admsetup(実行環境のセットアップ)
形式
admsetup { -d [-r サービス名] [-f] | -c プロセス監視定義ファイル名 [-r サービス名] [-i] [-n]}
機能
TPBrokerの実行環境を初期化します。また,作業用のディレクトリの作成,初期化,およびOSへの登録を行います。
UNIX版の場合,コマンドを実行した環境に設定されている次の環境変数を運用支援機能の開始時に引き継ぎます。
ADMFS,ADMSPOOL,LANG,LD_LIBRARY_PATH(Linuxの場合),LIBPATH(AIXの場合),OSAGENT_PORT,TPDIR,TPFS,TPRMINFO,TPSPOOL,TZ,VBROKER_ADM
Windows版の場合,運用支援機能の実行環境をサービスとしてOSに登録し,admsetupコマンドを実行したTPBroker環境の環境変数を設定します。admsetupコマンドを実行した環境に設定されている,次の環境変数を運用支援機能の開始時に引き継ぎます。
ADMFS,ADMSPOOL,TPDIR,TPFS,TPSPOOL
オプション
-d
実行環境が削除され,OSから登録解除されます。
-f
クラスタシステム構成で環境変数ADMFSを共有している場合,およびTPBroker運用支援機能の引き継ぎ情報を削除する場合に指定します。このオプションを指定してadmsetupコマンドを実行した場合,環境再構築後最初の運用支援機能の起動は正常開始となります。
-fオプションは,必ず-dオプションとともに指定してください。
-c プロセス監視定義ファイル名
プロセス監視定義を設定しているプロセス監視定義ファイル名を,ドライブ名を含む絶対パスで指定します。プロセス監視定義ファイルの記述形式については「8.2 プロセス監視定義の詳細」を参照してください。
-i
環境変数ADMFSで設定されたディレクトリ,またはキャラクタ型スペシャルファイルを,複数のTPBroker環境で共有する場合に指定します。このオプションを指定した場合と指定しない場合の動作を次の表に示します。
動作 |
-iオプションあり |
-iオプションなし |
---|---|---|
$ADMFSディレクトリがある場合のadmsetupコマンドの動作 |
正常終了 |
異常終了 |
$ADMFSディレクトリの作成タイミング |
admstartコマンド実行時 |
admsetupコマンド実行時 |
-dオプションを指定してadmsetupコマンドを実行した場合に$ADMFSディレクトリを削除するかどうか |
削除しない |
削除する |
-iオプションを指定すると$ADMFSディレクトリは削除されないため,どの環境からも参照されなくなった$ADMFSディレクトリはOSのコマンドなどで削除してください。また,-dオプションを指定してadmsetupコマンドを実行すると,$ADMSPOOLディレクトリは削除されるため,-dオプションを指定してadmsetupコマンドを実行したあとに,-iオプションを指定してadmsetupコマンドを実行する場合は,環境変数ADMFSに環境変数ADMSPOOLとは別のパスを明示的に設定してください。
ただし,同一ノードで複数のTPBrokerをOSに登録する場合は,このオプションを指定しないでください。
-n
admsetupコマンド実行後の最初のADMの起動を正常開始にします。$ADMFSディレクトリを共用ディスクやTPBrokerファイルシステムに配置すると,監視対象プロセスの情報が前回のADM停止時の状態で残る場合があります。このオプションは,ADM環境を作成し直す場合で監視対象プロセスの情報を引き継ぐ必要がないときに指定してください。
-r サービス名
登録または削除するサービス名を指定します。サービス名は,(空白と「_」(アンダースコア)を含む半角英数字を1〜32文字で指定します。大文字小文字は区別しません。また,サービス名の先頭および語尾に空白文字は指定できません。このオプションを省略した場合,「TPBroker」を名称としてサービスを登録または削除します。
このオプションは,Windows版 TPBroker 05-15以降で有効です。
表示形式
prompt> admsetup -c $TPDIR/adm/admconf.cf KFCB29031-I admsetup successful. prompt> admsetup -d KFCB29031-I admsetup successful.
注意事項
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-dオプションを指定した場合,作業用ディレクトリ$ADMSPOOLおよび$ADMFSが削除されます。TPBrokerの稼働中は,-dオプション付きのadmsetupコマンドは実行しないでください。
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このコマンドを実行できるのは,UNIX版ではroot権限,Windows版ではAdministrator権限を持つユーザです。
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-fオプションが-dオプションとともに指定されていない場合,メッセージKFCB29012-Iを出力して削除処理は行いません。
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ファイルの削除に失敗した場合でも,削除処理は続行して削除できるファイルをすべて削除します。その場合,処理中の下位レイヤでエラーが発生したとき,メッセージKFCB29073-Wを出力します。メッセージの詳細は,「11.2 メッセージ一覧」を参照してください。
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admsetupコマンドでOSに登録できるTPBroker運用支援機能の実行環境の数は,UNIX版は5個,Windows版は制限がありません。
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UNIX版の場合,運用支援機能の実行環境を/etc/inittabに登録するときにTPBrokerが使用する識別子は,t0〜t9です。
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OTS機能を使用しないでTPBrokerの運用支援機能だけを使用する場合でも,admsetupコマンド実行前にtssetupコマンドを実行してください。
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admsetupコマンドでTPBrokerをOSへ登録した場合,TPBrokerをアンインストールする前に必ず-dを付けたadmsetupコマンドを実行して,TPBrokerの登録を解除してください。
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既に登録されているADMサービス名を指定した場合は,KFCB29045-Eのメッセージを出力してセットアップを中止します。サービス名を変更する場合は,アンセットアップが必要です。
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ADMの複数登録機能を使用した環境で,$ADMSPOOLをカレントディレクトリとして,-rオプションを指定して「admsetup -d」を実行した場合,%ADMSPOOL%ディレクトリを削除できません。その後,-rオプションを指定して「admsetup -d」を実行しても,KFCB29079-Eのメッセージが出力され,%ADMSPOOL%ディレクトリが削除できない状態になります。その場合,-rオプションを指定せずに「admsetup -d」を実行しても%ADMSPOOL%ディレクトリは削除されません。手動で%ADMSPOOL%ディレクトリを削除してください。
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「admsetup -c 定義ファイル -r サービス名」で構築した運用支援機能の実行環境を削除する場合,必ず「admsetup -d -r サービス名」で削除してください。-rオプションを指定せずに「admsetup -d」で削除した場合,意図していない運用支援機能の実行環境を削除する場合があります。