2.2.1 Application Serverのインストールについて
ここでは,Application Serverのインストール方法の種類について説明します。また,アプリケーションサーバ製品に含まれる構成ソフトウェアの一つである,Component Containerをインストールしたときのユーザ環境の扱いや,製品に対応する構成ソフトウェアの依存関係についても説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) インストール方法の種類
Application Serverをインストールする方法には,次の種類があります。
-
Application Serverがインストールされていない環境に,Application Serverをインストールすることです。インストールする構成ソフトウェアは,「標準」,「カスタム」から選択できます。「標準」を選択すると,Application Serverで推奨する構成ソフトウェアをすべてインストールします。「カスタム」を選択すると,Application Serverに対応する構成ソフトウェアのうち,選択した構成ソフトウェアをインストールします。詳細は,「2.2.2 Application Serverを新規インストールする(Windowsの場合)」,「2.2.3 Application Serverを新規インストールする(AIXの場合)」,または「2.2.4 Application Serverを新規インストールする(Linuxの場合)」を参照してください。
-
更新インストール
Application Serverがインストール済みの環境に,Application Server(同一製品)をインストールすることです。インストールする構成ソフトウェアは,「標準」,「カスタム」から選択できます。「標準」を選択すると,Application Serverで推奨する構成ソフトウェアをすべて再インストールします。「カスタム」を選択すると,Application Serverに対応する構成ソフトウェアのうち,選択した構成ソフトウェアを再インストールします。詳細は,「付録F Application Serverの更新インストール」を参照してください。
更新インストールを行う場合,インストール時のJavaバージョンの環境の選択では,すでにインストールされているCosminexus Developer's Kit for Java (TM)と同じJavaバージョンを選択してください。
すでにインストールされているCosminexus Developer's Kit for Java (TM)と異なるJavaバージョンを選択した場合は,更新インストールを行うことができません。
そのほかのインストール方法として,次のものがあります。
-
JP1/SC/DPMを使ったディスク複製インストール
JP1/SC/DPMを使用して作成したディスクイメージの複製をインストールすることです。詳細は,「付録G JP1/SC/DPMを使ったディスク複製インストール」を参照してください。
-
リモートインストール
JP1/NETM/DMやGroupmax Remote Installationを使用し,ネットワークを介してソフトウェアをクライアントへ配布するインストールのことです。詳細は,「付録H リモートインストール」を参照してください。
なお,例題で説明するアプリケーションサーバでのインストール方法は,新規インストールとします。
- 注意事項
-
Application Serverのインストール時に,使用するJDKのバージョンを選択する必要があります。インストールするJDKによって,アプリケーションサーバで使用できる機能が異なります。目的に合わせて使用するJDKを決定してください。また,インストール時にも次の違いがあります。
-
JDK11の場合:旧バージョンからの更新インストールおよび新規インストールが可能
-
JDK17の場合:新規インストールだけが可能
機能の違いについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.3.3 アプリケーションサーバ 11-00,11-10,11-20,または11-30から,11-40までの仕様変更」を参照してください。
-
(2) Component Containerインストール時のユーザ環境の扱い
アプリケーションサーバ製品に含まれる構成ソフトウェアの一つである,Component Containerをインストールするとき,インストールの種類によってユーザ環境の扱いが異なります。インストールの種類ごとのユーザ環境の扱いを次の表に示します。
インストールの種類 |
J2EEサーバまたはバッチサーバのユーザ定義 |
サーバ管理コマンドのユーザ定義 |
サーバの作業ディレクトリ※ |
|
---|---|---|---|---|
新規インストール |
インストーラが,デフォルトのJ2EEサーバまたはバッチサーバをセットアップし,ユーザ定義を作成します。 |
インストーラが,デフォルトのユーザ定義を作成します。 |
J2EEサーバまたはバッチサーバが,初回起動時に作成します。 |
|
更新インストール |
同一バージョン同士(上書き)で更新 |
前の設定を引き継ぎます。 デフォルトのサーバ(ホスト名称のサーバ)の定義ディレクトリ(<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<ホスト名称>,または/opt/Cosminexus/CC/server/usrconf/ejb/<ホスト名称>)がない場合には,定義ファイルが自動的にセットアップされます。 |
前の設定を引き継ぎます。 |
前の設定を引き継ぎます。 |
異なるバージョン同士(バージョンアップ)で更新 |
前の設定を引き継ぎます。 |
前の設定を引き継ぎます。 |
インストール後,cjenvupdateコマンド(J2EEサーバまたはバッチサーバの移行コマンド)を実行して移行してください。移行情報は,既存のディレクトリに格納され,そのまま利用されます。 詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「10.2.2 更新インストールの場合」を参照してください。 |
(3) 製品に対応する構成ソフトウェアについて
各製品に含まれている構成ソフトウェアは,アプリケーションサーバおよびBPM/ESB基盤の機能に対応します。製品に含まれている構成ソフトウェアの種類によって,実現できる機能が異なります。製品と構成ソフトウェアの対応を次の表に示します。なお,各構成ソフトウェアの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説」の「2.2.2 構成ソフトウェアの機能概要」を参照してください。
構成ソフトウェア名 |
アプリケーションサーバ |
BPM/ESB基盤 |
オプション製品 |
||
---|---|---|---|---|---|
Application Server |
Developer |
Service Platform |
Service Architect |
Client |
|
Application Development Plug-in |
− |
○ |
− |
○ |
− |
Component Container |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
Component Container - Client |
− |
− |
− |
− |
○ |
Component Container - Redirector |
○ |
− |
○ |
− |
− |
Component Transaction Monitor |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
Developer's Kit for Java |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
HTTP Server |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
Performance Tracer |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Reliable Messaging |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
Service Coordinator |
− |
− |
○ |
○ |
− |
Service Development Plug-in |
− |
− |
− |
○ |
− |
TPBroker |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Web Services - Security |
○ |
○ |
○ |
○ |
− |
XML Processor |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
HiRDB/Single Server Version 10 |
− |
○ |
− |
○ |
− |
また,構成ソフトウェア間では,次の表に示す依存関係があります。インストールおよびアンインストール時には注意してください。
操作対象の構成ソフトウェア |
前提となる構成ソフトウェア |
---|---|
Application Development Plug-in |
|
Component Container |
|
Component Container - Client |
|
Component Container - Redirector |
|
Component Transaction Monitor |
|
Developer's Kit for Java |
− |
HTTP Server |
− |
Performance Tracer |
− |
Reliable Messaging |
|
Service Coordinator |
|
Service Development Plug-in |
|
TPBroker |
|
Web Services - Security |
|
XML Processor |
|
HiRDB/Single Server Version 10 |
− |
HiRDB SQL Executer Version 9 |
− |
(4) 製品の提供媒体について
製品の提供媒体がCD-ROMの場合の手順を説明しています。製品の提供媒体がDVD-ROMの場合は,CD-ROMをDVD-ROMに読み替えてください。