8.7.1 ライブラリJARを利用する方法
ユーザ作成クラスであるFilterクラス,FormatterクラスまたはHandlerクラスを,アプリケーション上で作成してロガーに追加して利用する方法です。この場合は,次の処理が実行されます。
-
まず,アプリケーションの中でHandlerクラスをインスタンス化します。
-
次に,FilterクラスやFormatterクラスをインスタンス化したものをHandlerクラスのインスタンスに接続します。
-
最後に,接続したHandlerクラスのインスタンスを,ロガーに追加します。
この場合のユーザ作成クラスは,J2SEのjava.util.loggingの仕様に従って作成してください。作成したクラスは,通常のユーザクラスと同じように,WAR,EJB-JARまたはインポート用ライブラリJARに含めて利用できます。
次に,ライブラリJARに含めて利用する場合のユーザ作成クラスの作成手順を示します。
-
セキュリティポリシーファイル(server.policy)にセキュリティポリシーを設定します。
セキュリティポリシーの設定については,「8.8.2 セキュリティポリシーの設定」を参照してください。
-
独自のHandlerクラス,Filterクラス,およびFormatterクラスを含めたインポート用のライブラリJARを作成します。
-
サーバ管理コマンドを使用して,作成したライブラリJARのクラスをインポートするように指定します。
-
アプリケーションのソースプログラム上で,独自クラスのインスタンスを生成します。
-
Loggerクラス,Handlerクラスへ接続する処理を実装します。
J2SE1.4仕様のログマネジャ(LogManager)を利用して実装する場合は,次の点に注意してください。
-
プロパティ(java.util.logging.classやjava.util.logging.fileなど)を使用して,ログマネジャをカスタマイズすることはできません。カスタマイズした場合,ユーザログの構築に失敗するおそれがあります。
-
ソースプログラム上でログマネジャのreadConfiguration(InputStream ins)メソッドなどを呼び出すことはできません。readConfiguration(InputStream ins)メソッドを呼び出して,Loggerクラスの構成を初期化した場合,ユーザログ機能によって構築されたログ体系が失われます。
-
なお,コーディング上の注意事項については,「8.12 ユーザログ機能を使用する場合の注意事項」を参照してください。