Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編


付録I.1 HTTPSを使用したセキュアな接続

HTTPアダプタでは,HTTPSによるサーバとの接続をサポートしています。HTTPSによる接続を利用することで,認証に必要なユーザ名やパスワードを暗号化し,第三者に盗聴される危険性を低下できます。

〈この項の構成〉

(1) HTTPSに関する設定

HTTPSに関する情報として設定する項目を次に示します。

表I‒1 HTTPSに関する設定

項目

設定内容

HTTPSの使用有無

HTTPSを使用する場合はURIのスキーマに「https」を指定します。

HTTPSを使用する場合に使用するセキュリティ通信用プロトコル

TLS1.0,SSL3.0など,使用できるプロトコルのうち,最適なものが自動で設定されます。

サーバ認証の有無

サーバ認証の有無はHTTPアダプタ定義ファイルのadphttp.protocol.https-server-authenticationプロパティで設定できます。

  • サーバ認証をする場合(デフォルト):

    接続先HTTPサーバの公開鍵の証明書が信頼できるかどうかをチェックして,信頼できる場合だけ処理を実行します。

  • サーバ認証をしない場合:

    接続先HTTPサーバの公開鍵の証明書が信頼できるかどうかをチェックしないで処理を実行します。

ホスト名検証の有無

ホスト名検証の有無はHTTPアダプタ定義ファイルのadphttp.protocol.https-hostname-verificationプロパティで設定できます。

  • ホスト名検証をする場合(デフォルト):

    証明書内のホスト名が接続先URIのホスト名と一致するかをチェックして,処理を実行します。

  • ホスト名検証をしない場合:

    証明書内のホスト名が接続先URIのホスト名と一致するかをチェックしないで,処理を実行します。

HTTPアダプタ定義ファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「3.10.1 HTTPアダプタ定義ファイル」を参照してください。

注意事項

HTTPアダプタでは,クライアント認証を必要とするHTTPSサーバには接続できません。

(2) キーストアに関する設定

HTTPSを使用する場合で,かつHTTPアダプタでサーバ認証をするとき,信頼できる証明書を格納したキーストア(トラストストア)が必要になります。

トラストストアには,次の証明書のどれかが格納されている必要があります。

キーストアへの証明書のインポート方法については,JDKのドキュメントの「keytool」に関する個所を参照してください。

キーストアのパスおよびパスワードに関する設定方法を次に示します。

キーストアのパス

サーバ認証をする場合,HTTPアダプタは次の順にキーストアを探し,最初に発見したトラストストアを使用してサーバ認証を実施します。

  1. usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のjavax.net.ssl.trustStoreプロパティが指定されている場合,このシステムプロパティに指定されたパスに存在するキーストアを使用します。

  2. 次のパスにファイルが存在する場合,このファイルをキーストアとして使用します。

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jdk\lib\security\jssecacerts

  3. 次のパスにファイルが存在する場合,このファイルをキーストアとして使用します。

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jdk\lib\security\cacerts

上記のどれにも該当しない場合は,信頼できないサーバと判断されます。

キーストアのパスワード

usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)のjavax.net.ssl.trustStorePasswordプロパティでキーストアのパスワードが指定されている場合,キーストアを使用する前に,キーストアのデータが完全かどうかの検査が実施されます。

javax.net.ssl.trustStorePasswordプロパティが指定されていない場合は,キーストアのデータの検査が実施されません。

usrconf.properties(J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル)の詳細については,次に示すマニュアルを参照してください。