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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編


付録A.8 障害情報の取得(カスタム受付)

カスタム受付の運用時に障害が発生すると,障害対策に必要な次の情報が出力されます。

ここでは,ログおよび各種トレースの取得方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) メッセージログ(カスタム受付)

メッセージログは,次に示すログに出力されます。

メッセージログの取得方法および出力先については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.1 メッセージログ」に関する内容を参照してください。また,詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム メッセージ」の「2. メッセージ一覧」を参照してください。

(2) リクエストトレース(カスタム受付)

リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。

(a) リクエストトレースの取得ポイント

リクエストトレースの取得ポイントを次の図に示します。

図A‒12 リクエストトレースの取得ポイント

[図データ]

詳細位置,およびトレース取得ポイントを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表A‒5 リクエストトレースの取得ポイント

図中の番号

詳細位置

トレース取得ポイント

1

IN

カスタム受付フレームワークの入口

2

OUT

カスタム受付フレームワークの出口

(b) リクエストトレースの出力形式と出力内容

出力形式

リクエストトレースの出力形式については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.2 リクエストトレース」を参照してください。

出力内容

リクエストトレースに出力される内容を次の表に示します。

表A‒6 リクエストトレースに出力される内容

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が出力されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を識別するためのIDが出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

メッセージ共通ID

リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。

サービスリクエストID

リクエスト識別情報(子ID)が出力されます。

取得ポイント識別情報

取得位置

トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • URCP:ユーザ定義受付

プロトコル種別

トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。

  • CUSTM:カスタム受付

詳細位置

トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。

  • IN:受付

  • OUT:応答

名称

アダプタ種別

結果

応答結果種別が出力されます。ただし,詳細位置がINの場合は,出力されません。

  • NORMAL:正常終了

  • ERROR:異常終了

付加情報

応答結果の付加情報が出力されます。

  • 受付名

  • 受付ID

  • クライアント相関ID

  • サービス名

  • サービスオペレーション名

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

(c) リクエストトレースの取得方法と出力先

リクエストトレースの取得方法と出力先については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.2 リクエストトレース」を参照してください。

(3) 性能解析トレース(カスタム受付)

性能解析トレース(PRFトレース)は,サービスプラットフォームシステムの性能解析をするためのトレース情報で,それをCSV形式で編集出力したテキストファイルが性能解析トレースファイルです。性能解析トレースは,J2EEアプリケーションを含めた,システム全体の性能ボトルネックを解析するための情報が出力されます。システムの性能ネックや性能トラブルシュートに使用します。性能解析トレース機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7. 性能解析トレースを使用した性能解析」を参照してください。

(a) 性能解析トレースの取得ポイント

性能解析トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図A‒13 性能解析トレースの取得ポイント

[図データ]

イベントID,トレース取得ポイント,および性能解析トレース取得レベルを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表A‒7 性能解析トレースの取得ポイント

イベントID

図中の番号

トレース取得ポイント

レベル

0x9860

1

カスタム受付フレームワークの入口

A

0x9861

2

カスタム受付フレームワークの出口

A

0x9862

3

データ変換(要求電文)の呼び出し口

B

0x9863

4

データ変換(要求電文)の応答受信口

B

0x9864

5

HCSCメッセージ配送制御の呼び出し口

A

0x9865

6

HCSCメッセージ配送制御の応答受信口

A

0x9866

7

データ変換(応答電文)の呼び出し口

B

0x9867

8

データ変換(応答電文)の応答受信口

B

0x986e

9

カスタム受付フレームワークのJSON-XML変換(要求電文)の呼び出し口

B

0x986f

10

カスタム受付フレームワークのJSON-XML変換(応答電文)の応答受信口

B

(凡例)

A:「標準」であることを示します。

B:「詳細」であることを示します。

注※

JSON-XML変換をする場合だけ出力されます。

(b) 性能解析トレースの出力形式と出力内容

出力形式

性能解析トレースファイルに出力される形式は,J2EEサーバの性能解析トレースと同様です。性能解析トレースファイルの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

出力内容

性能解析トレースファイルに出力される内容を次の表に示します。

表A‒8 性能解析トレースファイルに出力される内容

項目

内容

イベントID

取得ポイントのイベントIDが出力されます。

リターンコード

取得ポイント種別が出力されます。

  • 0:正常終了

  • 1:異常終了

インターフェース名

クラス名が出力されます。

パッケージ名は表示されません。

オペレーション名

メソッド名が出力されます。

オプション情報

次のオプション情報が出力されます。

  • リクエスト識別情報(親ID)

  • リクエスト識別情報(子ID)

  • 受付名

  • 受付ID

  • クライアント相関ID

  • サービス名

  • サービスオペレーション名

  • 例外クラス名(異常終了時だけ)

(c) 性能解析トレースの取得方法と出力先

性能解析トレースファイルの取得方法および出力先は,アプリケーションサーバおよびサービスプラットフォーム全体で共通です。性能解析トレースファイルの取得方法および出力先については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3 Management Serverを利用した性能解析トレースファイルの収集」を参照してください。

(4) ユーザ電文トレース(カスタム受付)

ユーザ電文トレースは,電文の状態を確認するために使用します。

(a) ユーザ電文トレースの取得ポイント

ユーザ電文トレースの取得ポイントを次の図に示します。

図A‒14 ユーザ電文トレースの取得ポイント

[図データ]

詳細位置,およびトレース取得ポイントを次の表に示します。なお,表の「図中の番号」は,図中の番号と対応しています。

表A‒9 ユーザ電文トレースの取得ポイント

図中の番号

詳細位置

トレース取得ポイント

1

IN

カスタム受付フレームワークの入口

2

OUT

カスタム受付フレームワークの出口

3

RQA※1

データ変換(要求電文)の応答口

4

RSB※1

データ変換(応答電文)の呼び出し口

5

ERR※2

カスタム受付フレームワークのサービス呼び出し

注※1

データ変換をする場合だけトレースを取得します。

注※2

サービス呼び出しでエラー(システム例外またはフォルト)を検出した場合だけ,要求電文のトレースを取得します。

(b) ユーザ電文トレースの出力形式と出力内容

出力形式

ユーザ電文トレースの出力形式については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.4 ユーザ電文トレース」を参照してください。

出力内容

トレース開始時にユーザ電文トレースに出力される内容を次の表に示します。

表A‒10 ユーザ電文トレースに出力される内容(トレース開始)

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が出力されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を識別するためのIDが出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

電文トレース開始取得ポイント識別情報

電文トレース開始

ユーザ電文トレース開始を示す文字列「telegramtrace started」が出力されます。

取得位置

トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • URCP:ユーザ定義受付

プロトコル種別

トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。

  • CUSTM:カスタム受付

詳細位置

トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。

  • IN:受付

  • OUT:応答

  • RQA:カスタム受付での要求時のデータ変換後

  • RSB:カスタム受付での応答時のデータ変換前

メッセージ共通ID

リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。

付加情報

次の付加情報が出力されます。

  • リクエスト識別情報(子ID)(Service Request ID)

  • 受付名(Reception Name)

  • 受付ID(Reception ID)

  • クライアント相関ID(Client ID)

  • サービス名(Service Name)

  • サービスオペレーション名(OP)

  • PRFルートアプリケーション情報(RootApInfo)

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

HCSCサーバランタイム定義ファイルにtelegramtrace-format=FIXEDを指定した場合のユーザ電文トレースデータに出力される内容を次の表に示します。

表A‒11 ユーザ電文トレースに出力される内容(telegramtrace-format=FIXEDを指定した場合)

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が出力されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を識別するためのIDが出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

  • CSCBP:ビジネスプロセス

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

電文トレースデータ情報

出力位置

ユーザ電文の先頭からのオフセット値(16進数形式)が出力されます。

データ

(16進数形式)

ユーザ電文の内容(16進数形式)が出力されます。

データ

(ASCII形式)

ユーザ電文の内容(ASCII形式)が出力されます。

0x20〜0x7Eの範囲の場合にASCII文字が出力されます。

0x00〜0x1F,0x7F〜0xFFの範囲の場合は,ピリオド(.)が出力されます。

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

SOAPメッセージの場合,ユーザ電文トレースデータにはユーザ電文に含まれる次の情報が出力されます。

・soap:Header要素を含む複数の子要素

・soap:Body要素の1つの子要素

なお,soap:Header要素が存在しない場合は,soap:Body要素の子要素だけが情報として出力されます。

HCSCサーバランタイム定義ファイルにtelegramtrace-format=READABLEを指定した場合,16進数形式データとUTF-8形式データの出力内容が異なります。それぞれの出力形式を次の表に示します。

表A‒12 ユーザ電文トレースデータに出力される内容(telegramtrace-format=READABLEを指定した場合)(16進数形式データ)

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が表示されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子が出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

  • CSCBP:ビジネスプロセス

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

電文トレースデータ情報

出力位置(16進数形式)

ユーザ電文の先頭からのオフセット値が16進数形式で出力されます。

データ(16進数形式)

ユーザ電文の内容が16進数形式で出力されます。

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

SOAPメッセージの場合,ユーザ電文トレースデータにはユーザ電文に含まれる次の情報が出力されます。

・soap:Header要素を含む複数の子要素

・soap:Body要素の1つの子要素

soap:Header要素が存在しない場合は,soap:Body要素の子要素だけが情報として出力されます。

表A‒13 ユーザ電文トレースデータに出力される内容(telegramtrace-format=READABLEを指定した場合)(UTF-8形式データ)

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が表示されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子が出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

  • CSCBP:ビジネスプロセス

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

電文トレースデータ情報

データ(UTF-8形式)

ユーザ電文をUTF-8形式で出力します。

  • 0x20〜0x7Eの範囲にある文字は,ASCII文字として出力します。

  • 次の範囲にある文字は,ピリオド(.)を出力します。

    0x00〜0x08

    0x0B〜0x0C

    0x0E〜0x1F

    0x7F

  • 0x09の場合は,水平タブを出力します。

  • 改行コード(0x0aまたは0x0d)は出力しません。

  • 0xFE〜0xFFの範囲にある文字は,クエスチョンマーク(?)を出力します。

  • マルチバイト文字として正しく記述されている場合は,マルチバイト文字を出力します

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

注1

SOAPメッセージの場合,ユーザ電文トレースデータにはユーザ電文に含まれる次の情報が出力されます。

・soap:Header要素を含む複数の子要素

・soap:Body要素の1つの子要素

なお,soap:Header要素が存在しない場合は,soap:Body要素の子要素だけが情報として出力されます。

注2

ユーザ電文トレースの1行の長さは最大4,185バイトです。それを超えた分は次の行に出力されます。4,185バイト目のデータがマルチバイト文字の場合,マルチバイト文字は次の行に出力されます。

注※

マルチバイト文字の文字コードの割り当て範囲を次の表に示します。

表A‒14 UTF-8のマルチバイト文字の割り当て範囲

区分

文字コードの範囲(16進数)

2バイト文字の開始バイト

0xC0〜0xDF

3バイト文字の開始バイト

0xE0〜0xEF

4バイト文字の開始バイト

0xF0〜0xF7

5バイト文字の開始バイト

0xF8〜0xFB

6バイト文字の開始バイト

0xFC〜0xFD

マルチバイト文字の2バイト目以降

0x80〜0xBF

なお,この範囲内でも出力するデータの並びが文字セットにとって不当な場合や,出力するデータの並びが正当でも有効な文字に対応付けできない場合は,クエスチョンマーク(?)を出力します。

トレース終了時にユーザ電文トレースに出力される内容を次の表に示します。

表A‒15 ユーザ電文トレースに出力される内容(トレース終了)

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が出力されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を識別するためのIDが出力されます。

  • CSCMSG:メッセージング基盤

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

電文トレース終了取得ポイント識別情報

電文トレース終了

ユーザ電文トレース終了を示す文字列「telegramtrace ended」が出力されます。

取得位置

トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • URCP:ユーザ定義受付

プロトコル種別

トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。

  • CUSTM:カスタム受付

詳細位置

トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。

  • IN:受付

  • OUT:応答

  • RQA:カスタム受付での要求時のデータ変換後

  • RSB:カスタム受付での応答時のデータ変換前

メッセージ共通ID

リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。

付加情報

ユーザ電文の長さ(10進数形式)が出力されます。ユーザ電文がない場合は「null」が出力されます。

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(凡例)

−:何も出力されません。

(c) ユーザ電文トレースの取得方法と出力先

ユーザ電文トレースの取得方法と出力先については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.4.4 ユーザ電文トレース」を参照してください。