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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編


13.4.1 監視ツリーの自動生成の設定

この節では,JP1/IMの統合スコープに表示するアプリケーションサーバ用の監視ツリーを自動生成するための設定について説明します。

まず,次の表に示すサーバおよびクライアントに,監視ツリーの自動生成に必要なJP1の製品またはアプリケーションサーバの製品の構成ソフトウェアをインストール,セットアップしておいてください。なお,JP1/IMと連携する場合のシステム構成については,「13.3.1 システムの集中監視に必要なプログラム」を参照してください。

表13‒5 監視ツリーの自動生成に必要な製品または構成ソフトウェア

サーバ/クライアント

製品/構成ソフトウェア

J2EEサーバ

  • Component Container

  • Manager

アプリケーションサーバの運用管理サーバ

  • Manager

  • JP1/Base

JP1統合運用管理サーバ

  • JP1/Base

  • JP1/IM - Manager

運用管理クライアント

  • JP1/IM - View

アプリケーションサーバ用の監視ツリーを自動生成するための手順を次に示します。

  1. アプリケーションサーバの運用管理サーバで,次の作業を実施します。

    • アダプタコマンドのセットアップ((1)参照)

    • アダプタコマンドの実行環境の設定((2)参照)

    • Management Serverでの環境設定((3)参照)

  2. JP1統合運用管理サーバで,次の作業を実施します。

    • JP1/Baseの構成定義の作成((4)参照)

  3. 運用管理クライアントで,次の作業を実施します。

    • 監視ツリーの自動生成((5)参照)

〈この項の構成〉

(1) アダプタコマンドのセットアップ

監視ツリーの自動生成に使用する定義情報を収集するために,JP1/Baseによって実行されるアダプタコマンドをJP1/Baseに登録します。

アプリケーションサーバの運用管理サーバでmngsvr_adapter_setupコマンドを実行して,JP1/Baseの環境にアプリケーションサーバ用のアダプタコマンド設定ファイルを追加します。なお,mngsvr_adapter_setupコマンドを実行するユーザにはAdministrator権限(UNIXの場合は,root権限)が必要です。mngsvr_adapter_setupコマンドの実行例を次に示します。

mngsvr_adapter_setupコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvr_adapter_setup(アダプタコマンドのセットアップとアンセットアップ)」を参照してください。

(2) アダプタコマンドの実行環境の設定

アダプタコマンドを実行するための環境は,Management Serverの運用管理コマンドであるmngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル(.mngsvrutilrc)に設定します。

アプリケーションサーバの運用管理サーバで,OSユーザ(SYSTEMユーザ)のホームディレクトリ(UNIXの場合は,JP1/Baseを起動したOSユーザのホームディレクトリ)に,クライアント側定義ファイルを作成して,次のパラメタを指定します。

クライアント側定義ファイルは,mngsvrutilコマンドのオプションのデフォルト値を設定するファイルです。なお,mngsvrutilコマンドの実行環境を変更したい場合は,Management Serverの運用管理コマンドであるmngsvrutilコマンドのサーバ側定義ファイル(mngsvrutil.properties)で変更します。

mngsvrutilコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。クライアント側定義ファイル(.mngsvrutilrc)については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.14 .mngsvrutilrc(mngsvrutilコマンドのクライアント側定義ファイル)」を参照してください。サーバ側定義ファイル(mngsvrutil.properties)については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.15 mngsvrutil.properties(mngsvrutilコマンドのサーバ側定義ファイル)」を参照してください。

参考

クライアント側定義ファイルはクライアントごとに個別のデフォルト値を設定する場合に使用します。すべてのクライアント共通のデフォルト値を設定したい場合は,クライアント側共通設定ファイル(mngsvrutilcl.properties)を使用してください。なお,両方のファイルを使用している場合は,クライアント側定義ファイルが適用されます。クライアント側共通設定ファイルは読み込まれません。

(3) Management Serverでの環境設定

監視ツリーを自動生成する前に,Management Serverで次の設定をしてください。

運用管理エージェントとManagement Serverの起動および停止については,「2.6 システムの起動と停止の設定」を参照してください。

なお,論理サーバの構成やJ2EEアプリケーションの数を変更した場合は,もう一度監視ツリーを自動生成する必要があります。

(4) JP1/Baseの構成定義の作成

JP1/IMが管理するシステムの構成を定義するJP1/Baseの構成定義ファイルを作成します。また,JP1/Baseの構成定義ファイルに定義したホストへ,定義情報を配布します。

JP1/Baseの構成定義の作成手順を次に示します。なお,詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 構築ガイド」のシステムの構成定義情報の設定に関する説明を参照してください。

  1. JP1/Baseの構成定義ファイルを作成して,システムの構成を定義します。

    構成定義ファイル(jbs_route.confファイル)は次の場所にインストールされています。

    • Windowsの場合

      <JP1/Baseのインストールディレクトリ>\jp1base\conf\route\jbs_route.conf

    • UNIXの場合

      /etc/opt/jp1base/conf/route/jbs_route.conf

    構成定義ファイルの内容を次に示します。

    構成定義ファイルの内容

    [JP1統合運用管理サーバマシンのホスト名]

    J2EEサーバマシンのホスト名

    アプリケーションサーバの運用管理サーバマシンのホスト名

  2. jbsrt_distribコマンドを実行して,構成定義情報を配布します。

(5) 監視ツリーの自動生成

運用管理クライアントにあるJP1/IM - Viewで,監視ツリーを自動生成します。

監視ツリーを自動生成するための手順を次に示します。監視ツリーの自動生成は,JP1/IM - Viewがインストールされた運用管理クライアント(Windows)で実施してください。JP1/IMの起動と停止,ログインとログアウトなどの操作については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 運用ガイド」を参照してください。

  1. Windowsの[スタート]メニューから[JP1_Integrated Manager - View]-[監視ツリー編集]を選択します。

    JP1/IM - Viewの[監視ツリー(編集中)]画面が起動されます。

  2. [オプション]−[ツリーの自動生成]を選択します。

    統合スコープにログインするための[ログイン]画面が表示されるため,ログイン処理をすると,[自動生成-構成選択]画面が表示されます。

  3. 自動生成する監視ツリーのモデルとして[業務指向ツリー]または[サーバ指向ツリー]を選択して,[生成]ボタンをクリックします。

    監視ツリーが自動生成されます。

  4. [監視ツリー(編集中)]画面で,[ファイル]−[サーバのツリーを更新]を選択します。

    確認ダイアログが表示されるので,[はい]ボタンをクリックすると,生成された監視ツリーの情報がJP1統合運用管理サーバに反映されます。

    JP1/IM - Viewでアプリケーションサーバの業務指向ツリーを生成および編集した場合の例を次の図に示します。

    図13‒6 アプリケーションサーバの業務指向ツリーの生成,編集例

    [図データ]