Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.4.3 FTP受付使用時のトランザクション

FTPインバウンドアダプタにはトランザクションでFTP受付以降の処理に引き継ぐ情報がありません。そのため,FTP受付では,FTPインバウンドアダプタのトランザクションとは異なる新たなトランザクションを開始します。ただし,ビジネスプロセス内ではさらにFTP受付と異なる新たなトランザクションが開始されます。

新たなトランザクションが開始されるタイミングは,FTP受付のタイムアウトの監視をする場合としない場合とで異なります。

FTP受付のタイムアウトの監視の詳細は,「8.4.9 タイムアウトの監視」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) FTP受付のトランザクション(タイムアウトの監視をしない場合)

FTP受付のタイムアウトの監視をしない場合で,ビジネスプロセスを呼び出すときのFTP受付のトランザクションを次に示します。

図8‒12 FTP受付のトランザクション(タイムアウトの監視をしない場合)

[図データ]

なお,ビジネスプロセス内でFTPアダプタを使用してサーバ側にファイルを転送する場合,サーバ側へのファイル転送が完了したあとにビジネスプロセスの処理でエラーが発生すると,トランザクションはロールバックされて,FTPクライアント側にエラーが返ります。ただし,サーバ側のファイルは転送後の状態のままとなり,転送前の状態に戻されません。

(2) FTP受付のトランザクション(タイムアウトの監視をする場合)

FTP受付のタイムアウトの監視をする場合,異なるスレッドでビジネスプロセスが呼び出されるため,HCSCメッセージ配送制御で新たなトランザクションが開始します。FTP受付のタイムアウトの監視をする場合で,ビジネスプロセスを呼び出すときのFTP受付のトランザクションを次に示します。

図8‒13 FTP受付のトランザクション(タイムアウトの監視をする場合)

[図データ]

HCSCメッセージ配送制御で開始するトランザクションは,J2EEサーバのトランザクションタイムアウトの値で監視されます。トランザクションタイムアウトの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6.4 トランザクションタイムアウトを設定する」を参照してください。

なお,FTP受付のタイムアウト値を設定する場合,J2EEサーバのトランザクションタイムアウトの値よりも大きい値を設定することを推奨します。