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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引


1.2 Webサービスの概要

SOAPアプリケーションの説明に入る前に,まずその上位概念となるWebサービスの概要について説明します。

Webサービスは,インターネット上に分散するアプリケーションが提供するサービスを,クライアントにAPIとして提供することを目的としています。Webサービスは,相互接続のためのデータ形式やセキュリティ方式などのインタフェースだけを定義しています。トランスポートプロトコルなどのインタフェース以外については定義していないため,柔軟な相互接続が期待できます。Webサービスに関連する仕様は,基本的にXMLがベースになっています。基礎技術としてはSOAPWSDLUDDIが挙げられます。また,SOAPを対象としたセキュリティ仕様として,WS-Securityがあります。次に,Webサービスの一例を示します。

図1‒1 Webサービスの一例

[図データ]

Webサービスでは,柔軟にシステム間を相互接続するという概念上,未知のサービスを発見する手段があります。未知のサービスを発見するために,UDDIレジストリを利用します。UDDIレジストリを利用したWebサービスの利用の流れを示します。

  1. サービス提供者は,UDDIレジストリに,サービスの内容,アドレスを登録して公開します。

  2. サービス利用者は,UDDIレジストリにアクセスし,求めるサービスを検索します。

  3. UDDIレジストリは,サービス利用者に,該当するサービスの内容,アドレスを提供します。

  4. サービス利用者は,取得したアドレスに接続し,サービスを要求します。

  5. サービス提供者は,サービス利用者にサービスを提供します。

サービス利用者とサービス提供者がやり取りするSOAPメッセージは,Webサービスセキュリティの機能を使用することによって,機密情報を保護します。Webサービスセキュリティの機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービスセキュリティ構築ガイド」を参照してください。