Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド


2.2.1 Application Serverのインストールについて

ここでは,Application Serverのインストール方法の種類について説明します。また,アプリケーションサーバ製品に含まれる構成ソフトウェアの一つである,Component Containerをインストールしたときのユーザ環境の扱いや,製品に対応する構成ソフトウェアの依存関係についても説明します。

〈この項の構成〉

(1) インストール方法の種類

Application Serverをインストールする方法には,次の種類があります。

そのほかのインストール方法として,次のものがあります。

なお,例題で説明するアプリケーションサーバでのインストール方法は,新規インストールとします。

注意事項

Application Serverのインストール時に,使用するJDKのバージョンを選択する必要があります。インストールするJDKによって,アプリケーションサーバで使用できる機能が異なります。目的に合わせて使用するJDKを決定してください。また,インストール時にも次の違いがあります。

  • JDK11の場合:旧バージョンからの更新インストールおよび新規インストールが可能

  • JDK17の場合:新規インストールだけが可能

機能の違いについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.3.3 アプリケーションサーバ 11-00,11-10,11-20,または11-30から,11-40までの仕様変更」を参照してください。

(2) Component Containerインストール時のユーザ環境の扱い

アプリケーションサーバ製品に含まれる構成ソフトウェアの一つである,Component Containerをインストールするとき,インストールの種類によってユーザ環境の扱いが異なります。インストールの種類ごとのユーザ環境の扱いを次の表に示します。

表2‒1 インストールの種類ごとのユーザ環境の扱い

インストールの種類

J2EEサーバまたはバッチサーバのユーザ定義

サーバ管理コマンドのユーザ定義

サーバの作業ディレクトリ

新規インストール

インストーラが,デフォルトのJ2EEサーバまたはバッチサーバをセットアップし,ユーザ定義を作成します。

インストーラが,デフォルトのユーザ定義を作成します。

J2EEサーバまたはバッチサーバが,初回起動時に作成します。

更新インストール

同一バージョン同士(上書き)で更新

前の設定を引き継ぎます。

デフォルトのサーバ(ホスト名称のサーバ)の定義ディレクトリ(<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<ホスト名称>,または/opt/Cosminexus/CC/server/usrconf/ejb/<ホスト名称>)がない場合には,定義ファイルが自動的にセットアップされます。

前の設定を引き継ぎます。

前の設定を引き継ぎます。

異なるバージョン同士(バージョンアップ)で更新

前の設定を引き継ぎます。

前の設定を引き継ぎます。

インストール後,cjenvupdateコマンド(J2EEサーバまたはバッチサーバの移行コマンド)を実行して移行してください。移行情報は,既存のディレクトリに格納され,そのまま利用されます。

詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.2.2 更新インストールの場合」を参照してください。

注※ サーバの作業ディレクトリは,J2EEサーバとバッチサーバの場合で異なります。J2EEサーバの作業ディレクトリについては,「付録C.1 J2EEサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。バッチサーバの作業ディレクトリについては,「付録C.2 バッチサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。

(3) 製品に対応する構成ソフトウェアについて

各製品に含まれている構成ソフトウェアは,アプリケーションサーバおよびBPM/ESB基盤の機能に対応します。製品に含まれている構成ソフトウェアの種類によって,実現できる機能が異なります。製品と構成ソフトウェアの対応を次の表に示します。なお,各構成ソフトウェアの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説」の「2.2.2 構成ソフトウェアの機能概要」を参照してください。

表2‒2 製品と構成ソフトウェアの対応

構成ソフトウェア名

アプリケーションサーバ

BPM/ESB基盤

オプション製品

Application Server

Developer

Service Platform

Service Architect

Client

Application Development Plug-in

Component Container

Component Container - Client

Component Container - Redirector

Component Transaction Monitor

Developer's Kit for Java

HTTP Server

Performance Tracer

Reliable Messaging

Service Coordinator

Service Development Plug-in

TPBroker

Web Services - Security

XML Processor

HiRDB/Single Server Version 10

(凡例)

○:含まれます。 −:含まれません。

また,構成ソフトウェア間では,次の表に示す依存関係があります。インストールおよびアンインストール時には注意してください。

表2‒3 構成ソフトウェア間の依存関係

操作対象の構成ソフトウェア

前提となる構成ソフトウェア

Application Development Plug-in

  • Component Container

  • Developer's Kit for Java

  • XML Processor

Component Container

  • Developer's Kit for Java

  • Performance Tracer

  • TPBroker

  • XML Processor

Component Container - Client

  • Developer's Kit for Java

  • Performance Tracer

  • TPBroker

Component Container - Redirector

  • Performance Tracer

Component Transaction Monitor

  • Performance Tracer

Developer's Kit for Java

HTTP Server

Performance Tracer

Reliable Messaging

  • Component Container

Service Coordinator

  • Component Container

  • Component Transaction Monitor

  • Developer's Kit for Java

  • HTTP Server

  • Performance Tracer

  • Reliable Messaging

  • TPBroker

  • XML Processor

Service Development Plug-in

  • Component Container

  • Developer's Kit for Java

  • Service Coordinator

  • XML Processor

TPBroker

  • Developer's Kit for Java

Web Services - Security

  • Component Container

  • Developer's Kit for Java

  • XML Processor

XML Processor

  • Component Container

  • Developer's Kit for Java

HiRDB/Single Server Version 10

HiRDB SQL Executer Version 9

(凡例)−:前提となる構成ソフトウェアがないことを示します。

注※ Client以外の場合に,スキーマキャッシュ機能を使用するときには前提となります。Clientの場合は前提となりません。

(4) 製品の提供媒体について

製品の提供媒体がCD-ROMの場合の手順を説明しています。製品の提供媒体がDVD-ROMの場合は,CD-ROMをDVD-ROMに読み替えてください。