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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド


3.3.1 osagentでのマルチホームホスト環境の設定

環境変数

プロパティ

指定範囲

デフォルト値

HVI_OSAGENT_CLIENTHANDLERADDR_FILE

なし。

任意のパス名

(絶対パスのファイル名)

Windows

%VBROKER_ADM%\htc.clienthandleraddr

UNIX

${VBROKER_ADM}/htc.clienthandleraddr

この機能は,htc.clienthandleraddrファイルとして使用するファイルを設定します。この機能を設定することで,任意のファイルをhtc.clienthandleraddrファイルとして使用できます。

htc.clienthandleraddrファイルを使用することで,osagentとクライアントアプリケーション間の通信で使用するIPアドレスをカスタマイズし,マルチホームホスト環境で通信できるようになります。htc.clienthandleraddrファイルには,各ネットワーク上のアプリケーションに対して,osagentが応答するIPアドレスを定義します。

osagentは各アプリケーションとUDPおよびTCPを使用して通信します。そのため,マルチホームホスト上で起動するosagentがアプリケーションとの通信に使用するIPアドレスは,通常localaddrファイルに定義されている適切なインタフェースまたはプライマリIPアドレスです。プライマリIPアドレスとは,gethostname()またはsysinfo()を利用して得られるホスト名を使用してgethostbyname()を発行して得られたIPアドレスのことをいいます。

しかし,osagentと異なるサブネットに存在するアプリケーションとosagentがプライマリIPアドレスではないネットワークインタフェースを使用して通信する場合は,osagentとアプリケーション間で,円滑に通信できないことがあります。そのため,htc.clienthandleraddrファイルに,osagentが各アプリケーションに対して使用するIPアドレスを動的に指定することで,上記の動作で不都合がある環境で,osagentとアプリケーション間の通信が円滑に行えるようになります。

マルチホームホスト環境では,htc.clienthandleraddrファイル内のosagentが応答するIPアドレスに,次のようにサービスIPアドレスを指定してください。

htc.clienthandleraddrファイルの記述形式

ファイルの記述形式を次に示します。

通信相手のIPアドレス   サブネットマスク     osagentが応答するIPアドレス
XXX.XXX.XXX.XXX     XXX.XXX.XXX.XXX   XXX.XXX.XXX.XXX
  • Xは任意の数字です。

  • 「#」で始まるエントリは,コメント行と見なされます。

  • 行は必ず改行文字で終了します。

htc.clienthandleraddrファイルの設定例

次の図に示したシステム構成を例に説明します。

図3‒1 マルチホームホスト環境のシステム構成(osagentでのマルチホームホスト環境の設定)

[図データ]

条件
  • マルチホームホスト環境で,osagent(ホストA),クライアント(ホストD)の間で通信します。htc.clienthandleraddrファイルは,osagentを起動するホスト(ホストA)に格納します。

  • 設定されているIPアドレスは,次のとおりです。

    A.A.A.A:ホストAの実IP(プライマリIP)アドレス

    C.C.C.C:ホストAのサービスIPアドレス(osagentが応答するIPアドレス)

    D.D.D.D:ホストDの実IP(プライマリIP)アドレス

htc.clienthandleraddrファイルの内容

図3-1に示したシステム構成で,上記の条件の場合のhtc.clienthandleraddrファイルの内容を次に示します。

D.D.D.D <subnet-mask> C.C.C.C
注意事項

環境変数HVI_OSAGENT_CLIENTHANDLERADDR_FILEを設定していない場合,デフォルト値に示したhtc.clienthandleraddrファイルを使用します。

備考

osagent限定