付録B.4 Oracleサーバ
Oracleサーバでは,次の方法でOracleサーバのエラー情報,サーバの状態などの情報が出力されます。
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アラートファイルの取得
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ユーザトレースの取得
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Netサーバトレースファイルの取得
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動的パフォーマンスビューの使用
(1) アラートファイル
アラートファイルでは,性能解析トレースのインスタンス名をキーにして,次の情報を確認できます。
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発生したすべての内部エラー,ブロック破損エラー,およびデッドロックエラー
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CREATE/ALTER/DROP文,STARTUP/SHUTDOWN文,ARCHIVELOG文などの管理,操作
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共有サーバとディスパッチャプロセスの機能に関するメッセージ,およびエラー
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マテリアライズドビューの自動リフレッシュ中に発生したエラー
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データベースおよびインスタンス起動時の,すべての初期化パラメタの値
アラートファイルは,次の場所に出力されます。
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Windowsの場合
<BACKGROUND_DUMP_DESTで指定した場所※>\ALERT_<インスタンス名>.LOG
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UNIXの場合
<BACKGROUND_DUMP_DESTで指定した場所※>/ALERT_<インスタンス名>.LOG
注※ Oracleの初期化パラメタUSER_DUMP_DESTで設定します。USER_DUMP_DESTの詳細については,Oracleのドキュメントを参照してください。
出力されたアラートファイルの中から,性能解析トレースに出力されたインスタンス名とアラートファイル名に含まれるインスタンス名を突き合わせて,目的のアラートファイルを特定してください。
(2) ユーザトレース
ユーザトレースでは,性能解析トレースのインスタンス名,OSプロセスID,セッションID,セッションシリアル番号をキーにして,次の情報を確認できます。
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サーバプロセスで発生したエラー情報
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SQL分の実行計画と統計情報
(3) Netサーバトレースファイル
Oracleサーバでは,Netサーバトレースファイルに,実行されたネットワークイベントの詳細が出力されます。Netサーバトレースファイルのファイル名にはサーバのOSプロセスIDが含まれています。
Netサーバトレースファイルは次の場所に出力されます。
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Windowsの場合
<sqlnet.oraファイルで指定した場所※>\CLI_<OSプロセスID>.TRC
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UNIXの場合
<sqlnet.oraファイルで指定した場所※>/CLI_<OSプロセスID>.TRC
注※ Netサーバトレースファイルの出力先は,Oracleのsqlnet.oraファイルで設定します。sqlnet.oraファイルの記述形式を次に示します。なお,sqlnet.oraファイルの詳細については,Oracleのドキュメントを参照してください。
TRACE_LEVEL_CLIENT=16 TRACE_DIRECTORY_CLIENT=<ディレクトリ名> TRACE_UNIQUE_CLIENT=ON TRACE_TIMESTAMP_CLIENT=ON
出力されたNetサーバトレースファイルの中から,性能解析トレースのOSプロセスIDとNetサーバトレースファイル名に含まれるOSプロセスID名を突き合わせて,目的のNetサーバトレースファイルを特定してください。
なお,Netサーバトレースファイルの出力内容の詳細については,Oracleのドキュメントを参照してください。
- 注意事項
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Netサーバトレースファイルは,大量のディスク領域を消費するため,システムの性能が低下する場合があります。必要なときにだけNetクライアントトレースを参照してください。
(4) 動的パフォーマンスビュー
動的パフォーマンスビューを調査して,セッションを特定したり,プロセスの詳細についての情報を参照したりできます。動的パフォーマンスビューは,性能解析トレースファイルに出力されるコネクションIDと突き合わせて調査します。
動的パフォーマンスビューと性能解析トレースのコネクションIDの関係を次の表に示します。
項番 |
動的パフォーマンスビューに表示される項目 |
性能解析トレースのコネクションIDの項目 |
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1 |
V$INSTANCE INSTANCE_NAME |
インスタンス名 |
2 |
V$SESSION SID |
セッションID |
3 |
V$SESSION SERIAL# |
セッションシリアル番号 |
4 |
V$PROCESS SPID |
OSプロセスID |
動的パフォーマンスビューの詳細については,Oracleのドキュメントを参照してください。