1.1.1 セットアップウィザードとは
セットアップウィザードは,ウィザードに従って対話形式で操作を進めることで,J2EEアプリケーションの実行環境を構築できるツールです。必要な設定を画面で選択しながら作業を進められるので,事前に複雑なパラメタの検討や定義ファイルの編集をしないで済みます。J2EEアプリケーションが動作するWebフロントシステム(WebサーバとJ2EEサーバを配置するシステム)を構築するのに適しています。
アプリケーションサーバのバージョンが11-00以降の場合,セットアップウィザードではJ2EEサーバを構築する際,互換モードを使用することはできません。
また,J2EEアプリケーションを動作させる環境に最小限必要な項目だけを最小限の手順で設定して構築できるので,製品を導入してからシステムを起動するまでに掛かる時間を短縮できます。構築したシステムはチューニングもできます。まずは最小限の設定でシステムの運用を開始して,稼働状況に応じてシステム設定を最適化したり,システム構成を拡大したりするといった運用ができます。
セットアップウィザードによるシステム構築のイメージを次の図に示します。
セットアップウィザードの画面に従って操作すると,次の作業が一括で実行できます。
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システムの運用に必要なプロセス(運用管理機能)の構築
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システムの実行に必要なプロセス(Webサーバ,J2EEサーバおよびパフォーマンストレーサ)の構築
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データベースとの接続に必要なリソースアダプタの設定
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運用管理機能,ならびにWebサーバ,J2EEサーバおよびパフォーマンストレーサの起動
なお,業務アプリケーションの設定および開始は,セットアップウィザード実行後に運用管理ポータルを使用して実行します。
セットアップウィザードで提供するセットアップ方法には,次のものがあります。
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すべての設定項目をデフォルト値で構築するセットアップ方法です。データベースに接続するシステムも,使用するデータベースの設定以外はすべてデフォルト値で構築できます。WebサーバとJ2EEサーバで構成されるシステムをセットアップできます。
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運用管理機能を使用するユーザ,各サーバで使用するポート番号などを任意の値に変更できるセットアップ方法です。設定値を変更しない項目は,デフォルト値のままセットアップできます。WebサーバとJ2EEサーバを配置するシステムと,J2EEサーバだけを配置するシステムをセットアップできます。
セットアップウィザードのデフォルト値については,「付録A セットアップウィザードで設定されるパラメタ」を参照してください。