cjrarupdate(リソースアダプタのバージョンアップ)
形式
- リソースアダプタをバージョンアップする場合
cjrarupdate -type {dbconnector|rar} [-force] [-f <ファイルパス> ...] [-backupto <バックアップ格納先ディレクトリ>]
- 作業ディレクトリ環境を回復する場合
cjrarupdate -recoverfrom <バックアップRARディレクトリ>
機能
- リソースアダプタをバージョンアップする場合
-
Component Containerにインポート・デプロイされているリソースアダプタをバージョンアップします。
リソースアダプタの移行には,作業ディレクトリのディスク使用量の約2倍以上※の空き容量が必要です。また,アップグレードインストールの場合は,移行コマンドcjenvupdateによって移行処理が問題なく完了していることを確認してから,このコマンドを実行してください。
なお,<作業ディレクトリ>とは,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.public.directoryキーに指定したディレクトリです。
- 注※
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移行するリソースアダプタ数やコマンド実行回数によって,必要なディスクの空き容量は変わります。移行に必要なディスク容量については,アプリケーションサーバの移行の手順で確認してください。アプリケーションサーバの移行については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10. 旧バージョンのアプリケーションサーバからの移行(J2EEサーバモードの場合)」を参照してください。
- 作業ディレクトリ環境を回復する場合
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Component Containerにインポート・デプロイされているリソースアダプタのバージョンアップに失敗した場合,作業ディレクトリ環境を回復します。
引数
- -type {dbconnector|rar}
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バージョンアップするリソースアダプタの種類を指定します。
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dbconnector
DB Connectorの場合に指定します。
-
rar
Component ContainerがサポートしているDB Connector以外のリソースアダプタの場合に指定します。
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- -force
-
強制的にバージョンアップします。この引数が指定された場合,リソースアダプタのバージョンにかかわらずリソースアダプタをバージョンアップします。
- -f <ファイルパス>
-
-
移行対象としてDB Connector以外のリソースアダプタを指定した場合(-type rarを指定した場合)
旧バージョンの既存リソースアダプタと置き換えるリソースアダプタのファイルパスを指定します。ファイルパスは,複数回指定できますが,-fオプションは複数回指定できません。
-fオプションにTP1インバウンドアダプタまたはFTPインバウンドアダプタ以外のConnector 1.5の仕様に準拠するリソースアダプタを指定した場合,メッセージKDJE42356-Eが出力されます。
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移行対象としてDB Connectorを指定した場合(-type dbconnectorを指定した場合)
この引数は無視されます。
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- -backupto <バックアップ格納先ディレクトリ>
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作業ディレクトリのバックアップの格納先を指定します。このオプションを省略した場合,<作業ディレクトリ>下にバックアップディレクトリが作成されます。
作業ディレクトリのあるディスクの容量に余裕がない場合,またはファイルシステムのパス長制限でバックアップが作成できない場合に,このオプションを指定してください。なお,このオプションでバックアップ格納先ディレクトリを指定する場合,次のことに注意してください。
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複数回このコマンドを実行する場合には,同一ディレクトリを指定してください。
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長いパス名を指定すると,バックアップ作成に失敗することがあります。その場合,失敗したバックアップを削除してから,短いパス名を指定して再度実行してください。
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Component Containerのインストールディレクトリを含まないようにしてください。
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- -recoverfrom <バックアップRARディレクトリ>
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回復元となる作業ディレクトリのバックアップRARのディレクトリを指定します。
移行後の作業
移行が完了した場合,各J2EEサーバの作業ディレクトリ,または-backuptoオプションで指定したディレクトリの直下にバックアップ作業ディレクトリが作成され,作業ディレクトリには移行後の情報(ファイル),バックアップ作業ディレクトリには移行前の情報(ファイル)が保存されています。なお,作業ディレクトリが「・・・\<ディレクトリ名>\」または「・・・/<ディレクトリ名>/」の場合,バックアップ作業ディレクトリは,「・・・\<ディレクトリ名>\rarupdate_bk\」または「・・・/<ディレクトリ名>/rarupdate_bk/」※になります。移行後,リソースアダプタの開始,停止およびデータベースへの接続確認が終わり,移行前の作業ディレクトリの情報(ファイル)が不要な場合,バックアップ作業ディレクトリを削除してください。ただし,バックアップ作業ディレクトリは,別の場所に保存しておくことを推奨します。
- 注※
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バックアップの対象ディレクトリは,リソースアダプタに関連するディレクトリです。
すでにバックアップ作業ディレクトリが存在している場合,「・・・\<ディレクトリ名>\rarupdate_bk\」または「・・・/<ディレクトリ名>/rarupdate_bk/」は,「・・・\<ディレクトリ名>\rarupdate_bk_?\」または「・・・/<ディレクトリ名>/rarupdate_bk_?」(?は,コマンド実行時のミリ秒までの日時)にリネームされます。
バージョンタグの比較方法
移行するRARファイルによっては,バージョンタグを比較できないため,移行処理が正常に終了しないことがあります。次の手順でバージョンタグを比較してください。
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バージョン文字列を,RARファイルに含まれるra.xmlまたはJ2EEサーバにインポート,デプロイされたリソースアダプタのra.xmlの<version>タグから取得します。
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バージョン文字列が,次の形式で指定されている場合は,比較可能な形式に編集します。
<連続した数字1>.<連続した数字2><数字以外から開始する文字列>
比較可能な形式
V1V2-R1R2-S1S2(またはV1V2-R1R2) V1,V2,R1およびR2:0〜9の数値 S1:/ S2:A〜Z(英字大文字)
編集手順は次のとおりです。
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<連続した数字1>と<連続した数字2>の間に半角でハイフン(-)を追加します。
<連続した数字1>-<連続した数字2><数字以外から開始する文字列>
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<連続した数字1>が10未満の場合,先頭に0を付加します。
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<連続した数字2>が10未満の場合,末尾に0を付加します。
編集例
1.0 → 01-00 1.1 → 01-10 1.12 → 01-12 2.0 → 02-00
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バージョン文字列が,V1V2-R1R2[-S1S2]の形式で指定されている場合,次の順序でバージョンの大小比較をします。
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V1V2-R1R2部を文字列として比較して,Unicodeの辞書順で大きい方を新バージョンとします。(例:01-00-/Zと02-00では,02-00の方が新しい)
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V1V2-R1R2部が同一の場合,-S1S2部が存在している方を新バージョンとします。(例:02-00-/Aと02-00では,02-00-/Aの方が新しい)
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V1V2-R1R2部が同一の場合でどちらも-S1S2部が存在しているとき,次のようになります。
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S2を文字列として比較し,Unicodeの辞書順で大きい方を新バージョンとします。
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S1を文字列として比較し,/ > P > S の順で新バージョンとします。
(例:02-00-/Aと02-00-/Bでは,02-00-/Bの方が新しい
02-01-SBと02-01-/Aでは,02-01-SBの方が新しい
02-01-SAと02-01-PAでは,02-01-PAの方が新しい
02-01-PAと02-01-/Aでは,02-01-/Aの方が新しい)
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どちらかまたは両方の形式が異なる場合,バージョン文字列全体を文字列比較し,Unicodeの辞書順で大きい方を新バージョンとします。
なお,ra.xmlの<version>タグの値がサポート外の文字列を使用している場合,正しい比較ができません。次の対処が必要です。
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入れ替えるRARファイルが新しいバージョンでも古いバージョンと認識されてしまう場合は,-forceオプションを指定して実行してください。
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誤って古いバージョンのRARファイルでJ2EEサーバにインポートまたはデプロイされたリソースアダプタを移行してしまった場合,バックアップ作業ディレクトリから元の環境を復旧してください。バックアップ作業ディレクトリについては,次の個所を参照してください。
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マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.7 J2EEサーバまたはバッチサーバの移行コマンドの実行」
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マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.12 移行コマンドで作成されたバックアップの削除」
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入力例
- -fオプションに,ファイルパスを複数回指定する場合
cjrarupdate -type rar -f file1 file2 file3
戻り値
- 0:
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正常終了しました。
- 1:
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異常終了しました。
注意事項
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Windowsの場合,このコマンドの実行には,Administrator権限が必要です。
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UNIXの場合,このコマンドの実行には,root権限(Component Container管理者を設定していない場合),またはComponent Container管理者の権限(Component Container管理者を設定している場合)が必要です。
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-typeオプションはコマンド名の直後に指定し,dbconnectorまたはrarを指定する必要があります。-forceオプション,-fオプションおよび-backuptoオプションの順序は任意です。
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このコマンドは同時に実行しないでください。
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J2EEサーバが起動している場合,またはJ2EEサーバの起動チェック中に問題が発生した場合は,メッセージを出力して処理を中断します。
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次のRARファイルは,バージョンアップの対象外です。
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RARファイルの内容を変更している場合。
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Component Containerが提供,またはサポートしているRARファイル名と同名のファイルを作成してインポートしている場合。
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Component Containerが提供,またはサポートしているRARファイル名と,数字および文字を組み合わせて生成されたファイル名の場合。
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TP1インバウンドアダプタまたはFTPインバウンドアダプタ以外のConnector 1.5の仕様に準拠するリソースアダプタの場合。
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TP1インバウンドアダプタまたはFTPインバウンドアダプタ以外のConnector 1.5の仕様に準拠するリソースアダプタをバージョンアップする場合,再インポートおよび定義を再設定してください。
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TP1/Message Queue-Accessの移行をする場合に,新しいRARファイルが同一バージョンと認識されることがあります。その場合は-forceオプションを指定して強制的に移行処理を実行してください。
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Component Container以外が提供するリソースアダプタ(TP1 ConnectorおよびTP1/Message Queue-Access)は,バージョンアップした場合にユーザがプロパティを追加する必要があるときがあります。その場合,このコマンドで移行しただけでは動作しません。リソースアダプタのマニュアルに従って設定をしてください。
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Component Container以外が提供するリソースアダプタ(TP1 ConnectorおよびTP1/Message Queue-Access)は,バージョンアップに失敗する場合があります。その場合は,バージョンアップに失敗したリソースアダプタを削除し,再度インポートしたあとプロパティを設定してください。なお,削除する前に設定を控えておくことを推奨します。
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入れ替えるRARファイルが新しいバージョンでも同一バージョンまたは古いバージョンと認識されてしまう場合は,-forceオプションを指定して再度このコマンドを実行してください。バージョンに関係なく強制的に移行されます。
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<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\DBConnector\(Windowsの場合),または/opt/Cosminexus/CC/DBConnector/(UNIXの場合)以下にあるrarファイルを変更,削除した場合,移行処理が正常に動作しないことがあるため,変更,削除しないでください。
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バックアップ中に例外が発生した場合は,例外メッセージ出力後,このコマンドは終了しないで処理を続けます。このときバックアップディレクトリは作成されません。
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リソースアダプタが存在しないJ2EEサーバについては,バックアップを作成しないで処理を続けます。
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バックアップを作成していないJ2EEサーバについては,移行処理をしません。
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このコマンドで移行すると,DB ConnectorのConnector属性ファイルの<config-property>タグに存在しなかったプロパティの<config-property-value>は,デフォルト値で設定されます。ただし,loginTimeout,PreparedStatementPoolSize,CallableStatementPoolSize,またはCancelStatementプロパティが存在しなかった場合,移行後に次の値で設定されます。
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loginTimeout:0
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PreparedStatementPoolSize:0
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CallableStatementPoolSize:0
-
CancelStatement:false
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