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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド


6.3.3 TPBrokerのセットアップ(HACMP)

HACMPを起動する前に,すべての系でTPBrokerのセットアップをする必要があります。すべての系で,次に示す手順を繰り返してください。

〈この項の構成〉

(1) 環境変数の設定(HACMP)

TPBrokerの動作に必要な環境変数を設定します。詳細は,マニュアル「TPBroker ユーザーズガイド」を参照してください。

(2) TPBrokerファイルシステムの作成(HACMP)

共有ディスクをTPBrokerファイルシステムで使用する場合,tsmkfsコマンドでTPBrokerファイルシステムを作成します。UNIXファイルシステムで使用する場合はこの手順は必要ありません。tsmkfsコマンドについては,マニュアル「TPBroker ユーザーズガイド」を参照してください。

この手順は現用系で一度だけ行ってください。また,TPBrokerが05-12以前のバージョンで作成したTPBrokerファイルシステムを使用する場合もこの手順を行う必要があります。

コマンドの実行例を次に示します。

  1. ボリュームグループの活動を開始します。

    varyonvg vg00
  2. TPBrokerファイルシステムを作成します。

    tsmkfs -s 1024 -n 100 -l 10 /dev/rdisk0

    tsmkfsコマンドのオプションは,使用しているシステムに応じて適切な値を設定してください。この実行例では,セクタ長1024,容量100MB,最大ファイル数10の領域を確保します。

  3. ボリュームグループの活動を停止します。

    varyoffvg vg00

(3) TPBrokerのOTS環境のセットアップ(HACMP)

tssetupコマンドで,TPBrokerのOTS環境のセットアップをします。必ず-iオプションを指定して,ディスクを共有させてください。

環境を再構築する場合など,共用ディスク上に存在する情報を引き継ぐ必要のない場合は,-nオプションを指定してtssetupコマンドを実行してください。OTS環境が正常開始します。待機系の環境構築など,現用系の情報を引き継がせる場合は,-nオプションを指定しないでください。

tssetupコマンドについては,マニュアル「TPBroker ユーザーズガイド」を参照してください。

コマンドの実行例を次に示します。

共用ディスクの情報を引き継ぐ場合
  1. TPBrokerのOTS環境のセットアップをします。

    tssetup -i

共用ディスクの情報を引き継がない場合
  1. TPBrokerのOTS環境のセットアップをします。

    tssetup -n -i

(4) システム環境定義の設定(HACMP)

tsdefvalueコマンドでHACMPとの連携に必要なシステム環境定義を設定します。定義パスは,次の表に示す値を設定します。

表6‒1 HACMPとの連携時に必要なシステム環境定義

定義パス名

/ADM/

set_conf_mode

"MANUAL2"

/OTS/

completion_process_ipaddr_info

"<サービスIPアドレス>"

/OTS/

set_ipaddr_info

"<サービスIPアドレス>"

/SYSTEM/

system_id_info

"<4バイトの文字列>"

上記以外の項目については,ご使用の環境に合わせた値を設定します。また,すべての系で同じ値を設定します。

tsdefvalueコマンドについては,マニュアル「TPBroker ユーザーズガイド」を参照してください。

コマンドの実行例を次に示します。

  1. 開始モードを設定します。

    tsdefvalue /ADM set_conf_mode -s "MANUAL2"
  2. 決着プロセスホスト名を設定します。

    tsdefvalue /OTS completion_process_ipaddr_info -s "172.17.115.37"
  3. デーモンプロセスホスト名を設定します。

    tsdefvalue /OTS set_ipaddr_info -s "172.17.115.37"
  4. システム識別子情報を設定します。

    tsdefvalue /SYSTEM system_id_info -s "TPB1"

(5) TPBrokerの運用支援機能実行環境のセットアップ(HACMP)

admsetupコマンドで,TPBrokerの運用支援機能実行環境のセットアップをします。必ず-iオプションを指定して,ディスクを共有させてください。なお,-cオプションはすべての系で同じ値(パス)を指定し,指定するプロセス監視定義ファイルは同じ内容としてください。

環境の再構築時など,共用ディスク上に存在する情報を引き継ぐ必要のない場合には,-nオプションを指定してadmsetupコマンドを実行してください。ADM環境が正常開始します。待機系の環境構築など,現用系の情報を引き継がせる場合は,-nオプションを指定しないでください。

admsetupコマンドについては,マニュアル「TPBroker ユーザーズガイド」を参照してください。

コマンドの実行例を次に示します。

共用ディスクの情報を引き継ぐ場合
  1. TPBrokerの運用支援機能実行環境のセットアップをします。

    admsetup -c /opt/TPBrokerV5/adm/admconf.cf -i

共用ディスクの情報を引き継がない場合
  1. TPBrokerの運用支援機能実行環境のセットアップをします。

    admsetup -c /opt/TPBrokerV5/adm/admconf.cf -n -i