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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


3.6.10 HiRDB Cloud Serviceに接続する場合の条件と設定

HiRDB Cloud Serviceに接続する場合の条件と設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) HiRDB Cloud Serviceに接続するための前提条件

J2EEサーバを推奨モードで使用する場合だけ接続をサポートします。V9互換モードの場合はサポート対象外です。

HiRDB Cloud Serviceに接続する場合のサポート条件を次に示します。

表3‒37 HiRDB Cloud Serviceに接続する場合のサポート条件

項目

条件

接続に使用できるJDBCドライバと接続先のHiRDB Cloud ServiceのDBMSバージョン

リリースノートの前提ソフトウェアの項目に記載されているHiRDB Cloud Serviceに接続する場合の条件に従ってください。

接続に使用するDB Connector

DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

注意事項

接続に使用するDB ConnectorであるDBConnector_Oracle_CP.rarでは,グローバルトランザクションを利用できません。

DB Connectorの設定条件を次の表に示します。設定方法については,「(4)アプリケーションサーバの設定」を参照してください。

表3‒38 DB Connectorの設定の条件

設定項目

設定の条件

コネクションプーリング

有効

障害検知

コネクション取得要求時

(2) HiRDB Cloud Serviceの使用条件

アプリケーションサーバの稼働中に,HiRDBの停止を伴うHiRDB Cloud Serviceの操作をしないでください。ただし,HiRDB Cloud Serviceの系切り替えについては,アプリケーションサーバの稼働中に実行できます。

(3) 使用できるアプリケーションサーバの機能

アプリケーションサーバにはデータベースを前提とする機能があります。HiRDB Cloud Serviceと接続した場合の使用可否を次の表に示します。

表3‒39 データベースを前提とする機能の使用可否

アプリケーションサーバの機能

使用可否

DB Connectorによるデータベース接続

Cosminexus Reliable Messaging

×

Entity Bean

×

アプリケーションサーバのJPAプロバイダ

×

V9互換モードでのCosminexus JPAプロバイダ

×

Java Batch機能

×

データベース監査証跡連携機能

×

データベースセッションフェイルオーバ機能

×

凡例 ○:使用できる ×:使用できない

(4) アプリケーションサーバの設定

HiRDB Cloud Serviceに接続するために必要な,アプリケーションサーバに関する設定について説明します。

(a) DB Connectorの設定

DB Connectorの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。ただし,インポートするDB Connectorと,DB Connectorのプロパティ定義は次の説明に従ってください。

インポートするDB Connector

DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

DB Connectorのプロパティ定義

Connector属性ファイルの<hitachi-connector-property>−<resourceadapter>−<outbound-resourceadapter>−<connection-definition>−<connector-runtime>−<property>タグに,次の表に示すDB Connectorの実行時プロパティを設定してください。

表3‒40 設定が必要なDB Connectorの実行時プロパティ

property-name

property-type

property-value

デフォルト値

MaxPoolSize

int

プール内のコネクションの最大数を指定します。1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

MinPoolSize

int

プール内のコネクションの最小数を指定します。1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

ValidationType

int

コネクション障害検知機能の障害検知のタイミングを指定します。1 (コネクション取得要求時にチェック) を設定してください。

1

MaxPoolSizeおよびMinPoolSizeのプロパティを設定すると,コネクションプーリング機能が有効になります。コネクションプーリング機能の詳細は,「3.14.1 コネクションプーリング」を参照してください。また,ValidationTypeのプロパティを設定すると,コネクション障害検知機能が有効になります。コネクション障害検知機能の詳細は,「3.15.1 コネクションの障害検知」を参照してください。

(b) Developer's Kit for Javaの設定

HiRDB Cloud ServiceのHA構成を利用する場合は,Java環境にドメインネームシステム(DNS)の名前解決結果のキャッシュ時間の設定が必要です。HiRDB Cloud Serviceからの案内に従い,Developer's Kit for Javaに対してドメインネームシステム(DNS)の名前解決結果のキャッシュ時間を設定してください。

<Developer's Kit for Javaインストールディレクトリ>/conf/security/java.security

(5) データベースの設定

データベースおよび接続に使用するクライアントのタイムアウトを適切に設定してください。特に接続に使用するクライアントからの応答が返らなかった場合,アプリケーションサーバやDB Connectorが応答を待ち続けてしまうことがあるため注意してください。

接続に使用するクライアントのタイムアウト値を検討する際には,アプリケーションサーバが持つ各タイムアウトの区間との内包関係を確認してください。各タイムアウトが適切に動作するために,タイムアウト値の大小関係に注意が必要です。タイムアウトを設定する場合の指針については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6 タイムアウトを設定する」を参照してください。HiRDB Cloud Serviceに接続する場合に設定可能なタイムアウトについては,HiRDB Cloud ServiceやHiRDBのドキュメントを参照してください。

(6) HiRDB Cloud Serviceでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作

HiRDB Cloud Serviceでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作については,「3.6.11 マネージドデータベースサービスがフェイルオーバーした場合のDB Connectorの動作」を参照してください。