Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引


1.3 SOAPアプリケーションの概要

SOAPアプリケーションとは,Webの標準技術を利用してネットワーク上でサービスを公開,実行できるアプリケーションのことをいいます。SOAPアプリケーションでは,クライアントとサーバ間のメッセージ交換用のプロトコルにSOAPを利用しています。クライアント側はサーバにメッセージを送信することで,サーバ側で提供されるSOAPサービスを利用します。次に,SOAPアプリケーションの処理の流れを示します。

図1‒2 SOAPアプリケーションの処理の流れ

[図データ]

リクエストメッセージを受けたSOAPサービスが処理を実行し,処理結果が必要な場合は,レスポンスメッセージをクライアントに返します。

次に,SOAPアプリケーションによるシステム開発の特長について示します。

相互接続性の高いシステムを開発できる

SOAPではオブジェクトへのアクセスを実現するために,下位のトランスポート層にWeb標準のプロトコル(HTTP)を利用できます。また,オブジェクトにアクセスするメッセージには,XMLの技術を利用します。したがって,Web標準のプロトコルやXMLの技術を利用した既存のシステムを拡張して,相互接続性の高いシステムを開発できます。さらに,開発したシステムをWS-Iが定めるBasic Profileに適合させることで,他社製品で構築したシステムとの相互接続性をより高めることができます。「付録C WS-I Basic Profileに適合したシステムを構築するための注意事項」を参考に開発されることをお勧めします。

拡張性の高いシステムが開発できる

SOAPアプリケーションでは,クライアントとサーバ間でやり取りするメッセージの形式にXMLの技術を利用しています。XML形式のデータは拡張性が高く,データの記述,交換に適しているため,拡張性の高いアプリケーションを開発できます。

メッセージレベルでセキュアなシステムが開発できる

SOAPアプリケーションでは,従来からの通信路のセキュリティに加え,メッセージレベルでのセキュリティをサポートしています。通信路のセキュリティについては「14.8 FAQ」を参照してください。

メッセージレベルでのセキュリティについては,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービスセキュリティ構築ガイド」を参照してください。