3.4.6 文字コード範囲のチェック抑止
環境変数 |
プロパティ |
指定範囲 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
(C++ ORB限定) |
auto|true|false |
auto |
コードセットがUTF-16の場合(TPBrokerはUTF-16だけサポート),0xD800〜0xDFFFの範囲にあるデータを,IDLのwchar型またはwstring型で送受信するかどうかを設定します。RMI-IIOP通信で,char型の送受信はIDLのwchar型と同等に,java.lang.Stringオブジェクトの送受信はIDLのwstring型と同等に扱われます。
Unicodeの補助文字は,UTF-16ではサロゲートペアと呼ばれる0xD800〜0xDFFFの範囲にあるデータを対にした値で,表されます。Unicodeの補助文字を送受信したい場合は,"auto"(デフォルト値)または"true"を設定してください。
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auto
通信相手によって,0xD800〜0xDFFFの範囲にあるデータを含むwchar型またはwstring型を送受信するかどうかを自動的に切り替えます。
次の条件がすべて重なる場合に送受信できます。それ以外は"false"を設定したときと同じ動作をします。
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通信相手がTPBroker 05-19以降である。
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通信相手がこの機能に"auto"(デフォルト値)または"true"を設定している。
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GIOP1.2(TPBrokerのデフォルト値)またはGIOP1.1で通信している。
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true
0xD800〜0xDFFFの範囲にあるデータを含むIDLのwchar型またはwstring型を送受信します。
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false
TPBroker 05-18以前と同じ動作です。
次の条件のどれかの場合に,0xD800〜0xDFFFの範囲にあるデータを含むIDLのwchar型またはwstring型を送受信しません。そのため,例外DATA_CONVERSIONが発生します。
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Java ORBの場合
・IDLのwchar型をGIOP1.0,GIOP1.1,またはGIOP1.2で送信する。
・IDLのwstring型をGIOP1.2,およびvbroker.orb.embedCodesetに"true"(TPBroker 05-18以前のデフォルト)を設定して送信する。
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C++ ORBの場合
・IDLのwchar型をGIOP1.1,またはGIOP1.2で送受信する。
・IDLのwstring型をGIOP1.1,またはGIOP1.2で送信する。
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- 注意事項
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環境変数とプロパティの両方の設定がある場合はプロパティの設定が有効になります。
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プロパティvbroker.orb.htc.surrogateCheckOffにautoを指定(またはデフォルト)したサーバおよびクライアントが,IDLのwchar/wstring型でUnicodeの補助文字を含むデータを送受信する場合,以下に注意してください。
設定した値と異なる動作になる場合があります。
(a) 05-18以前のTPBrokerで作成したIORファイルと,05-19以降のTPBrokerで作成したIORファイルを混在させないでください。
(b) 05-19以降のTPBrokerで,上記機能にautoまたはtrueを指定して作成したIORファイルと,falseを指定して作成したIORファイルを混在させないでください。
(c) 上記機能の設定を変更する場合は,サーバとクライアントを共に停止してから設定し直してください。
注 IORファイルの混在とは,vbroker.se.xxx.scm.yyy.listener.portを固定して複数のIORファイルを作成し,使用することを意味します。
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- 使用言語
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環境変数:C++ ORB限定
プロパティ:Java ORB,C++ ORB