Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


付録G.2 新規にインストールする場合の移行手順

次の図に示す「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(10) HCSCコンポーネントの配備(運用環境)」の手順に従って,サービスプラットフォームを旧バージョンから11-20へ移行してください。

図G‒1 新規にインストールする場合の移行手順

[図データ]

図G-1の「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」〜「(10) HCSCコンポーネントの配備(運用環境)」の手順の詳細を次に示します。

なお,手順内で使用するコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「5. コマンド(運用環境・実行環境)」を参照してください。また,開発環境で実施する作業の詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」を参照してください。

注意事項

バージョン07-60以降では,開発環境と運用環境で同じリポジトリを共有できません。旧バージョンでリポジトリを共有していた場合,開発環境と運用環境で別々のリポジトリを用意して,移行してください。移行手順については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「付録A.3 旧バージョンで開発環境と運用環境のリポジトリを共有していた場合の移行手順」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)

バージョンアップ前の運用環境のリポジトリをエクスポートして,いったん退避します。複数のリポジトリを使用している場合,必要なリポジトリをすべてエクスポートして,退避します。

cscrepctlコマンド(-exportオプション)を運用環境で実行して,バージョンアップ前のリポジトリをエクスポートしてください。

リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「4.2 リポジトリのエクスポート」を参照してください。

(2) HCSCコンポーネントの削除(運用環境)

実行環境のHCSCサーバに配備されているHCSCコンポーネントをすべて削除します。バージョンアップする実行環境のすべてのHCSCサーバに配備されているHCSCコンポーネントをすべて削除します。

csccompoundeployコマンドを運用環境で実行して,HCSCサーバに配備されているHCSCコンポーネントを削除してください。

csccompoundeploy -csc <HCSCサーバ名> -type {adapter|bp} -name <サービスアダプタのサービスID>

(3) HCSCサーバのアンセットアップ(運用環境)

バージョンアップする実行環境のすべてのHCSCサーバをアンセットアップします。

cscsvunsetupコマンドを運用環境で実行して,すべてのHCSCサーバをアンセットアップしてください。HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境は,HCSC簡易セットアップ機能を利用してアンセットアップしてください。

HCSCサーバのアンセットアップ方法については,「3.3.6 HCSCサーバをアンセットアップする」を参照してください。

なお,アンセットアップしないでバージョンアップしてしまった場合,07-50より前のバージョンから11-20に移行するときは,手動でHCSCサーバを削除してください。07-50以降のバージョンから11-20に移行するときは,手動でHCSCサーバを削除する必要はありません。

(4) 各環境のアンインストール

開発環境,運用環境,実行環境で旧バージョンのサービスプラットフォームをアンインストールします。サービスプラットフォームのインストールディレクトリ以下のディレクトリ情報を退避したあとに,旧バージョンのサービスプラットフォームをアンインストールすることをお勧めします。

(a) アンインストールする場合の注意

  • J2EEサーバ,Management Server,PRFなど実行環境の構成要素を停止してからアンインストールしてください。

  • 組み込みデータベースを使用している場合,組み込みデータベースを停止してからアンインストールしてください。

(b) 07-50より前のバージョンから移行する場合の注意

  • 必ずすべてのHCSCサーバをアンセットアップしてからバージョンアップしてください。

  • 実行環境をバージョンアップする場合,cscreplsコマンドを使ってHCSCサーバ情報が残っていないことを確認してから実施してください。HCSCサーバ情報が残っていたら,必ずHCSCサーバをアンセットアップしてからバージョンアップしてください。HCSCサーバ情報が残っていてもバージョンアップは実行できますが,正しくバージョンアップされないので注意してください。

  • HCSCサーバをアンセットアップしたあとに,リポジトリルート配下を削除してください。

(c) 09-00より前のバージョンから移行する場合の注意

09-00以降では次の製品はサービスプラットフォームに同梱されます。次の製品がインストールされている場合は,アンインストールすることをお勧めします。

  • Service Adapter for Flat Files

  • Service Adapter Architect for Flat Files

  • Service Adapter for FTP

  • Service Adapter Architect for FTP

  • Service Adapter for Message Queue

  • Service Adapter Architect for Message Queue

  • Service Adapter for Object Access

  • Service Adapter Architect for Object Access

  • Service Adapter for TP1

  • Service Adapter Architect for TP1

  • コード変換 - Development Kit

  • コード変換 - Server Runtime

  • コード変換 - Runtime

  • TP1/Client/J

(d) 開発環境をバージョンアップする場合の注意

開発環境では,バージョンアップ前にHCSCTEプロジェクトをいったん削除し,バージョンアップ後に新しく作成し直してください。

(5) 各環境のインストール

開発環境,運用環境,実行環境で11-20のサービスプラットフォームをインストールしてバージョンアップします。

(6) HCSCサーバの構築(運用環境)

前回作成したHCSCサーバと同一の環境を構築し,定義します。前回作成した次のファイルを基に,HCSCサーバを構築して定義してください。

テスト環境の場合は,HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしてください。

(7) リポジトリのインポート(開発環境)

(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」でエクスポートしたリポジトリ情報を開発環境にインポートします。

旧バージョンのリポジトリをインポートすると,パッケージングおよび配備定義が自動で実施され,リポジトリ情報が今バージョンに引き継がれます。なお,パッケージングおよび配備定義が自動で実施されるのは,旧バージョンでパッケージングおよび配備定義したサービスアダプタ,ビジネスプロセスおよびユーザ定義受付だけです。

(a) 07-50より前のバージョンから移行する場合の注意

SessionBeanアダプタのユーザ定義クラスに次のファイル名が設定されているときは,警告メッセージが表示されます。

  • csmsvcadpdef.jar

  • cscmsg_adpejb.jar

警告メッセージが表示された場合,サービスアダプタ定義画面で,上記のユーザ定義クラスを削除し,ファイル名を変更してから,再度設定してください。

(b) 07-60以降のバージョンから移行する場合の注意

07-60以降のバージョンから移行する場合,実行環境に配備するサービスアダプタおよびユーザ定義受付は,開発環境にインポートして再度パッケージングしてください。サービスアダプタを再度パッケージングしないと,メッセージKDEC03007-Eが出力されないことがあります。また,ユーザ定義受付を再度パッケージングしないと,メッセージKDEC00001-Eで不正な埋字が出力されることがあります。パッケージングの方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「8.2 パッケージング」を参照してください。

(c) 08-10より前のバージョンから移行する場合の注意

データ変換定義で,sequence要素またはchoice要素下に,出現回数が1回に固定されている次の要素(コンポジタ)を定義している場合,ノードの表示が変更されるため,マッピング定義ファイルで使用しているXML Schemaが変更されている旨のエラーメッセージが表示されます。

  • sequence

  • choice

エラーメッセージが表示された場合は,再度マッピング定義を起動し,変更を反映させてください。

(d) 09-50より前のバージョンから移行する場合の注意

  • データ変換定義で次に示すスキーマを定義している場合,名前空間が変更されるため,マッピング定義ファイルで使用しているXML Schemaが変更されている旨のエラーメッセージが表示されます。

    1. インポート先で対象名前空間(targetNamespace)を定義しているスキーマを変換元ノードに指定している。

    2. 1.の名前空間が,importまたはinclude先を含むすべての名前空間宣言(xmlns[:prefix])で定義されていない。

    エラーメッセージが表示された場合は,マッピング定義を再起動し,変更を反映させてください。

  • インスタンスのプールの最小値・最大値にはデフォルト値が適用されるため,HCSCサーバランタイム定義ファイルのプロパティでxml-pooled-instance-minimumプロパティまたはxml-pooled-instance-maximumプロパティを指定している場合は,性能に影響が生じるおそれがあります。そのため,次に示すusrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のプロパティと指定値を合わせてください。

    内容

    HCSCサーバランタイム定義ファイルのプロパティ※1

    usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のプロパティ※2

    最小値

    xml-pooled-instance-minimum

    csc.dt.pool.DocumentBuilder.initialSize

    最大値

    xml-pooled-instance-maximum

    csc.dt.pool.DocumentBuilder.maxSize

    注※1

    HCSCサーバランタイム定義ファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

    注※2

    これらのプロパティの指定方法については,「2.3.9(5) XMLパーサプール機能オプションを使用する」を参照してください。

(e) 09-70より前のバージョンから移行する場合の注意

データ変換定義で次に示すスキーマを定義している場合,名前空間が変更されるため,マッピング定義ファイルで使用しているXML Schemaが変更されている旨のエラーメッセージが表示されます。

  • 1つの名前空間URIに対して,複数の異なる名前空間接頭辞を指定している。

エラーメッセージが表示された場合は,マッピング定義を再起動し,変更を反映させてください。

(f) メモリについての注意

旧バージョンのリポジトリをインポートするときは,メモリを多く必要とします。そのため,次の手順でメモリサイズが十分かどうかを確認し,メモリが不足している場合は,メモリサイズを増やしてからリポジトリをインポートしてください。

  1. Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[設定]を選択します。

  2. ダイアログ左側のツリービューから,[一般]を選択します。

  3. ダイアログ右側の[ヒープ・ステータスを表示]チェックボックスにチェックします。

  4. Eclipseのウィンドウの右下のゴミ箱アイコンを選択し,ガーベッジ・コレクターを実行します。

  5. ゴミ箱アイコンの左に表示されているヒープ・サイズを確認します。

  6. 未使用のヒープ・サイズが不足している場合,eclipse.iniを編集し,メモリサイズ(-Xmxの値)を大きくします。eclipse.iniの編集については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「2.4.3 Eclipse環境のセットアップ」を参照してください。

(g) クライアント定義ファイルについての注意

開発環境でSOAPアダプタを定義した場合,クライアント定義ファイル(c4webcl.properties)の「c4web.logger.log_file_prefix」の値は,自動的にサービスIDに変更されます。必要に応じて,移行前のクライアント定義ファイルを削除してください。詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.1 SOAPアダプタを定義する」を参照してください。

(8) リポジトリのエクスポート(開発環境)

(7) リポジトリのインポート(開発環境)」でインポートしたリポジトリをエクスポートします。

(9) リポジトリのインポート(運用環境)

(8) リポジトリのエクスポート(開発環境)」でエクスポートしたリポジトリをインポートします。なお,旧バージョンのリポジトリはインポートできません。

cscrepctlコマンド(-importオプション)を運用環境で実行してください。

リポジトリのインポート方法の詳細については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。

(10) HCSCコンポーネントの配備(運用環境)

(9) リポジトリのインポート(運用環境)」でインポートしたリポジトリ情報に含まれるHCSCコンポーネントをHCSCサーバに配備します。「(1) リポジトリのエクスポート(運用環境)」でリポジトリをエクスポートしたときと同じ環境となるように配備します。

csccompodeployコマンド(-allオプション)を運用環境で実行してください。

HCSCコンポーネントの配備方法の詳細については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」および「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。

HCSCコンポーネントの配備後は,バージョンアップ前と同様にHCSCコンポーネントを操作できます。

なお,旧バージョンで使用していたリポジトリ情報をバージョンアップ前後に開発環境で変更し,変更したリポジトリ情報を使用して運用する場合のバージョンアップ方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「付録A.3 旧バージョンで開発環境と運用環境のリポジトリを共有していた場合の移行手順」を参照してください。