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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.12.2 タイマ設計

呼び出し先が無応答になったり,処理時間が想定を上回ったりした場合,その状況を検知して適切に対処することを目的として,タイマ管理を実施します。

FTP連携で使用するタイマ一覧を次の表に示します。

表8‒39 FTP連携で使用するタイマ一覧

コンポーネント

タイマ

タイマ管理の目的

タイムアウト時の動作

FTPインバウンドアダプタ※1

無通信監視タイマ

制御コネクション上で,コマンドの応答から次のコマンドまでの時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。

クライアント接続待ちタイマ

データコネクションの接続方式がアクティブモードの場合に,FTPクライアントからコネクション接続要求が来るまでの時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。

データ受信監視タイマ

データコネクション上で,1回の受信データのreadに要する時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。

データ送信監視タイマ

データコネクション上で,1回の送信データのwriteに要する時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。

FTP受付※2

FTP受付監視タイマ

FTP受付が呼び出されてから応答するまでの時間を監視します。FTP受付の呼び出し元が先にタイムアウトを検知した場合の予防措置として利用します。

FTP受付が応答を返す時点でタイムアウトを検知し,システム例外を返して処理を終了します。

ビジネスプロセス※3

サービス呼び出し監視タイマ

サービス呼び出しから応答までの時間を監視します。ビジネスプロセス呼出し元が先にタイムアウトした場合の予防措置として利用します。

サービスから応答が返った時点でタイムアウトを検知し,システム例外を返して処理を終了します。

ビジネスプロセス処理監視タイマ

サービス呼び出しから応答までのビジネスプロセス処理(データ変換など)の時間を監視します。ビジネスプロセス呼び出し元が先にタイムアウトした場合の予防措置として利用します。

次のサービス呼び出し時点でタイムアウトを検知し,システム例外を返して処理を終了します。

FTPアダプタ※4

応答監視タイマ

制御コネクション上で,コマンド送信から応答までの時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。そのあと,システム例外を返して処理を終了します。

サーバ接続待ちタイマ

Activeモードの場合に,FTPサーバからコネクション接続要求が返されるまでの時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。そのあと,システム例外を返して処理を終了します。

データ送受信監視タイマ

データ転送の開始から終了までの時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。そのあと,システム例外を返して処理を終了します。

ファイル操作アダプタ※5

ファイル変換監視タイマ

大規模なファイルの分割読み込み時の変換処理時間を監視します。

コネクションを切断し,FTP通信をエラー終了します。そのあと,システム例外を返して処理を終了します。

全体

リクエスト応答監視タイマ

FTP受付が呼び出されてから応答を返すまでの時間を監視します。

FTPクライアントにエラー応答を返します。ただし,実行中のビジネスプロセス処理は終了するまで実行されます。

注※1

FTPインバウンドアダプタのタイマ管理機能の詳細は,「8.5.2 タイムアウトの監視」を参照してください。

注※2

FTP受付のタイマ管理機能の詳細は,「8.4.9 タイムアウトの監視」を参照してください。

注※3

ビジネスプロセスおよびHCSCサーバ全体のタイマ管理機能の詳細は,「4.1 HCSCサーバに関連するタイマの設定」を参照してください。

注※4

FTPアダプタのタイマ管理機能の詳細は,「8.6.5 タイマ管理」を参照してください。

注※5

ファイル操作アダプタのタイマ管理機能は,ファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイルで設定できます。

詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.8 ファイル操作アダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。