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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


3.6.9 Amazon RDS for Oracleに接続する場合の条件と設定

Amazon RDS for Oracleに接続する場合の条件と設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Amazon RDS for Oracleに接続するための前提条件

J2EEサーバを推奨モードで使用する場合だけ接続をサポートします。V9互換モードの場合はサポート対象外です。

Amazon RDS for Oracleに接続する場合のサポート条件を次の表に示します。

表3‒32 Amazon RDS for Oracleに接続する場合のサポート条件

項目

条件

接続に使用できるJDBCドライバと接続先のAmazon RDS for OracleのDBMSバージョン

リリースノートの前提ソフトウェアの項目に記載されているAmazon RDS for Oracleに接続する場合の条件に従ってください。

接続に使用するDB Connector

DBConnector_Oracle_CP.rar

注意事項

接続に使用するDB ConnectorであるDBConnector_Oracle_CP.rarでは,グローバルトランザクションを利用できません。

DB Connectorの設定条件を次の表に示します。設定方法については,「(4)アプリケーションサーバの設定」を参照してください。

表3‒33 DB Connectorの設定条件

設定項目

設定条件

コネクションプーリング

有効

障害検知

コネクション取得要求時

(2) Amazon RDS for Oracleの使用条件

アプリケーションサーバ稼働中のAmazon RDS for Oracleの操作実行可否を次の表に示します。なお,次の表で「Amazon RDS for Oracleの操作」列に存在しない操作についても,アプリケーションサーバの稼働中には実行できません。

表3‒34 アプリケーションサーバ稼働中のAmazon RDS for Oracleの操作実行可否

Amazon RDS for Oracleの操作

アプリケーションサーバ稼働中の操作実行可否

フェイルオーバー

バックアップの作成

DBインスタンスのメンテナンス

×

DBインスタンスのスケールアップおよびスケールダウン

×

DBインスタンスのストレージ容量のスケールアップ

×

DBインスタンスのストレージタイプの変更

×

DBインスタンスの名前変更

×

パラメータの変更

×

凡例 ○:実行できる ×:実行できない

Amazon RDS for Oracleのリードレプリカとの接続については,利用者側で動作に問題がないことを十分確認することを前提にご利用ください。動作確認で問題があったDB Connectorの機能についてはサポート対象外になります。

(3) 使用できるアプリケーションサーバの機能

アプリケーションサーバにはデータベースを前提とする機能があります。Amazon RDS for Oracleと接続した場合の使用可否を次の表に示します。

表3‒35 データベースを前提とする機能の使用可否

アプリケーションサーバの機能

使用可否

DB Connectorによるデータベース接続

Cosminexus Reliable Messaging

×

Entity Bean

×

アプリケーションサーバのJPAプロバイダ

×

V9互換モードでのCosminexus JPAプロバイダ

×

Java Batch機能

×

データベース監査証跡連携機能

×

データベースセッションフェイルオーバ機能

×

凡例 ○:使用できる ×:使用できない

(4) アプリケーションサーバの設定

Amazon RDS for Oracleに接続するために必要な,アプリケーションサーバに関する設定について説明します。

(a) J2EEサーバ用ユーザプロパティの設定

Amazon RDS for Oracleに接続する場合は,J2EEサーバ用ユーザプロパティファイルに次のプロパティを設定してください。

設定先のファイル
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>/CC/server/usrconf/ejb/<J2EEサーバ名>/usrconf.properties
設定するプロパティ
oracle.jdbc.autoCommitSpecCompliant=false

(b) DB Connectorの設定

DB Connectorの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。ただし,インポートするDB Connectorと,DB Connectorのプロパティ定義は次の説明に従ってください。

インポートするDB Connector

DBConnector_Oracle_CP.rar

DB Connectorのプロパティ定義

Connector属性ファイルの<hitachi-connector-property>−<resourceadapter>−<outbound-resourceadapter>−<connection-definition>−<connector-runtime>−<property>タグに,次の表に示すDB Connectorの実行時プロパティを設定してください。

表3‒36 設定が必要なDB Connectorの実行時プロパティ

property-name

property-type

property-value

デフォルト値

MaxPoolSize

int

プール内のコネクションの最大数を指定します。1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

MinPoolSize

int

プール内のコネクションの最小数を指定します。1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

ValidationType

int

コネクション障害検知機能の障害検知のタイミングを指定します。1(コネクション取得要求時にチェック)を設定してください。

1

MaxPoolSizeおよびMinPoolSizeのプロパティを設定すると,コネクションプーリング機能が有効になります。コネクションプーリング機能の詳細は,「3.14.1 コネクションプーリング」を参照してください。また,ValidationTypeのプロパティを設定すると,コネクション障害検知機能が有効になります。コネクション障害検知機能の詳細は,「3.15.1 コネクションの障害検知」を参照してください。

(c) Developer's Kit for Javaの設定

Amazon RDSのマルチAZ構成を利用する場合は,Java環境にドメインネームシステム(DNS)の名前解決結果のキャッシュ時間の設定が必要です。Amazon RDS for Oracleからの案内に従い,Developer's Kit for Javaに対してドメインネームシステム(DNS)の名前解決結果のキャッシュ時間を設定してください。設定先のファイルを次に示します。

<Developer's Kit for Javaインストールディレクトリ>/conf/security/java.security

(5) データベースの設定

データベースおよび接続に使用するクライアントのタイムアウトを適切に設定してください。特に接続に使用するクライアントからの応答が返らなかった場合,アプリケーションサーバやDB Connectorが応答を待ち続けてしまうことがあるため注意してください。Amazon RDS for Oracle に接続する場合は,接続に使用するクライアントのタイムアウトとしてソケット読み込みタイムアウトを設定してください。

接続に使用するクライアントのタイムアウト値を検討する際には,アプリケーションサーバが持つ各タイムアウトの区間との内包関係を確認してください。各タイムアウトが適切に動作するために,タイムアウト値の大小関係に注意が必要です。タイムアウトを設定する場合の指針については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6 タイムアウトを設定する」を参照してください。Amazon RDS for Oracleに接続する場合に設定できるタイムアウトについては,Amazon RDS for OracleやOracle Databaseのドキュメントを参照してください。

(6) Amazon RDS for Oracleでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作

Amazon RDS for Oracleでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作については,「3.6.11 マネージドデータベースサービスがフェイルオーバーした場合のDB Connectorの動作」を参照してください。