3.4.1 アプリケーションサーバ独自のコンテキストパラメタ
アプリケーションサーバ独自のコンテキストパラメタを次の表に示します。
パラメタ名 |
データ型 |
指定可能値 |
不正な値の対処 |
省略値 |
説明 |
---|---|---|---|---|---|
com.sun.faces.clientStateTimeout |
Long |
-9223372036854775808 〜9223372036854775807 |
タイムアウトは動作しない |
タイムアウトは動作しない |
ビューの状態に対するタイムアウト値を指定します。 ビューを表示してから次のビューを表示するまでの時間がタイムアウト値を超えるとビューは表示されません。 タイムアウト値を超えると,javax.faces.application.ViewExpiredExceptionがスローされます。 このパラメタはjavax.faces.STATE_SAVING_METHODの値が"client"の場合に有効になります。 このパラメタを設定しない場合,タイムアウトは発生しません。 このパラメタの値に1を加えた値がタイムアウト値として有効になります。 例えば,0が設定された場合は,1分でタイムアウトが発生します。 負の値を設定すると,サブミット後のビューは必ず表示されなくなります。 |
com.sun.faces.disableUnicodeEscaping※1 |
String |
auto,trueまたはfalse |
false |
auto |
クライアントへ返すレスポンスページの非ASCII文字の出力方法を決定します。 JSFの非ASCII文字の出力方法には,そのまま文字で出力するか,または文字参照で出力するかの2とおりがあります。 この機能はレスポンスページのエンコーディングの設定に影響を受けます。 また,この機能の影響する範囲はJSPとFaceletsで異なります。 JSPではJSFタグ(HTMLタグまたはコアタグ)に指定した文字が対象となります。 Faceletsではページに記載したすべての文字が対象となります。 |
com.sun.faces.numberOfLogicalViews |
int |
0〜 2147483647 |
15 |
15 |
論理ビュー※2の数を指定します。 このパラメタはjavax.faces.STATE_SAVING_METHODの値が"server"の場合に有効になります。 このパラメタに設定した値を超えるビューにアクセスすると,参照されていない時間が最も長い論理ビューが,現在アクセスした論理ビューに置換されます。 置換されたビューをサブミットしても結果のページは表示されません。 このパラメタに0を指定すると,サブミット後のビューは必ず表示されなくなります。 負の値を指定した場合は,JSPとFaceletsで挙動が異なります。 JSPの場合は,例外が発生しますが,ビューは表示され,サブミットもできます。ただし,ビューの状態は保存されません。 Faceletsの場合は,例外が発生します。ビューは表示されません。 |
com.sun.faces.numberOfViewsInSession |
int |
0〜2147483647 |
15 |
15 |
論理ビュー※2に登録できるビューの状態の数を指定します。 このパラメタはjavax.faces.STATE_SAVING_METHODの値が"server"の場合に有効になります。 同じビューをサブミットした回数がこのパラメタに設定した値を超えると,参照されていない時間が最も長いビューの状態が,現在アクセスしたビューの状態に置換されます。 置換された状態を持っていたビューをサブミットしても結果のページは表示されません。 このパラメタに0を指定すると,サブミット後のビューは必ず表示されなくなります。 負の値を指定した場合は,JSPとFaceletsで挙動が異なります。 JSPの場合は,例外が発生しますが,ビューは表示され,サブミットもできます。ただし,ビューの状態は保存されません。 Faceletsの場合は,例外が発生します。ビューは表示されません。 |
- 注※1
-
com.sum.faces.disableUnicode.Escapingの設定値およびレスポンスページの出力との対応を次の表に示します。
表3‒8 com.sum.faces.disableUnicode.Escapingの設定値とレスポンスページの出力との対応 com.sun.faces.disableUnicodeEscapingの設定値
レスポンスページのエンコーディングがUTF型,ISO-8859-1の場合
レスポンスページのエンコーディングがUTF型,ISO-8859-1以外の場合
true
文字
文字
false
文字参照
文字参照
auto
文字
文字参照
- 注※2
-
論理ビューとは,JSFが保存しているレスポンスページのことです。クライアントが今までにアクセスしたビューを識別するために使用します。クライアントがビューにアクセスした際に論理ビューは作成されます。また,論理ビューはビューの状態を保持します。ビューの状態は,同じビューをサブミットするごとに一つずつ増加していきます。
numberOfLogicalViewsおよびnumberOfViewsInSessionの指定値とビューの関係を次の図に示します。
図3‒2 numberOfLogicalViewsおよびnumberOfViewsInSessionの指定値とビューの関係 numberOfLogicalViewsに指定した数の論理ビューごとに,numberOfViewsInSessionに指定した数の状態が保持されます。
クライアントからサーバに値をサブミットすると,新しい状態のビューがサーバに保存されます。なお,状態とは,論理ビューで記述したUIコンポーネントの情報のことです。
JSFでは,ユーザが作成したFaceletsファイルやJSPファイルを基にして生成したHTMLページの画面の情報(ビューの状態)とSessionScopeを定義したManagedBeanクラスのオブジェクトをHTTPセッションに登録します。