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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.6.2 FTPコマンドの実行

ここでは,FTPアダプタの機能として,FTPアダプタが実行するFTPコマンドの種類,実行条件,およびタイマ管理などについて説明します。

FTPアダプタは,ビジネスプロセスから実行要求を受けたあと,条件に応じてFTPサーバに認証・接続や転送コマンドなどのFTPコマンドを実行します。

FTPアダプタが実行するFTPコマンドの種類,および実行条件を次の表に示します。

表8‒5 FTPコマンドの種類とコマンドの実行可否

分類

FTPコマンド

コマンドの実行可否

接続・認証

(connect処理)

AUTH

※1

USER

PASS

ACCT

※2

保護レベル

PBSZ

※3

PROT

※3

転送パラメタ

TYPE

※2

MODE

※2

PASV,PORT,EPSV,EPRT

※4

ファイルサイズ確認

SITE FSIZE

※5

転送前コマンド・転送後コマンド,

リスト前コマンド・リスト後コマンド※6

MDTM,SIZE,STAT,DELE,MKD,XMKD,RMD,XRMD,PWD,XPWD,CDUP,XCUP,CWD,XCWD,NOOP,SITE,RNFR,RNTO,ALLO,OPTS,STRU,SYST

※7

転送または情報取得

STOR,APPE,RETR,LIST,NLST

※2

ABOR

※8

切断

QUIT

(凡例)

◎:必ず実行されます。

○:どれか1つが実行されます。

△:条件に依存します。

注※1

FTPSを使用する場合で,Explicitモードのときに実行されます。FTPSに関する設定については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「付録H.1 FTPSを使用したセキュアな接続(FTPアダプタ)」を参照してください。

注※2

要求電文フォーマットの指定によっては実行されます。実行条件については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.10 FTPアダプタを定義する」を参照してください。

注※3

FTPSを使用する場合に実行されます。

注※4

FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.pasvportプロパティの設定に依存します。FTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.3 FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

注※5

SITE FSIZEコマンドの実行条件については,「8.6.4 送受信後のファイルサイズ確認」を参照してください。

注※6

ファイルの転送コマンド実行前,転送コマンド実行後,リストコマンド実行前,またはリストコマンド実行後に実行されるコマンドです。

注※7

要求電文フォーマットの<ftp-commands-before>タグ,および<ftp-commands-after>タグに実行指示がある場合に実行されます。

注※8

データ転送時にタイムアウトが発生した場合に実行されます。

注意事項

FTPアダプタが実行するFTPコマンドの仕様はRFC959,RFC2228,RFC2428,およびRFC3659に準拠しています。ただし,次のコマンドは,RFCの仕様とFTPアダプタの仕様とで機能に差異があります。

  • TYPE

    FTPアダプタのTYPEコマンドにEBCDICは指定できません。

  • MODE

    FTPアダプタのMODEコマンドにブロックモードは指定できません。

  • LIST

    コマンドの引数でオプションを指定できます。ただし,接続先FTPサーバがオプションの指定をサポートしている必要があります。

  • NLST

    コマンドの引数でオプションを指定できます。ただし,接続先FTPサーバがオプションの指定をサポートしている必要があります。