次の表に示します。
なお,保守レベルは,障害発生時などの保守情報を取得するためのレベルです。通常は指定しないでください。
表4‒12 詳細レベルまたは保守レベルのトレース情報を取得する場合の指定値(cprfstartコマンド) 上位レイヤ
下位レイヤ
指定値
標準
標準
0
標準
詳細
1
標準
保守
2
詳細
標準
4
詳細
詳細
5
詳細
保守
6
保守
標準
8
保守
詳細
9
保守
保守
a
指定例を示します。
また,RMIについては,抑止レベルを指定できます。
RMIに抑止レベルを指定するには,トレース取得レベルの指定値(インデックス1の4けた目)に次の値を設定してください。
表4‒14 RMIの抑止レベルの指定値 上位レイヤ(DB Connector)
下位レイヤ(RMI)
指定値
標準
抑止
3
詳細
抑止
7
保守
抑止
b
- -PrfTraceCount <PRFトレースファイル数>
-
PRFトレースファイルの面数を3〜256の範囲で指定します。省略した場合は,4が設定されます。
正常停止中と前回強制停止後の再起動中に,PRFトレースファイルをバックアップします。PRFトレースファイルサイズの合計値が大きい場合,バックアップ処理でPRFデーモンの起動や停止に時間が掛かることがあります。そのため,Management Serverでプロセス監視する場合,デフォルトの監視時間ではタイムアウトが発生する場合があります。タイムアウトが発生した場合には,監視時間を長くしてください。
- -PrfTraceFileSize <PRFトレースファイルサイズ>
-
PRFトレースファイルの1ファイル当たりの最大容量を1024〜1048576(単位:キロバイト)の範囲で指定します。ファイル容量を1メガバイトとする場合,1024と指定します。実際のファイルサイズは,この値より多少の増減があります。増減の中で増分の幅は,最大で「-PrfTraceBufferSize指定値−32キロバイト」です。省略した場合は,8192が設定されます。
デフォルト値の8192より小さい値を指定する場合は,-PrfTraceBufferSizeもデフォルト値より小さい値を指定してください。
-PrfNoBackUpオプションに0を指定した場合,正常停止中と前回強制停止後の再起動中に,PRFトレースファイルをバックアップします。PRFトレースファイルサイズの合計値が大きい場合,バックアップ処理でPRFデーモンの起動や停止に時間がかかることがあります。そのため,cprfstartコマンドに-PrfNoBackUp 0を指定する設定でManagement Serverでプロセス監視する場合,デフォルトの監視時間ではタイムアウトが発生する場合があります。タイムアウトが発生した場合には,監視時間を長くしてください。
- -PrfTraceBufferSize <PRFトレースバッファサイズ>
-
共用メモリに確保するバッファサイズを512〜102400(単位:キロバイト)の範囲で指定します。このオプションには,-PrfTraceFileSizeで指定した値よりも大きい値は指定できません。省略した場合は,8192が設定されます。
バッファ領域が不足するとKFCT26999-Wメッセージが出力され,PRFトレースが欠落する場合があります。そのため,メッセージが出力されなくなるまでバッファ領域を拡張してください。
- -PrfRemakeBuffer
-
共用メモリを再作成して起動します。再作成できない場合にはエラーとなります。
- -PrfNoBackUp [0|1]
-
PRFデーモンの起動時,および停止時にPRFトレースファイルをバックアップするかを指定します。値に0を指定した場合,PRFトレースファイルをバックアップします。PRFトレースファイルをコピーするため,PRFデーモンの起動,および停止に時間が掛かることがあります。障害発生後,PRFトレースがラップするまでの間にPRFトレースファイルを採取できない場合は,値に0を指定してください。なお,Management Serverを使用している時は,障害発生後にPRFトレースファイルを含むsnapshotログを自動的に収集します。
値に1を指定した場合,PRFトレースファイルをバックアップしません。値を指定しなかった場合,値に1を指定したときと同じ動作をします。
PRFトレースファイルをバックアップするタイミング,バックアップの有無,および-PRFNoBackUpオプションの関係は次のようになります。
表4‒15 PRFトレースファイルをバックアップするタイミング,バックアップの有無,および-PRFNoBackUpオプションの関係 実行コマンド
前回開始したPRFデーモンの終了状態
PRFトレースファイルのバックアップ
-PrfNoBackUp 0
-PrfNoBackUp 1(デフォルト)
cprfstart
正常終了
しない
しない
強制終了または異常終了
する
しない
cprfstop
終了状態に依存しない
する
しない
cprfstop -Force
終了状態に依存しない
しない
しない
戻り値
- 0:
-
PRFデーモンが正常に起動しました。
- 1:
-
PRFデーモンの起動に失敗しました。PRFSPOOL環境変数が設定されていません。
- 上記以外:
-
コマンド処理中にエラーが発生しました。出力されたメッセージに従って対策したあと,再度コマンドを実行してください。エラーメッセージは標準エラー出力,ログファイルに出力されます。資料の取得方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.4.3 取得方法および調査方法との対応」を参照してください。
注意事項
-
PRFSPOOL環境変数を設定してください。設定していない場合,コマンドがエラーリターンします。
-
PRFデーモンを再起動する場合,-PrfTraceCountと-PrfTraceFileSizeに前回と同じ値を指定して再起動してください。指定を省略して再起動した場合,PRFトレースファイル数とPRFトレースファイルサイズについては,前回の起動時の値は引き継がれないので,デフォルトの値になります。
-
PRFデーモンが異常終了して再起動した場合,終了時のトレース取得レベルが引き継がれます。そのため,トレース取得レベルを変更したあとに異常終了した場合,再起動時に指定したトレース取得レベル(前回起動時と同じ値)と異なる値(変更後の値)が設定されます。次に運用例を示します。
-
PRFデーモン起動:cprfstart -PrfTraceLevel 0x00000001
-
トレース取得レベル変更(0x00000001 → 0x0000000f)
-
PRFデーモン異常終了
-
PRFデーモン再起動:cprfstart -PrfTraceLevel 0x00000001
この場合,再起動後のトレース取得レベルは,0x000000fになります。
-
-
PRFデーモンを再起動する場合,前回使用したバッファを再利用し,トレース取得レベルを引き継ぎます。また,バッファのサイズが変更になった場合は,前回のバッファを削除し,再作成します。ほかのプロセスがバッファにアクセスしている場合,この作成処理に失敗します。
-
PRFデーモンを再起動した場合,共用メモリダンプ出力してから,バッファを初期化します。また,保守情報を次のディレクトリに作成します。
-
Windowsの場合
%PRFSPOOL%\utt\prf\<PRF識別子>\spool\save\
-
UNIXの場合
$PRFSPOOL/utt/prf/<PRF識別子>/spool/save/
-
-
Windowsの場合,起動済み,または起動中のPRFデーモンと,大文字・小文字だけが異なるPRF識別子(例えば"aaa"と"AAA")を持つPRFデーモンは起動できません。
-
PRFデーモンが異常終了した場合,PRFデーモンだけを再起動してください。
-
PRFデーモンが異常終了してから再起動するまでの間に取得されたトレースは破棄されます。
-
-PrfTraceCountまたは-PrfTraceFileSizeに大きな値を指定すると,PRFデーモンが異常終了したあとのPRFデーモンの再起動に時間が掛かる場合があります。