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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


7.4.2 リクエストトレース

HCSCサーバのメッセージング基盤では,次の内容をリクエストトレースとして取得できます。リクエストトレースは,リクエストの障害要因の解析に使用します。

ここでは,取得されたリクエストトレースの確認方法について説明します。リクエストトレースの取得方法については,「7.3.2(2) リクエストトレースの取得方法」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) リクエストトレースの出力先

リクエストトレースの出力先を次に示します。

HCSCサーバランタイム定義ファイルのrequesttrace-filepathプロパティで指定したパス

なお,指定したパスが存在しない場合,またはパスが誤っていた場合は,省略値の出力先にトレースが出力されます。

リクエストトレースのトレースファイル名を次の表に示します。

表7‒19 リクエストトレースのトレースファイル名

トレースファイルの出力モード

トレースファイル名

ラップアラウンドモードの場合

cscmsgreq_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

シフトモードの場合

cscmsgreq_<HCSCサーバ名>_.log

(2) リクエストトレースの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

リクエストトレースの出力形式を次の図に示します。

図7‒7 リクエストトレースの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

リクエストトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7‒20 リクエストトレースに出力される内容

項目

内容

番号

トレースレコードの出力通番が表示されます。

日付

トレースレコードの取得日付(yyyy/mm/dd形式)が出力されます。

時刻

トレースレコードの取得時刻(hh:mm:ss.SSS形式)が,ローカル時刻でミリ秒単位に出力されます。

製品ID

製品を特定するための識別子メッセージング基盤を示す「CSCMSG」が出力されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

表示されません。

メッセージ共通ID

リクエスト識別情報(親ID)が出力されます。

サービスリクエストID

リクエスト識別情報(子ID)が出力されます。

取得ポイント識別情報

取得位置

トレースの取得ポイント情報(取得位置)が出力されます。

  • RCP:標準受付

  • URCP:ユーザ定義受付

  • SVSND:サーバ間転送(送信)

  • SVRCV:サーバ間転送(受信)

  • BPRCP:ビジネスプロセスリクエスト受付

  • BPREQ:ビジネスプロセス呼び出し

  • SVC:サービス部品呼び出し(サービスアダプタ内)

  • SVCGP:サービスグループ呼び出し

プロトコル種別

トレースの取得ポイント情報(プロトコル種別)が出力されます。ただし,取得位置がBPRCP,BPREQ,またはSVCGPの場合は,表示されません。

  • SOAP:Webサービス

  • EJB:SessionBean

  • WSR:MDB(WS-R)

  • DBQ:MDB(DBキュー)

  • CUSTM:上記以外のプロトコル

詳細位置

トレースの取得ポイント情報(詳細位置)が出力されます。

  • IN:受付

  • OUT:応答

  • CAL:呼び出し(他コンポーネント)

  • RET:応答受信(他コンポーネント)

  • WRN:例外

名称

トレースの取得ポイント情報(名称)が出力されます。ただし,取得位置がRCP,URCP,BPREQ,またはSVRCVの場合は表示されません。

  • サーバ名

  • サービスアダプタのサービスID

  • ビジネスプロセスのサービスID

  • サービスグループ名

アダプタ種別

トレースの取得ポイント情報(アダプタ種別)が出力されます。ただし,取得位置がRCP,URCP,BPRCP,SVCGP,SVSND,またはSVRCVの場合は表示されません。

  • SVA:サービスアダプタ

  • BP:ビジネスプロセス

結果

応答結果種別が出力されます。ただし,詳細位置がINまたはCALの場合は,表示されません。

  • 正常終了:NORMAL

  • 異常終了:ERROR

付加情報

応答結果の付加情報が出力されます。

CRLF

レコード終端符号が出力されます。

(3) リクエストトレースの取得ポイント

リクエストトレースの出力契機には次の種類があり,それぞれで取得ポイントが異なります。

(a) 単体サービス実行時

単体サービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7‒8 リクエストトレースの取得ポイント(単体サービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-8 リクエストトレースの取得ポイント(単体サービス実行時)」中の番号と対応しています。

表7‒21 リクエストトレース取得ポイント(単体サービス実行時)

図中の番号

トレース取得ポイント

1

標準受付(Webサービス)の入口

2

標準受付(Webサービス)の出口

1

標準受付(SessionBean)の入口

2

標準受付(SessionBean)の出口

1

標準受付(MDB(WS-R))の入口

2

標準受付(MDB(WS-R))の出口

1

標準受付(MDB(DBキュー))の入口

2

標準受付(MDB(DBキュー))の出口

3

SOAPアダプタのサービス部品呼び出し口

4

SOAPアダプタのサービス部品応答受信口

3

SessionBeanアダプタのサービス部品呼び出し口

4

SessionBeanアダプタのサービス部品応答受信口

3

MDB(WS-R)アダプタのサービス部品呼び出し口

4

MDB(WS-R)アダプタのサービス部品応答受信口

3

MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品呼び出し口

4

MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品応答受信口

3

上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口

4

上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口

(b) ビジネスプロセスサービス実行時

ビジネスプロセスサービス実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7‒9 リクエストトレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-9 リクエストトレースの取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)」中の番号と対応しています。

表7‒22 リクエストトレース取得ポイント(ビジネスプロセスサービス実行時)

図中の番号

トレース取得ポイント

1

標準受付(Webサービス)の入口

2

標準受付(Webサービス)の出口

1

標準受付(SessionBean)の入口

2

標準受付(SessionBean)の出口

1

標準受付(MDB(WS-R))の入口

2

標準受付(MDB(WS-R))の出口

1

標準受付(MDB(DBキュー))の入口

2

標準受付(MDB(DBキュー))の出口

1

ユーザ定義受付の入口

2

ユーザ定義受付の出口

7

SOAPアダプタのサービス部品呼び出し口

8

SOAPアダプタのサービス部品応答受信口

7

SessionBeanアダプタのサービス部品呼び出し口

8

SessionBeanアダプタのサービス部品応答受信口

7

MDB(WS-R)アダプタのサービス部品呼び出し口

8

MDB(WS-R)アダプタのサービス部品応答受信口

7

MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品呼び出し口

8

MDB(DBキュー)アダプタのサービス部品応答受信口

7

上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品呼び出し口

8

上記以外のサービスアダプタ(CUSTOM)のサービス部品応答受信口

3

ビジネスプロセスサービスの呼び出し口

4

ビジネスプロセスサービスの応答受信口

5

ビジネスプロセス受付の入口

6

ビジネスプロセス受付の出口

(c) 稼働状態確認実行時

稼働状態確認実行時のリクエストトレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図7‒10 リクエストトレースの取得ポイント(稼働状態確認実行時)

[図データ]

トレース取得ポイントを次の表に示します。表の「図中の番号」は,「図7-10 リクエストトレースの取得ポイント(稼働状態確認実行時)」中の番号と対応しています。

表7‒23 リクエストトレース取得ポイント(稼働状態確認実行時)

図中の番号

トレース取得ポイント

1

標準受付(Webサービス)の入口

2

標準受付(Webサービス)の出口

1

SOAP受付の入口

2

SOAP受付の出口