4.1.2 システム構成の設計手順
システム構成は,次の流れで設計します。
- 〈この項の構成〉
(1) アプリケーションの起動方式を検討する
バッチアプリケーションの起動方式を検討します。次の2種類から選択します。
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バッチサーバ上で起動する
バッチサーバ上でJavaアプリケーションを起動する方式です。常駐型のJavaVMプロセスであるバッチサーバを使用することで,JavaVMの起動に掛かるオーバーヘッドを削減できます。また,CTMを利用すると,バッチサーバ上で動作するバッチアプリケーションの実行をスケジューリングできます。
また,バッチサーバ上で起動する場合,リソースアダプタとしてDB Connectorが使用できます。
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cjclstartapコマンドを使用して個別に起動する
javaコマンドと同じようにJavaアプリケーションを起動する方式です。この方式の場合,バッチアプリケーションを実行するたびに,JavaVMの起動が必要です。
起動方式としてバッチサーバ上で起動することを選択した場合は,次の検討項目に進みます。なお,cjclstartapコマンドを使用することを選択した場合は,以降の検討項目は該当しません。
(2) トランザクションの使用方法を検討する
リソースと接続する場合は,トランザクションの使用方法を検討します。次の2種類から選択します。
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DB Connectorを使用する
アプリケーションサーバが提供するリソースアダプタであるDB Connectorを使用する方法です。DB Connectorの機能として,コネクションプーリングやステートメントプーリングが使用できます。また,フルガーベージコレクションの発生を制御する機能も使用できます。なお,バッチサーバで管理できるトランザクションは,ローカルトランザクションです。
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JDBCドライバを直接使用する
JDBCドライバが提供するAPIを使用して,トランザクション管理に必要な処理を実装する方法です。
DB Connectorを使用する場合のリソースアダプタとリソースの構成については,「3.3.2 リソースの種類とリソースアダプタ」を参照してください。ただし,バッチサーバの場合,接続できるリソースはデータベースだけです。
(3) セキュリティの設定を確認する
バッチサーバは,SecurityManagerによるセキュリティ保護を無効にして起動します。
(4) 性能解析トレースファイルを出力するプロセスを配置する
性能解析トレースファイルを出力するためのプロセスであるPRFデーモン(パフォーマンストレーサ)の配置を確認します。PRFデーモンは,バッチサーバごとに配置します。
(5) 運用管理および運用監視方法を決定する
運用管理および運用監視を実行するためのプロセスであるManagement Serverの配置を確認します。バッチアプリケーション実行基盤では,バッチサーバと同じマシンに配置します(ホスト単位管理モデルを使用します)。
(6) JP1との連携を検討する
バッチアプリケーションの実行をJP1/AJSのジョブとして自動投入する場合は,JP1との連携方法を検討します。
(7) そのほかの機能の使用を検討する
使用する機能に応じて,次の構成を検討してください。
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サーバ間連携をする構成
バッチアプリケーションからJ2EEサーバ上のEnterprise Beanを呼び出す場合に検討します。「3.5 サーバ間での連携を検討する」を参照してください。
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クラスタソフトウェアを使用した障害時の系切り替えをする構成
バッチサーバを系切り替えの対象にする場合に検討します。
次の説明を参照してください。
参照先の記述のうち,「J2EEサーバ」は「バッチサーバ」に読み替えてください。