2.20.1 Webアプリケーションのバージョン設定機能の概要
アプリケーションサーバでは,Webアプリケーションの実行時に,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンに準拠して,ServletやJSPが実行されます。
Webアプリケーションのバージョン設定機能は,Webアプリケーション実行時のバージョンを指定するための機能です。この機能を使用すると,web.xmlで定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更しないで,設定したバージョンに準拠してWebアプリケーションを実行できます。
- 注意事項
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Webアプリケーションのバージョン設定機能は,旧バージョンのアプリケーションの移行などを支援するための機能です。新規にアプリケーションを開発する場合に使用することは推奨しません。新規にアプリケーションを開発する場合は,正しいバージョンのweb.xmlを指定してください。
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Webアプリケーションのバージョン設定機能では,バージョン3.0以降のWebアプリケーションはサポートしません。
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Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用する場合と使用しない場合では,次の違いがあります。
- Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用する場合
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旧バージョンで作成したWebアプリケーションの実行時に,新バージョンに準拠してServletやJSPを実行させるために,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更する必要はありません。
実行したいWebアプリケーションのバージョンを設定すれば,web.xmlを変更したときと同様に,JSPコンパイルでの文法チェックおよびサーブレットAPIの動作が変更されます。ただし,web.xmlに定義が必要な機能は使用できません。
- Webアプリケーションのバージョン設定機能を使用しない場合
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旧バージョンで作成したWebアプリケーションの実行時に,新バージョンに準拠してServletやJSPを実行させるためには,web.xmlに定義されているWebアプリケーションのバージョンを変更する必要があります。
web.xmlで定義されているWebアプリケーションのバージョンごとに,Webアプリケーションのバージョン設定機能で設定したバージョンによる動作の違いを次に示します。
web.xmlで 定義されている バージョン |
Webアプリケーションのバージョン設定機能で 設定したバージョン |
||
---|---|---|---|
指定なし |
2.4 |
2.5 |
|
2.2 |
2.3として動作する※1 |
2.4として動作する |
2.5として動作する |
2.3 |
2.3として動作する |
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2.4 |
2.4として動作する |
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2.5 |
2.5として動作する |
2.5※2として動作する |