16.2.1 ホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムのシステム構成例
実行系N台のホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムの構成例を次の図に示します。
図のホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムについて説明します。
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アプリケーションサーバマシン(ホスト)の実行系N台と待機系1台を配置し,それぞれにManagement Serverおよび運用管理エージェントを配置するクラスタ構成のシステムです。実行系のアプリケーションサーバごとに仮想ホストが定義されたサーバが1台または複数台あります。これに対して,1台の待機系アプリケーションサーバに複数の仮想ホストが定義されています。仮想ホストの説明については,「18.3.1 相互系切り替えシステムのシステム構成例」を参照してください。
実行系のアプリケーションサーバで障害が発生すると待機系に切り替えられます。例えば,図中の実行系の仮想ホスト1のManagement Serverで障害が発生した場合,待機系の仮想ホスト1に系が切り替えられます。
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実行系および待機系のそれぞれのアプリケーションサーバの運用に使用するIPアドレスは,クラスタソフトウェアによって割り当てられる仮想IPアドレスを使用します。
2台以上の実行系を1台の待機系に対応させる場合は,Management Server,運用管理エージェントのIPアドレスには,系切り替えによって他系へ移動しない実IPアドレスを使用します。1台の実行系を1台の待機系に対応させる場合は,Management Server,運用管理エージェントのIPアドレスは,仮想IPアドレス/実IPアドレスのどちらでも指定可能です。
なお,ホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムでは次のような運用ができます。
- 共有ディスク装置の使用
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共有ディスク装置は,系切り替え時にOTSのステータスなどのトランザクション情報を引き継ぐために使用します。なお,クラスタソフトウェアがHAモニタの場合,ローカルトランザクションを使用するときは不要となります。