3.19.2 システム構築時の注意事項
ここでは,システム構築時に注意することと設定について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) システム構築時の注意
EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを開始する場合に,システム構築時に注意することを次に示します。EJBクライアントアプリケーションのトランザクションの設定については,「(2) EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するための設定」を参照してください。
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EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを開始する場合,グローバルトランザクションを使用するために,アプリケーションサーバ側でライトトランザクション機能を無効に設定する必要があります(デフォルトでは有効になっています)。
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呼び出されるEJBを,EJBコンテナで管理するトランザクション(CMT)でMandatory属性,Required属性,Supports属性などに指定すると,EJBクライアントアプリケーション側で開始したトランザクションの範囲内で実行されます。
(2) EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するための設定
ここでは,EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するための設定について説明します。
- 注意事項
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Clientを使用してEJBクライアント環境を構築する場合は,EJBクライアントアプリケーションのトランザクションは使用できません。
EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するためには,次の設定が必要です。
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JARファイルの設定
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プロパティの設定
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UserTransactionの取得の設定
UserTransactionの取得の設定は,J2EEアプリケーション開発時の設定内容です。EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するために,EJBクライアントアプリケーションからUserTransaction(javax.transaction.UserTransaction)を取得するための設定が必要です。設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「3.5 EJBクライアントアプリケーションでのトランザクションの実装」を参照してください。
ここでは,EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するためのJARファイルとプロパティの設定について説明します。
(3) JARファイルの設定
EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するために,次のJARファイルをクラスパスに設定します。
- Windowsの場合
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<Application Serverのインストールディレクトリ>\TPB\lib\tpotsinproc.jar
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<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\lib\ejbserver.jar※
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- UNIXの場合
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/opt/Cosminexus/TPB/lib/tpotsinproc.jar
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/opt/Cosminexus/CC/lib/ejbserver.jar※
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- 注※
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クラスパスの設定で,ejbserver.jarはHiEJBClientStatic.jarよりも後ろに設定してください。
クラスパスへのJARファイルの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「3.7.4 EJBクライアントアプリケーションのクラスパスへのJARファイルの設定」を参照してください。
(4) プロパティの設定
EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するために設定が必要なキーについて説明します。プロパティの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「3.3.5 EJBクライアントアプリケーションのプロパティの設定」を参照してください。各キーの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「12.2.2 usrconf.properties(Javaアプリケーション用ユーザプロパティファイル)」を参照してください。
EJBクライアントアプリケーションでトランザクションを使用するためには,次のキーを設定します。
(a) 必須のプロパティ
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ejbserver.client.transaction.enabled
「true」を指定して,EJBクライアントアプリケーションでのトランザクションの使用を有効にします。
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ejbserver.distributedtx.recovery.port
グローバルトランザクションを使用するとき,トランザクションリカバリで使用する固定ポート番号を指定します。EJBクライアントのプロセスごとに別のポート番号を指定してください。また,同一マシン上で動作するアプリケーションサーバのリカバリ用ポート番号とは別のポート番号を指定してください。
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ejbserver.client.transaction.clientName
トランザクションサービスが使用するクライアント名を指定します。ここでは,EJBクライアントのプロセスごとに別の名前を指定してください。また,同一マシン上で動作するJ2EEサーバ名とは別の名前を指定してください。
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ejbserver.distributedtx.ots.status.directory1
トランザクションサービスが使用するステータスファイルや,そのバックアップを配置するディレクトリを指定します。EJBクライアントのプロセスごとに別のディレクトリを指定してください。また,J2EEサーバに指定したステータスファイルのディレクトリとは別のディレクトリを指定してください。
(5) 注意事項
EJBクライアントアプリケーションのトランザクションの設定での注意事項を次に示します。
グローバルトランザクションを使用するためには,アプリケーションサーバ側でライトトランザクション機能を無効にする必要があります。デフォルトの設定では,ライトトランザクション機能が有効になっています。J2EEサーバのusrconf.propertiesのejbserver.distributedtx.XATransaction.enabledキーで「true」を指定すると,ライトトランザクション機能が無効となり,グローバルトランザクションが利用できるようになります。